インプラント再考・番外編 ブリッジとインプラントの寿命について・・・
そんな大事なことが、なんで番外編なの?って声も聞こえそうです・・・・。が、実は治療法の寿命を「学問的」に表す、というのはとても難しいのです(-_-;)。
5年生存率○○%とか、10年後の成功率上顎は○○%、下顎は○○%、なんて研究報告はあるにはありますが、それは言わば全部過去のデータです。
10年以上記録をさかのぼった研究は、言い換えると10年以上前に開発されたインプラントである訳で、インプラントは今でも「日進月歩」急速に進化していますので、過去のデータはまったくあてにならない訳です。
さらに難しい事を言うならば、それらの研究には「研究の対象となった集団」があり、「研究の方法」があり、「データを処理した統計方法」があり、と、その読み取りによってまったく変わってくるのです。成功率○○%という数字がひとり歩きしたときは、それは商業上のトリックだと思っています。
それに、例えば「貴方の寿命は○○年です。」って言われて、「あー、そうですか。」って素直に信じる人はいないでしょう。「人それぞれでしょう。」そう答えるでしょう。まったくその通りです。その人の体質や生活習慣によって全然違います。だから「寿命」は学問では表せません。
それに今回はもうひとつ「番外編」とした大きな理由があります。それはネタ元です。
コンビニで580円で売っていた、この本です(;^ω^)。
場合によっては「カフェテラス」のネタですが、流れ上ヘルスケア通信へ・・・・(^^;)。
でも、この本をコンビニで見つけて、つい買っちゃった理由は、出てきた「歯の治療の寿命」が、専門家としての臨床経験とかなり一致していたからです!。
例えば、61ページ、「歯の充填剤」の寿命のページでは・・・、
保険診療の「ちゃちゃっ」と詰められるレジンに関しては、充填した場所によっては強度、耐久性から考えてこんなものかもしれません。
だからこそダイレクトボンディングは治療に2時間近くかけるのです。
62ページ、「義歯」の寿命のページでは、義歯、ブリッジ、インプラントについての記述があります。
感心した、というか共感したのは次の部分ですねー。「寿命は歯科医師や歯科技工士の腕前はもちろん、食生活や土台になる歯の状態、普段の手入れなど、あらゆる要素によって左右されるので一概には言えないのだが・・・」その通り!ポン、と思わず膝を打ちそうになりました(笑)。
でも、個人的にはもう少し長いかな(笑)。一応目標は寿命10年ですね。もちろんもっともつものもありますし、もたないものもあります。
なお、保険外のブリッジに関しては、申し訳ないですが、間違いなく保険診療のものより寿命が長いです。それは症例選択の違いであったり、デザインの違いであったり、材質の違いであったり、精度の違いであったり、セメントの違いであったりします。
そして、インプラントはそれより寿命が長いと感じています。この点も、僕の評価と一致しています。当院のインプラント最長症例で現在15年経過です。でも今でもまったく問題ありませんので、20年以上はいくのかもしれません・・・。
そして最後のコメント、「できれば自分の歯を大切にして、長くつき合いたいものだ・・・。」まさにこれ!です。予防が大事。一番です!。
歯科医院のHPや歯科関連のサイトには様々に、入れ歯、ブリッジ、インプラント、の説明がありますが、時には誘導的であったり逆に情報が少なかったりして、なかなか客観的なものがありません。その意味で、この本は中立的で画期的だったと思っています(^^;)。
でも、まあ、この本を今まで患者様のカウンセリングに使ったことはないのですが・・・・。だから番外・・・。