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オールセラミック&メタルボンドセラミック&ハイブリッドセラミック 1

 今回から、何回かに分けて、審美修復治療の中でも、一見区別が付きにくい、セラミックを中心とした、いわゆる「白い歯でかぶせる」治療を少し詳しくご紹介しましょう。

 一口にセラミック冠修復と言っても、大きく簡単に分けても、タイトルに上げた3種類があります。
さらに、使われる材料により、もっと細かく分けることができますし、そして、それぞれ、性能に差があり、長短があります。

 まず第1話は、いま流行のオールセラミック冠から行きましょう。
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 術前です。
 向かって右側(患者様にとっては左側)正面の歯の歯ぐきとの境い目のスキマが気になる、ということで来院なさいました。
 小さいときに怪我をして、歯を折ったためメタルボンドセラミック冠を入れてありました。
良くも悪くもメタルボンドセラミック冠の特徴がよく出た症例です。
 
 装着して年数が経っているため、ある程度歯ぐきが退縮するのは、いたしかたありません。
しかし、右上や、下の歯肉にも炎症が見られますので、軽度の歯周炎にもかかっているようです。
歯周炎を起こすと、歯肉の退縮が早くなります。スキマはそれにより、より増大したかもしれません。

 メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを溶着してあるため、かぶせの縁の部分に、黒い金属の線(ブラックマージン)が見られることがあります。この症例でもそれが見られ、歯肉炎が起きたことで、歯肉まで暗赤色に黒ずんで見えてしまっています。
 また、メタルボンド冠は、内部に金属が隠されているため、やや透明感に欠け、金属色を隠すために白っぽい色調になることがあります。

 今回は、患者様の希望もあり、オールセラミック冠を選択しました。
オールセラミック&メタルボンドセラミック&ハイブリッドセラミック 1_b0119466_2320844.jpg

術後です。
 審美修復前の基礎治療として、歯周治療も行っているため、歯肉の炎症も治癒し、きれいなピンク色の歯肉になっています。
 気になっていた、歯茎とのスキマも解消されブラックマージンもありません。この部の歯肉の暗赤色も消えています。
 ホワイトニングの希望がなかったため、色調は、他の歯の色をベースにしました。
適度な、透明感とツヤが再現できていると思います。

 材質は、オールセラミックでは、「白い金属」と呼ばれるジルコニアフレームと、アルミナフレームがあります。ジルコニアはあだ名どおり強度に優れ、フレームを薄く作ったり、大きなブリッジも対応することができます。アルミナは、大きなフレームは作れませんが、発色性や透明感が高く色調再現性に優れます。

 今回は、噛み合わせ部分に強度が必要であったため、ジルコニアフレームを選択してあります。

 整理をしましょう。
オールセラミックの最大の特徴は、一切金属を使わないことです。
そこから生まれる長所として、
1.透明感や、色調再現性に優れる。
2.金属による、ブラックマージンや、歯肉の変色が起きにくい。
3.金属アレルギーの心配がない。
4.セラミックは、汚れが付着しにくく、清掃がしやすいため、清潔を保ちやすい。そのため、その後の虫歯や歯周病も発生しにくい。
5.光を透過する性質があるため、太陽光や人工光など、光源による、見え方、色調のの変化が少ない。
などがあります。

もちろん短所もないわけではありません。
1.まずはどうしても高価になること。
2.噛み合わせなどにより、薄く強度が必要な部分には、選択が制限されること。
3.アルミナフレームは、割れたり破損する可能性が0(ゼロ)ではないこと。
4.ジルコニアフレームは、開発されてからの年数がまだ浅いため、長期観察症例がないこと。
5.土台の色も透過してしまうため、土台が特に変色している場合は、その色をマスクしてやる必要があること
などがあげられます。

しかし、年々、性能は上がってきています。
金属アレルギーのある方や、ここ一番、審美的な仕上がりを望む方は、試してみる価値はあると思います。

■オールセラミック冠 1本 126000円(消費税込み)~
by healthcarenews | 2010-10-23 00:44 | 審美治療・セラミック

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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