ヘルスケア通信

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インプラント再考・9 両方の歯を削らない!1本からのインプラント・・・

 今夜のヘルスケア通信は、インプラントについて改めて考える・・・、「インプラント再考」の第9夜、題して「両方の歯を削らない!1本からのインプラント・・・」です。
 前回まで、ブリッジの功罪と寿命について見てきました。単純にブリッジとインプラントを比べるとインプラントの方が寿命が長い話もしました。
くどいようですが、ブリッジを全否定している訳でない話もしました。現に、ブリッジで20年以上機能している症例もいくつも持っています。
特に、歯が抜けたところの両方の歯が、すでに削ってかぶせてあるような歯は、ブリッジの選択はおおいに「有り」だと思います。

 逆に、両方の歯が、ほとんど治療されていない(あるいはわずかな詰め物がある程度の)綺麗な歯の場合、これはインプラントを選択したほうがメリットが大きくなります。

 症例に行きましょう。
症例1
 患者様は44歳、女性。
術前口腔内写真です。

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術後です。
 
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下は術前のレントゲン写真です。黄色丸の中の歯を1本失いました。
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術後レントゲンです。両隣の歯を一切削らずインプラントを入れてあります。
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 もう一度術後の口腔内写真です。手前側の小臼歯は、まだ生まれて一度も虫歯になっていない綺麗な歯です。これを削るのは本当にもったいない。
奥の大臼歯も咬み合わせの部分に小さなプラスティックが詰めてあるだけです。これらの歯は削らない事で、その歯本来の寿命をまだまだ保つことができます。
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 このような症例の場合、審美的にも、実はコスト的にも十分納得がいくものになります。
ご覧のように、2本の歯は削ってませんので、入ったセラミックは1本のインプラントの部分のみで十分審美的に治療できます。
 これが、保険で安価に済ませ、前後の歯を削るブリッジを入れると3本金属の歯が入ります。
それを嫌い、審美的に3本の白いセラミックブリッジにすると1本10~12万円はしますので、費用はその掛ける3本分という事になります。
インプラントは1本、40万円程度ですので、その前後の歯を削るというリスクを勘案すると、そのコスト差はほとんど無い、と言えます。

症例2
 患者様は37歳、女性。1本インプラントになると、徐々に年齢が若くなることにお気づきでしょうか?
術前口腔内写真です。
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症例1と同様に、小臼歯は1度も削ってない綺麗な歯、大臼歯も小さな銀が詰まっているだけです。
レントゲン写真です。黄色丸の中が抜けています。
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インプラント埋入して治癒待ちの状態です。
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術後です。
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 この症例のメリットも、症例1とまったく同じです。歯1本1本がそれぞれの生理的動揺を含む機能を、それぞれで維持していますので、お手入れさえ良ければ長期間寿命を保つことができます。
術後レントゲンです。
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症例3
 患者様は54歳、女性。この症例も1本インプラントですが、今回は奥の歯が削ってある症例です。
術前です。抜けてある奥の歯は、もう削ってありますが、すでに審美治療としてハイブリッドクラウンが入っています。
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そして、それよりも問題なのは、手前側の小臼歯が内側に傾いて生えている「舌側転位歯」という事です。これでは両方の歯を平行に削って作る精密なブリッジを作ることはできません。

 術後口腔内写真です。
両方の歯を触らず、1本だけインプラントを入れています。
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術後レントゲンです。
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症例4
 患者様は59歳、男性。
術前口腔内写真です。
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 同じく小臼歯は綺麗な歯です。大臼歯はやや大きな金属が入っていますが、ブリッジはもっと大きく削ることになります。
術後です。
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 術前レントゲン写真です。
結局、下の写真の黄色丸部分、上下に1本ずつインプラントを入れています。
左側、赤丸部分も上下ともブリッジが崩壊していました。
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左下にはブリッジを入れなおしています。
右下1番奥の歯と。右上小臼歯部にインプラントを入れる事で、右側の噛み合せを確保してから、左側の治療にかかった症例です。
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現在、左上は治癒待ちです。治り次第サイナスリフトを行って、インプラント埋入予定です。

 予防歯科の進歩で、特殊な体質で歯が弱い人以外(経験的に言うと、虫歯、歯周病共に、そういう体質の人は10人に1人もいないと思います。)、適切な生活習慣を送り、適切な時期に治療を受け、適切な歯磨きと適切なメンテナンスを受けてもらっている限り、昔みたいに、年を取ったらどんどん歯が悪くなって抜けていくなんて事は、もう過去の亡霊になりました。

 そういう方は、少なくとも80歳を超えて、何かの免疫のバランスが狂ったり、認知症にでもなって自己管理がまったくできなくなるまでは、大きく歯を失って入れ歯・・・、という事は、これからはあまり起こりえないと思います。
 しかし、若い時に不用意に大きなブリッジを入れてしまっていると、歯そのものの寿命よりはブリッジの寿命のほうが短いですので、ブリッジの寿命が尽きた時に、大きく歯を失う事になります。ですので、小さいブリッジはまだいいのですが、大きいブリッジを入れるときは、一応、将来的なリスクもお話しさせていただいています。

 人間ですので、一生1本の虫歯もできないように完璧に自己管理する、というのは無理な話です。いろんなことが起きますので、歯の何本かは失う事もあるかもしれません。
 上の症例4の患者様で、59歳までに失った歯は5本。これでも50歳頃まではヘビースモーカーでした。あと予定のインプラントは左上2本ですが、ひょっとすると何年後かには、次は左下のブリッジが悪くなって、左下にもう1本追加になるかもしれません。それでも5本です。この5本で両奥の奥歯の噛み合せを確保することができますので、うまくメンテナンスできればあと20年ぐらいは十分安定して物が噛めると思います。

 5本もインプラントを入れたらすごい金額じゃないか!ってお叱りを受けるかもしれません。確かにそうです。しかし、皆さんに5本が必要な訳ではありません。要は最初の1本から・・・。奥歯さえしっかり確保しておけば、80歳になっても多くの歯を残しておくことができますので、そこからどんな治療もすることができます。
「歯を失うドミノ倒しから、健康のドミノ倒しへ・・・。」この悪循環を断ち切る最初の1本がとても大切なのです。

 語弊があるかもしれませんし、お叱りを受けるかもしれませんが、インプラント治療は「お金で買える数少ない健康のひとつ」なのです。

 





by healthcarenews | 2018-01-14 21:12 | インプラント

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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