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歯周病3つのケース・3  喫煙による歯周病

 ケース3は、喫煙(たばこ)による歯周病です。

 始めにお断りしておきますが、今回の3つの分類は、学術的、病理的な分類ではありません。あくまで原因を中心として、便宜的に分けたものです。ご理解下さい。

 たばこは、歯周病を悪化させる因子(リスクファクター)として、予後に大きな影響を与えます、って、難しい表現をしましたが、簡単に言うと、「たばこを吸う人は歯周病になりやすいし、なったら治らない!」っていうことです。術前です。
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54歳、女性。すでに大きく骨が破壊され、歯肉が退縮してしまっています。
バイオフィルムも付いていませんし、目につく炎症も起こしていません。では、歯周病ではないのでしょうか?
いや、まったく症状が出ないまま、骨の破壊が進行している、これも立派な歯周病なのです。

 たばこの主な薬理作用の一つとして、口の中の粘膜の血管を収縮させ、血の巡りを悪くする作用があります。炎症は、血液中の免疫物質が、バイ菌と戦うことで起こる、体の防御反応ですので、血の巡りが悪くなるということは、免疫が効かなくなる・・・、つまり、まったく無抵抗でバイ菌にやられ放題になるということなのです。
炎症反応が起きないので、腫れたり痛んだり、出血したりしません。そして気が付くと骨が無くなっているのです。

術後です。
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とりあえず、空いたスキマをかぶせて見栄えは整えました。除菌処置も行いました。しかし、これで安心かどうかは、疑問が残ります。

 ケース1は、バイオフィルムが原因ですのでクリーニングで治りました。ケース2は、特殊な細菌が原因ですので、抗生物質と掻把で治りました。ケース3は・・・・?
 たばこが原因ですので禁煙するしか治す方法がないのです。これは、患者様ご自身の自覚がすべて、ということになります。

 歯周病は、単に歯磨きだけではなく、感染した細菌の種類、体質や性差、骨格や噛み合わせ、生活習慣や遺伝など、様々な要因が複雑に絡み合って発症していきます。だから、それぞれのケースが一律ではなく、本当にケースバイケースで対応していかなければ、解決できないのです。
 この3つの分類もすべてが単独で起こるわけではなく、混ざり合って起こってきます。バイオフィルムが付いた若年性歯周炎でたばこを吸う人もいるのです。
Oh my God!

 ケース3も、破壊の程度から見て、実は若年性歯周炎だった可能性があります。
女性で、骨格が細く、喫煙者。そして、必ずと言っていいほど奥歯からやられています。
こうなると難治中の難治。
 除菌と咬合のコントロールをデリケートに行い、注意深く経過を追うしかありません。
それまでの骨破壊が少なければ、禁煙をしてくれることで、まだ回復の可能性はでるのですが・・・。
by healthcarenews | 2011-03-02 21:36 | 歯周病治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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