オールセラミック&メタルボンドセラミック&ハイブリッドセラミック 2
薄い金属のフレームに、セラミックを1000度近い温度で溶かし、ガラス状に溶着していく方法なので、ガラスのようなツヤと透明感があり、強度に優れ、色が黄ばんだり、ツヤが消えたりすることがありません。
模型の上のメタルボンド冠です。表から見ると、こんな感じですが・・・・、
色調も、歯の構造に合わせて、深いところから、象牙質の色、エナメル質の色、天然歯の縞や着色、ひび割れなども再現して、3重から4重の手間をかけた、精密な構造になっています。
症例を見てみましょう。
術前です。左下小臼歯が折れて、糸切り歯も虫歯になっています。
術後です。
メタルボンドクラウンの長所・短所を整理しましょう。
長所
1.まずは内部に金属のフレームを持っているため、強度に優れること。大きなブリッジや噛み合わせの強い部分でも安心して使えます。これは、オールセラミック冠との大きな違いです。
2.セラミックも強度が高く、色ツヤともに、衰えることなく長く使うことができます。
そのため、例えば、プラスチックを張り付けた前装冠と呼ばれる治療でよく起こる、白い部分と金属の境い目で壊れるというトラブルや、穴が開いたり、割れたりというトラブルがほとんど起きません。
3.長い歴史があるため、長期症例が豊富にあり、データが多いこと。当院でも20年くらい使っている症例がザラにあります。
また、セラミック技術は成熟しているため、患者様の歯に合わせて、縞模様やひび割れなど多彩なオーダーメイド治療ができること。
4.表面が、ガラス状のため、汚れが付きにくく、付いても簡単に落とすことができて清潔。
そのため、細菌の付着も少なく、虫歯や歯周病にかかりにくくなり、歯が長持ちします。
5.金属の鋳造技術も成熟しているため、精密な適合が得られます。これもメタルボンドが長持ちする理由のひとつです。
短所
1.まずは高額なことでしょう。手間ヒマがかかり、もちろんフレームからすべて手作りですから、どうしても割高になります。それでも、最新の材料とCADCAMを駆使したオールセラミックよりは安価に済みます。
2.内部に金属フレームを持つため、その金属色を隠す必要があり、オールセラミックに比べると、症例によっては色調や透明感が出しにくい時があります。
3.同じく金属フレームを持つため、ブラックマージンと呼ばれる現象を起こすことがあります。
4.金属を使う以上、金属アレルギーを起こす可能性があります。しかし、これは貴金属を多く含むメタルボンド用金属を用いることで、その発生を減らすことができると言われています。
そのため、当院では、すべてのメタルボンドを貴金属系の金属を用いて作製しています。
こうして見ると、金属を使うことそのものが、その長所でもあり、短所にもなっていることがわかります。
しかし、強度、色ツヤ、適応症例の柔軟性、価格など、どれを取っても、高度に性能のバランスが取れた審美修復だと思っています。
当院でも、毎年たくさんの方がそのメリットを感じて頂いています。
■メタルボンドセラミッククラウン 1本 100000円(消費税抜き)~
■オールセラミッククラウン 1本 130000円(消費税抜き)~