重症の虫歯に対して歯周外科手術(歯冠長延長術)で治療した症例
まずは術前写真です。初診時は2013年4月。
全体像もご覧いただきましょう。
下顎の前歯を残し、すべての歯にわたって、虫歯で歯が崩壊しています・・・。
患者様は20代の女性。もうこれだけで患者様の深い苦悩が伺い知ることができます・・・。
どこの歯医者に行っても、歯を抜いて入れ歯にしよう、と言われるばかりで、しかし当人はものすごい怖がりで・・・、どこでも治療を続けることができず、知人の紹介で来院なさいました。
確かにすごい怖がりです。いつもマスクをしていて、診療台に座って、イスを倒してもマスクを外してくれません・・・(^^;。触ろうとすると、無意識に体が逃げてよそを向うとします。
一応、前歯が6本だけ入っていましたが、不適合で、再着しても、またすぐ外れるの繰り返しで、マスクが手放せない状態でした。
さて、重症例、難症例、たくさん診てきていますので、こういう症例は慣れてはいますが、まずは患者様本人がやる気と根気を出してもらわないと治療は成功しません。
そこで、こういう治療は時間と費用がかかることを理解してもらい、そしてできるだけ痛くないように治療することを「固く」約束して、まるで小児をあやすかのように治療にかかりました・・。
まずは、仮歯が外れないように修理をします。これで少しモチベーションが上がります(^^;。
そして、半年が経過・・・。中間報告です。
ほとんど変わってないように見えますが、すべての歯を根管治療(歯の神経の治療)からやり直さないといけませんので、とにかく時間がかかります。並行して、抜歯が必要な歯は、なんとか抜かせてもらいました(汗)。
さらに半年後、2014年3月。ここまでで1年近くかかっています・・・。
基礎治療が終わり、歯肉の色も良くなってきました。
ここで前歯に土台を入れます。
土台が新しくなると、古い仮歯は使えなくなるので、同時に仮歯も作り直します。
一般的には、プラスチックの仮歯は、劣化していきますので、大体半年から1年ぐらいが寿命の限界となります・・・。
仮歯が新しく綺麗になって、モチベーションもグーンとアップしましたので、ここで次の階段を上がってもらいます。
基礎治療は終わりましたが、歯の根っこは歯肉の中に埋まったままになっています。
このままでは、10年、20年と長期にわたって機能する良い冠(クラウン)を作ることができません。
患者様にとっては、今回の一連の治療の中で、一番大きな手術になります、歯冠長延長術(クラウンレングスニング)を行います・・・。
術後です。少し治癒を待ったこの時点で2014年8月・・・。
前歯3本、歯ぐきに隠れて見えなかった歯の根っこが見えてきました。
その3本に土台をいれます・・・。
さて、ここまでで1年9か月・・・。
歯肉の状態もほぼ回復したので、年明けからはどんどん型を取って、新しい歯を入れていく予定です。
それでも3月くらいまでは楽にかかるでしょう。
まるまる2年がかりの長期にわたる根気のいる治療になりました。
しかし、患者様もよくがんばってくれて、ここまで確実に進んでいます。
また新しい歯が入れば報告したいと思います。
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