ヘルスケア通信

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「メタルフリー」へと続く道・Part3 金銀パラジウム合金について 前編

 今夜のヘルスケア通信は、「メタルフリー」へと続く道、の第3夜、金銀パラジウム合金についてです。

「金銀パラジウム合金」とはどんな金属か?と、いうと、今の日本で、保険診療の銀歯、メタルインレー(金属の詰め物)やクラウン(かぶせ物)に使われている金属、そのほぼ「すべて」という事ができます。

 ちなみに、メタルインレー(金属の詰め物)とは、歯の一部分を削って、型を取って、それからできた金属をセメントで歯に着ける治療です。
 クラウン(かぶせ物)とは、歯の全部を削って、型を取って、全体をすっぽりかぶせるように包んだ金属をセメントで歯に付ける着ける治療です。

 下の写真のコレ(黄色矢印)や隣の歯の銀歯がメタルインレーで、材料は金銀パラジウム合金・・・、
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また、下の写真の黄色矢印もめメタルインレーで、その隣の歯がクラウンです。そして材料は金銀パラジウム合金・・・。
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下の写真の3つの黄色矢印も・・・、
「メタルフリー」へと続く道・Part3 金銀パラジウム合金について 前編_b0119466_23565232.jpg
みーんな金銀パラジウム合金です。

 一部、入れ歯や土台に、違う種類の金属を用いる事はありますが、歯科用で保険で使われる金属のほとんどが、おそらくこの「金銀パラジウム合金」だと思います。

 その金属としての組成は国が決めていて、金12% パラジウム20% 銀50% 銅16%、その他の金属2%、まあ大体こんなところです。

 では、金銀パラジウム合金に害(毒性)はあるのか?と問われると、国が「保険診療にはこの金属を使いなさい!」と決めてしまっていますので、僕個人としては何もそれに反論する事もできませんし、害を実証する、いわゆるエビデンス(根拠)のある論文を持っている訳でもありません。まあルールですので、使わざるを得ない、と言うところが本音にになります。

 ただ、貴金属としての「金」は、昔から金箔としてお酒に入れて飲む人もいるくらいですから、まあ多くの害は無いのでしょうが、残り88%のパラジウム、銀、銅や、その他の金属が、金属それぞれの性質を調べた時に、「大丈夫かどうか?」というのが問題で、少なくとも金属アレルギーの原因になるのはあり得るのかなあ、と言うところです。
 しかし、確かに、金属アレルギーの患者様で、金属を除去することで症状が改善したということは良く経験することですが、たくさん他にも金属が入っているのに、一部の金属を除去するだけで症状が改善する場合もあり、すべてが金銀パラジウム合金のせいでは無い、ということも経験しています。

いわゆる保険外診療で、メタルフリー治療(ノンメタル治療)を専門でやっている医院のサイトを見てみますと、かなり怖いことがいろいろ書いてあります。

いわく、金銀パラジウム合金は、お口の中でアンテナとして働いて、電磁波を集めて、電磁波過敏症を招く。

いわく、唾液で溶けてガルバニ電流を発生し、疲れやすい、めまい、動悸、頭痛、腰痛、肩、首のコリ、ひじ、ひざの痛み、などを起こす・・・などなど。

また、できるだけ早く、「お口の中から金銀パラジウム合金を外す必要があります。」とまで書いてあります・・・(-_-;)。

 Part1にも書きましたが、金属は金属の素晴らしい長所があり、また、保険診療としての長い歴史の中で、膨大な数の金属が患者様のお口の中に入っていますので、この「金銀パラジウム合金をすべて外す」あるいは「使わない」治療を、まともに実践すれば、歯科治療としての根本である、「虫歯を治療して痛くなく噛めるようにする」、という行為が、保険診療ではまったくできなくなってしまい、これはこれで本末転倒、という感じがします・・・(汗)。

 ですから、この金銀パラジウム合金の「毒性」という問題に関しては、ここはちょっと横に置いておきましょう。
アマルガムと違い、100%悪者ではありませんし、安価で手軽に丈夫に治療ができる材料には違いありません。
 僕も、今でも必要に応じて普通に使っていますし、特に強い噛む力がかかる奥歯のクラウン(かぶせ物)などにはどうしても必要な材料になります。

 ただ、「金属の使用量を減らす、あるいはより良い材料を使う」というスタンスは、これからは「アリ」だと思います。
いまは、それに代わる良い材料も出てきています。

 ここからは、また後編に持ち越しましょう。
後編のテーマは、やはり接着性。
歯と金属はあまりに性質が違いすぎるため、クラウン(かぶせ物)はともかく、メタルインレー(金属の詰め物)は、治療後数年も経つと明らかに劣化していきます。
 金銀パラジウム合金は、その合金そのものの毒性よりは、金属としてのその他の性質の方が大きな問題になります。
これは、特に「メタルインレー」治療の大きな欠点であり、そして「貴方の歯と体の健康を守る」ためにとても重要なテーマとなります。
 

 





by healthcarenews | 2019-01-30 22:40 | メタルフリー治療・ノンメタル治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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