ヘルスケア通信

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カテゴリ:インプラント( 26 )

インプラント再考・最終話 インプラント最高!

 今夜のヘルスケア通信は、「インプラント再考」の第15夜、いよいよ最終回、グランドフィナーレです(笑)。
考えてみたらよくまあ15回連続で書いたもんだ・・・。読んでくれた皆さん、お疲れ様でしたm(__)m。
おそらく全部の話につきあってくれた方はいらっしゃらないと思うので、僕自身に自分で「お疲れ様!」と言っておきます(^^;。

 「インプラント再考」、1夜から14夜までの話の中で、当院のインプラント治療のコンセプト、僕のインプラントに対する考え方などは大体お話しできたかと思います。
 長くて面倒くさい文章ですが、インプラントに興味がある方は、ひまひまに読んでみて下さい(^^;。それぞれ歯が抜けた症例に対し、なぜインプラントを選択したほうがいいのか?ということを中心に書かせていただいています。

 逆に一般的なインプラントの術式などは割愛しています。これは「インプラント」で検索すればいくらでもネットに出てくると思います。そちらをご覧ください。また、今回ご紹介する事ができなかった症例として「サイナスリフト」「ソケットリフト」と呼ばれる上顎に対するテクニックがありますが、これも説明が大変なため、今回は割愛しました(^^;。機会があればまた症例を上げたいと思います。

 さて、最後に、この一連の「インプラント再考」の中でお伝えしたかったことを簡単にまとめておきます。

・できるだけ歯は減らさないで下さい。歯は28本(親知らずを入れて32本)すべてが協力し合って咬み合わせを作り、支えています。1本たりとも要らない歯はありません。

・そのためには、まず予防をして下さい。初期虫歯は削りませんが、穴が開いたら削ります。削れば歯は減り、歯の寿命を縮める事につながります。

・特に奥歯は大切にして下さい。生命を支えています。奥歯が無い事が治療を本当に難しくします。今、僕は親知らずさえ不用意には抜きません。

・削るならできるだけ歯を削らないでいい治療法、歯を抜かないでいい治療法を選択して下さい。MI治療が将来歯を残すための基本です。

・そして、どうしても抜かないといけなくなった時には、インプラントは良い治療の第一選択となり得ます。
 
 今年に入ってから行ったインプラント手術は4月現在、6症例12本。
さすがに、年間100本とはいきませんが、当院はもともと予防歯科がメインでインプラントが売りの医院ではありませんのでご了承ください。
(そのぶん、インプラントを入れんがための、安易な抜歯も行っておりません。)
 それでも、健康志向の患者様が増えたのか、当院のコンセプトを理解していただけたのか、年々インプラント治療の症例は増えています。
 インプラントを選択されたような患者様は、やはり意識が高く、メンテナンスにもきちんとおいでになるため、お口の中の状態も皆様非常に良い状態で安定しています。
 話しの中で何度か「医療に100%は無い」と表現しましたが、それは一般論であり、幸い当院では、インプラントを初めて12年間、入れたインプラントを1本も失っていません。その意味では現時点では「100%」を維持しています。

 ヘルスケア通信では、「インプラント再考」を15回連続で続けましたが、これはどこかでまとめて、どうしてお伝えしておきたかったからです。次回からはまた「ダイレクトボンディング」や「セラミックインレー」などの接着治療や、マイクロスコープを用いた「根管治療」のネタになると思います(笑)。
これは「インプラント」にならないための、ある意味とても重要な治療です(^^;。予防歯科や歯周治療も含め、まずはここに最善を尽くすのが僕の責務です。

 それでも、歯の破折など、どうしても抜歯しないといけない症例はあります。
その時は、もしインプラントを選択されるなら、私たちは最善を尽くします。
患者様にこうおっしゃっていただくために・・・。
「インプラント最高!」
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by healthcarenews | 2018-04-23 21:04 | インプラント

インプラント再考・14 当院で用いているインプラントの種類と費用について・・・

 今夜のヘルスケア通信は、「インプラント再考」の第14夜。次回がいよいよ最終回となります(^^;。
今夜のサブタイトルは「当院で用いているインプラントの種類と費用について・・・」です。

1.インプラントの種類について
 前回も触れたように、当院では症例に応じて3種類(2メーカー3系統)のインプラントを使用しています。

 まず1つ目が、ノーベルバイオケア社製のノーベルリプレイス
ノーベルバイオケア社のインプラントについては、もうまるまる他のサイトからの引用ですが、そのまま転記してみます。

ノーベルバイオケア社は世界でもインプラントシステムではNo.1のシェアを持つメーカーですが、最も知られているのがブローネマルクです。
これはスウェーデンのブローネマルク教授によって発見された、骨とチタンが結合する、というオッセオインテグレーションを元に開発された、世界初の実用インプラントです。40年の実績があり、1本から複数本まであらゆる症例に対応できるため世界的に普及しています。・・中略・・・国際学会での症例発表や臨床レベルでのデータも豊富で「世界で最も信頼性の高いインプラントシステム」と言われ、ラインナップも細くて短いものから太くて長いものまで40のバリエーションがあるのが特徴です・・・・。」
日本でも数多くのインプラント専門歯科医でこのシステムを採用しており、インプラントの成功率が高いと言われるのもそれに因るところが大きいと言えるでしょう。インプラント治療で失敗をしたくないと考えるなら、長い歴史と実績で信頼できるノーベルバイオケアのインプラントを採用しているクリニックを選べば間違いありません・・・。」

 まあこれ以上は面倒くさいんでリンクを貼っておきます(^^;。興味がある方はコチラをご覧ください

ついでにノーベルバイオケア社のサイトはコチラです
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 2つ目は最初のリンクにも出てくる世界シェア3位バイオメット・ジンマー社のテーパード・スクリューベント

 こちらのインプラントも、機能的にはノーベルに負けず劣らず素晴らしい性能を持っています。ぜひとも細かく説明してさしあげたいのですが、実はインプラントのカタログに載っている性能って、歯科医師でもインプラントをやらない先生ならチンプンカンプンのかなりマニアックなもの(笑)。
これも興味があれば、サイトをご覧ください(^^;。リンクはコチラ

 このメーカーのインプラントの一番のキモはその表面性状。
 骨の中に埋まるインプラント体の部分に2種の表面性状があり、ノーベルなどと同じチタン合金単体の表面性状のインプラントと、HA(ハイドロキシアパタイト)コーティングを行ったインプラントとがあります。
 HAコーティングのインプラント表面性状は、骨との結合、回復が早く、上顎などの骨が少ない部分や、骨が柔らかい部分へのインプラントには、その治療期間を短くすることができます。そのため、上顎や骨が柔らかい部分へはHAコーティング付き、下顎など骨が硬い部分にはHAコーティング無し、と1系統のインプラントで多彩な使い分けを行う事ができます。
 基本的に、1人の患者様に複数本のインプラントを入れる場合、同一メーカーのものを使いますので、バリエーションが広いインプラントはそれだけ適応症例も広いという事になります。
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 3つ目は同じバイオメット・ジンマー社のスプライン・ツイスト。これもリンクはコチラ
こちらは当院ではもっぱら、抜歯即時インプラントか、骨の状態がよぽっど悪い場合に特化したインプラントになります。
HAコーティングの表面性状のみですが、抜歯即時インプラントには無くてはならない性能を持った、これまた素晴らしいインプラントだと思います。
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 この3種類のインプラントに共通していることは、それは海外の一流メーカーのインプラントである、という事と、インプラント本体が完全に骨の中に埋まる2ピース、あるいは3ピース構造を取っている、という事です。
なにも海外の一流メーカーにかぶれている訳ではなく、選ばれるには選ばれるなりの理由がやはりあります・・・。
それは何なのか・・・?次は国産メーカーインプラントについてです。

2.国産メーカー、AQBとPOIインプラント
 最初に出てきたリンクで、国産メーカーとしてAQBとPOIインプラントが紹介されていました。
実は僕はこのインプラントは両方とも、きちんとハンズオンセミナーを受けて手術をする資格を取っています。
でも、細かなハンドリング(埋入手術の方法やインプラント体のコンセプト)がどうしても相性に合わず、導入はしませんでした。

 AQBは数あるインプラントの中でも、最もシンプルで簡単なインプラントです。いわゆるワンピースインプラントと呼ばれる種類のインプラントで、いわば1本のチタンのネジをそのまま骨にねじ込みます。骨と結合したら、そのネジの頭の部分をガリガリと削って型を取ってかぶせるだけのインプラントです。
そのぶん治療も早く済みますし、コストも安く済ますことができます。しかし、条件がそろった時はいいのですが、シンプルなぶんまったく応用がききません。

 もうひとつ、決定的な違いが、インプラントを埋め込む際、海外メーカーは、コンピューターコントロールされたモーターで、回転数も締め込み強さも数値で規制されて埋めていくのに対し、AQBは「手締め」で行っていきます。ですので、このねじ込み強さは術者の経験と勘に頼るだけで、もともと数値がないので、データとして残して他人に伝えることもできません。これは後々トラブルが起きた時の検証のデータも無いという事になります。

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コンピューターコントロールされたインプラント埋入モーター(ノーベルバイオケア社)

 POIは、大手の京セラが開発したインプラントで、その意味では海外インプラントに負けず、豊富なラインナップをもっています。しかし、そのぶん複雑で手間がかかるため、それくらいなら海外メーカーのインプラントにしたほうが僕にとっては無難です。コストは複雑な分そこそこかかりますし、やはり国産インプラントは海外メーカーと比べると圧倒的にシェアが違いますので、症例報告や実験データはどうしても少なくなってしまいます。ただ、念のため申し添えておきますが、AQBでもPOIでも好成績を残している先生もおられ、単純に悪いインプラントという訳ではありません。単に僕の相性とは合わなかっただけです。

3.費用について 
 最後に費用について簡単にまとめておきます。
正確には症例ごとに変わってきますので、詳しくはお問合せ下さい。

インプラント体(フィクスチャー)埋入手術料   1本あたり25万円~30万円(税別)
上部構造体(インプラント上部のかぶせ)      セラミッククラウン1本10万円~15万円(税別)
ほとんどの場合、インプラント体とセラミッククラウン両者を合わせて1本あたり40万円(税別)となります。

 それに、GBRと呼ばれる骨造成が必要になれば、骨造成料としてプラス3万円~5万円(税別)
また、抜歯即時インプラントを行う場合は、抜歯も同時に行い、仮歯までいれる複雑な手術になりますのでプラス5万円(税別)くらいかかります。

 また術前診断料としてCTの撮影(保険外)も必ずおこないますので2万円(税別)必要になります。

例えば、歯が1本抜けたところに単純に1本インプラント+セラミッククラウンを入れた場合、費用は40万+2万(CT料)+消費税8%で453,600円となります。

 世間には安さに挑戦!と、インプラントを宣伝している医院もあります。
先に述べたAQBなどのインプラントが、条件にピタリとはまれば、その安いインプラントが実現するのかもしれませんが、僕の個人的感想で言わせてもらえば、将来にわたり安心して長期的に使ってもらい、お口と体の健康を守るために行うのがインプラント治療ですから、そこにリスクと引き換えに「安い」という付加価値がいるのかどうかは疑問に思ってしまいます。
 インプラントという素晴らしい治療を(世間の風評から)守るためにも、インプラント治療は慎重に行ってもらいたい、とある大学のインプラント科の教授がおっしゃっていたのを今でも覚えています。

 最後の最後にインプラントの相場、と言うリンクを貼っておきます。参考になさってください。


by healthcarenews | 2018-04-19 00:18 | インプラント

インプラント再考・13 安全なインプラント手術のために・・・

 今夜のヘルスケア通信は「インプラント再考」の第13夜。
サブタイトルは「安全なインプラント手術のために・・・」。さあ、いよいよ症例を離れました。

 今まで述べてきたように、インプラントは将来的に歯を長持ちさせるため、あるいはQOL(生活の質)を上げるため、大変有効な素晴らしい治療だと思います。
 でも、やはりインプラントは手術を行う必要があるため、普通の歯の治療にくらべるとリスクを伴うのも事実。安全でない治療は、どんなにメリットが大きくてもそれは受けるべきではありませんし、私たちも提供するわけにはいきません。

 もちろん、医療には100%大丈夫!って言葉はありませんが、やはり、安全のためには細心の注意と最善の努力をする義務があります。
今回は、より安全なインプラント手術を行うために、当院が行っている取り組みをご紹介します。

 1.手術器具、手術環境の滅菌、感染予防
 2.インプラント手術部分の精密な診断
 3.症例に適したインプラントの選択
 4.骨造成、再生医療の導入
 5.インプラント専門医との連携オペ

1.世界基準の滅菌、消毒システムの導入
 インプラント外科手術はもちろん、歯周外科手術や根管治療など、近年の歯科医療は非常に高度化しています。
それにより治療に用いる器材もその高度化に応じた高い滅菌クオリティが今日では求められています。
そのため、当院では自動熱水洗浄機や、最高レベルの高圧蒸気滅菌器を導入しています。

 感染予防の要である滅菌器には、世界で最も厳しいヨーロッパ規格EN13060において最高のクラスB条件をクリアしたシロナ社のDACプロフェッショナル高圧蒸気滅菌器を使用しております。
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DACプロフェッショナル・クラスB高圧蒸気滅菌器

 全自動熱水洗浄機は、使用済みの器具を槽内にセットするだけで、90℃の熱水と専用の洗浄剤で、全自動で洗浄から消毒までを行います。いわゆるヒューマンエラーを防ぎ、確実に器具を洗浄、消毒します。
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全自動熱水洗浄機・GC社ハイパワーウォッシャー

2.歯科用3DCTを用いたインプラント手術部分の術前診断
歯科用3DCTによる立体画像は、インプラントをはじめ、難しい抜歯や根管治療などの精密な術前診断に大きな威力を発揮します。
インプラント手術における大きな偶発症のひとつは、手術による神経や血管の損傷ですが、歯科用CTの立体画像を用いて綿密に術前診断することで、そのリスクを大幅に下げる事ができます。
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フランス、トロフィ社製3DCT撮影装置・トロフィパンプラス
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3D画像により精密な術前診断が可能

3.症例に適したインプラントの選択
 当院で用いているインプラントは、インプラントメーカーとしては最も歴史と定評があるノーベルバイオケア社製、ノーベルリプレイスをはじめ、筋骨格系医療メーカーとしては世界最大手のジンマー社テーパードスクリューベント、スプライン・ツイストなど、3社のインプラントを症例に応じて使い分けています。これはまた次回詳述します。

4.骨造成、再生医療の導入
 当院では、失われた骨組織を再生するために、CGFと呼ばれる骨再生療法を行っています。
これは、血液を採取し遠心分離器にかけることで、成長因子や血小板などを多く含む完全自己血由来のゲル素材を作り、これに人工骨などを混ぜる事で、より効率よくインプラント手術後の骨造成と骨結合を促す治療法です。
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CGF用遠心分離機・メディフュージ

5.インプラント専門医との連携オペ
 当院が、安全なインプラント手術のために最もこだわっているのは「ここ」かもしれません。
当院では、インプラント手術を下記のインプラント専門医と連携の上で行っています。
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日本口腔インプラント学会専門医・歯学博士・楠本直樹先生
略歴
平成8年大阪大学歯学部卒業
平成12年大阪大学大学院歯学研究科修了・歯学博士
平成12年大阪大学歯学部付属病院口腔補綴科・医員
平成20年大阪大学歯学部附属病院口腔補綴科・助教
平成23年宝塚市にて開業

現在
ノーベルバイオケア社公認インプラントインストラクター
大阪大学招聘教員
大阪大学歯学部歯科医師臨床研修指導歯科医
(社)日本歯科補綴学会認定医
(社)日本口腔インプラント学会認証医

 長い肩書ですが、平たく言えば、僕が最も信頼しているインプラントドクター、という事です(笑)。
一緒にオペを初めて、もう12年になります。
 前にも述べたように医療に100%はありません、が、その少しでもそのリスクを減らすため、少しでも手術を100%に近づけるため、2つの目よりは4つの目で見て、2つの腕よりは4つの腕で行って、より良い手術をさらに安全に行えるよう心掛けています。

 ちなみに楠本先生は現在、宝塚市で開業なされています。詳しくはコチラをご覧ください

 6.付録
 最後に手術風景をパチリ。
 ご覧のように、患者様は滅菌覆布で完全に覆ってオペを行います。
ライトやチェアの取っ手などは滅菌したアルミホイルでカバーしています。
この日は楠本先生がオペレーター(執刀医)の日でした。
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 後ろには24インチの大型モニターで、パノラマレントゲンとCT映像を映して、いつでも見れるようにしています。
普段置いてある道具は全部片づけて、周辺を清潔にしたのち、滅菌したオペ道具のみを並べていきます。
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オペの雰囲気が少し伝わりましたでしょうか?
かえって怖くなったかもしれませんね(^^;。

 最後の最後になりますが、安全なインプラント手術のための一番大切な事をひと言で言います・・・。
「無理をしない事・・・」、僕はそう思っています・・・。


by healthcarenews | 2018-04-16 00:05 | インプラント

インプラント再考・12 入れ歯をインプラントで治す・2

 今夜のヘルスケア通信も「インプラント再考」の第12夜。だんだん佳境、というか終盤に近付いています(^^;。がんばって!
今夜もサブタイトルは「入れ歯をインプラントで治す」のパート2です。

 まずは症例写真をご覧ください。
患者様は女性。この写真の時で62歳です。
この年齢で、もうすでに上顎には総入れ歯が入っています。これだけでも大変痛ましい話なのですが・・・。
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しかし、下顎も歯周病で悲惨なことになっていました。
右下です。
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前歯部内側です。
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左下です。
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特に、左下の前歯から奥歯にかけて、歯ぐきが大きく腫れて尋常ではありません・・・。

 前にも述べましたが、治療の基本は環境をシンプルにすること。
予後(治療の結末)が不安定な部分を残すのか、取ってしまうのか?これはいつも悩ましい問題ですが、悪い所が一部だけなら残すこともアリ、ですし、逆に治療が全顎に及ぶときは、取ってしまったほうが、長期的に安定します・・・。この下顎も治療方針は「抜歯→入れ歯」です。

 下は抜歯後、入れ歯を入れたところの正面写真です。
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ご覧のように、左下半分は歯が無くなり、入れ歯になっています。。
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 ちょっと専門的な話になりますが、上顎の「総入れ歯」の安定は、下顎としっかり咬み合う事から生まれます。そのため、奥歯がしっかり咬み合う事がとても大切なのですが、残念ながら下顎も入れ歯・・・、しかも口元のど真ん中に入れ歯を留める「針金」がついています・・・。これは女性にはつらいですねえ・・・(-_-;)。

 審美的に「針金」を隠すための治療としては、磁石を使う「マグネット義歯」や、「コーヌスクローネ」と呼ばれる複雑な二重冠を用いたアタッチメント義歯もできるのですが、どちらも中途半端にコストがかかる割には結局「入れ歯」であることに変わりありません・・・。

 もうひとつ専門的な話をすると、左右どちらかの歯がまったく無くて、反対の歯が残っている場合、これを「すれ違い咬合」と呼ぶのですが、入れ歯の安定が最も難しい咬み合わせのひとつなのです。「マグネット」でも「コーヌス」でも、この問題は解決できません。ここはもう、下顎はインプラント一択でしょう。

 ただし、本来ならできるだけ奥歯にインプラントを入れたいのですが、今回の症例は、奥歯の部分の顎の骨が歯周病でほとんど無くなっていたため、ちょっと「特殊なインプラント」になりました・・・。

 インプラント埋入後です。下顎前歯部分の顎の骨が厚いところに、4本のインプラントを打っています。
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 上から見たところです。
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インプラントの上に入るセラミックの歯の部分(上部構造体)も、特殊な形をしています。
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 上顎の総入れ歯も「メタルプレート義歯(金属床)」で仕上げました。
 
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慣れないと見た目はギョッとしますが、金属床は、丈夫で長持ちし、また薄くできるので、食事の味がわかりやすく発音もしやすい、という大きなメリットがあります。

 改めて、術後(2009年4月)全体像の写真です。
 正面です。
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針金が無くなって、見た目がスッキリしています。

 右側です。
右下のご自分の歯にはセラミックブリッジを入れています。
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 セラミックは、表面がガラス状になっているため、汚れが付きにくく、清掃がしやすいというメリットがあります。
今回は、この右下のセラミックブリッジの他、インプラントにセラミックを用いるのはもちろん、義歯の人工歯にもセラミックを用いていますので、きれいなツヤが出て清掃がしやすいお口の中になっています。そのぶん歯ぐきの状態もすごく良くなっています。

 左側です。
こちらにはインプラントを用いた、奥歯まで歯を延ばした大きな「延長ブリッジ」が入っています。
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 「延長ブリッジ」は保険の歯にも一部認められているテクニックなのですが、咬み合せの力のかかり方に無理があるため、残っている歯を必ず痛めてしまいますので、僕は最近ではほとんどやりません。
 ただ、今回のインプラントのみ例外で、上顎が総入れ歯なので無理な咬み合せの力がかからない事と、インプラントを4本打つことができ、またそこにネジ止めでセラミック延長ブリッジを留めることができた、といういくつかの条件が重なって達成できた幸運なケースです。
そして、これでしっかり左右の噛み合わせのバランスを取ることができました。これはインプラントが無ければ絶対に達成できなかった咬み合わせです。

 術後約9年後、現在の状態です。患者様は現在72歳。
上の術後写真の時で2009年4月、下は20017年12月の写真です。(上の総入れ歯ははずした状態の写真です)
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 現在で約9年経過していますが、咬み合わせや使い心地などにはまったく問題は生じていません。
インプラントは動きませんが、天然歯は徐々に動いていきますのでインプラントとの間にスキマが開いてきていますが、今のところ不具合にはなっていません。
また、これは希望があればいつでもリペア(修理)出来るのですが、気になっていないらしく、そのままにしています(笑)。
 
 時折、上顎の総入れ歯の調整はしていますが、大きなものではありません。
これは、もし下顎が入れ歯だったら、もしインプラントが無ければ、絶対に達成できなかった安定感です。
下の入れ歯はわりと良く痛みが出るので(経験がある方がいらっしゃると思います)、それに合わせて調整や修理を繰り返し、それに引きずられる形で、上顎も調子が悪くなることが多々あります。入れ歯が片方だけ、という事は、痛みや不具合が出る確率を減らし、治療をシンプルにします。それがひいてはQOL(生活の質)を上げていく事になります。
 
 現在では、インプラント・オーバーデンチャー、と言って、1~2本のインプラントの上に入れ歯を入れるテクニックが発達してきています。
1~2本だけでも、特に下顎は、何にも歯が無い所に入れ歯を入れるより、入れ歯が安定し、使い心地が良くなります。
多数のインプラントを打つより、はるかに低コストで、低リスクな治療になります。
 
 インプラントは、もはや特殊で特別な治療ではありません。
ネットを調べると500万~1000万円もかけて、長くは持たなかった、という悲惨な症例もあるようですが、それは、すでに口腔環境が破壊されたハイリスクな症例に、無理してハイコストなインプラント治療を行った結果です。その行為が特殊なだけで、そんな情報だけで、インプラントの価値が誤解されるのは本当に悲しいことだと思います。
 
 入れ歯との併用も良し、少数のインプラントも良し、上手に使えばインプラントは患者様のQOLを大きく向上させる貴重なツールです。
これからも大事に治療していきたいと思います。
 

 

 

 






by healthcarenews | 2018-04-13 00:13 | インプラント

インプラント再考・11 入れ歯をインプラントで治す!・1

 今夜のヘルスケア通信は、「インプラント再考」の第11夜。
題して「入れ歯をインプラントで治す!」。
 これ、なんとなく意味はわかって頂けると思いますが、日本語にはなっていないですね(^^;。
正確には、「入れ歯を入れていた部分に、インプラントを入れて、入れ歯の不具合を解消する!」ってとこでしょう。

 まずは症例です。
患者様は初診時75歳男性。
結構、上下スカスカに抜けています。
下は正面写真です。

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次は、右横からの写真。

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 ご覧のように、ほとんどの歯が咬み合っていなくて、右上2本だけで噛んでいます。
これでは、この2本は、遅かれ早かれ必ずダメになります。

 現代の治療の基本、長期的に安定して機能する良い治療の基本は、物事をできるだけシンプルにすることです。
まず、予後が予測できない(将来悪くなる可能性が高い)上顎の2本は抜歯して総入れ歯を入れました。(下、写真)
文章で説明するのはちょっと難しいのですが、上顎に関しては、中途半端に歯が残っているより、総入れ歯の方が咬みやすい入れ歯になることが多くあります。
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 下顎は、まだ歯が残っているので、部分入れ歯に・・・。
逆に下顎の入れ歯は、残っている歯を1本でも大切にして、総入れ歯にならないように頑張らねばなりません。
 患者様によく言うのですが、下顎の「総入れ歯」を例えるなら、「鼻緒が切れかかったゲタ」と、想像して頂ければ、その使いづらさが理解して頂けると思います。
 もちろん、たまに上手に使われている患者様もいらっしゃいますが、多くの方は合わない入れ歯に苦しんでおられます。

 さて、先程、物事をシンプルに・・・、と書きましたが、今回も基本は同じです。
2つの「入れ歯」よりは、1つの「入れ歯」の方が楽に決まっています。残っている歯の負担を減らし、その寿命を延ばすためにも、下顎は「入れ歯」をやめて「インプラント」を選択しました。
 上顎も「総入れ歯」をやめてインプラントにする選択肢もありますが、総入れ歯をインプラントに替えるためには、6本から8本のインプラントを同時に打って、その日のうちに仮歯まで作る必要があり、かなりのコストと、それなりのリスクを伴う手術が必要になります。先ほども述べたように、上顎の総義歯は、意外と上手くいくケースが多いので、ここはまず、下顎を「インプラント」、上顎を「総入れ歯」で治療することにして、リスクとコストのバランスを取ることにしました。

 術中です。
右側2本・・・、
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左側3本、インプラントを埋入しました。
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前歯の抜けているところは、セラミックブリッジで対応しています。

 改めて術後写真です。
正面、
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右下、
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左下です。
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全体像です。
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 今回の症例は、僕が考えるインプラント治療のひとつの在り方を示しています。
大きく歯を失った症例、「大きな入れ歯」が入っている症例に、もし、どうしても「インプラント」を入れてくれと言われたら、精査の上、可能なら入れようと思います。それはそれで、患者様にとっても大きな福音になると思っています。

 しかし、逆に、かならずしもすべてをインプラントで治療しよう、とかは考えてはいません。ブリッジが可能なところはブリッジ治療を行い、入れ歯がの方がメリットが高いと考えれば、「入れ歯」との併用も「有り」だと思っています。

 専門家として、サーカスのような難しい技術を追い求めるのではなく、「メリットとデメリット」「コストとリスク」、そして、その後の「長期的なメンテナンス性」。このバランスをしっかり見極める事も、臨床家としてはとても大切な事だと考えるからです。

 一連の「インプラント再考」第1夜から10夜までに述べたように、あるいは「ヘルスケア通信」全体の中で常々述べているように、まずは最初の1本を失わないようにすること、そして残念ながら失ってしまった時には、将来の事を考えて、どう治療するかをしっかり選択すること、これが最も大切です。

 しかし、残念ながら、それもすべて過去の物になってしまって、現在「入れ歯」苦しんでおられる方、あるいは、これから「入れ歯」を入れられる方。
ご一緒に最善の方法を模索させて頂きます。



by healthcarenews | 2018-04-11 00:40 | インプラント

インプラント再考・10 審美を極める・・!「抜歯即時インプラント」。

 今夜のヘルスケア通信は、「インプラント再考」の第10夜。
今夜のテーマは「抜歯即時インプラント」。平たく言うと「歯を抜くと同時に、すぐインプラントを入れるテクニック」についてです。
前歯に、インプラントを美しく入れるためには、絶対に欠かせないテクニックです。

 ひと口に「インプラント」と言っても、じつは様々な種類やアプローチ法があり、治療の目的に合わせてそれらを組み合わせ、選択していく時代になっています。
第9夜までが「インプラントの基礎編」なら、ここからは「インプラントの応用編」ってとこでしょうか・・・。ちょっとマニアックな話にもなり、難しく感じるかもしれませんがご了承下さいm(__)m。

 まずは例によって症例から・・・。
患者様は52歳男性。
右前の正面の歯に問題を抱えて来院なさいました・・・(黄矢印)。
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 まあ一見、なんの異常もないように見える正面写真ですが・・・・、
でもCTを撮ってみると・・・・。
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歯の根っこが折れています。黄色い矢印の部分の黒い線が、歯が折れているところです。

 ケガなどで歯が折れた時、歯ぐきの浅いところで折れた場合は、再植や矯正など、いろいろな方法で歯を残すのですが、歯ぐきの中の深い所で折れた場合はやむなく抜歯になる確率が高くなります。

 今回のケースも歯ぐきの深い所で歯が折れ、残る根っこも短かったため、抜歯の選択になりました。
そして、左右の歯は健康な歯であったため、当然ブリッジは避けてインプラント治療をすることになりました。

 さて、ここで「抜歯即時インプラント」の登場です。
 インプラント治療は、あごの骨の中に金属のねじを埋め込む治療ですので、土台となる骨がしっかりしていないとうまくいきません。ですので、通常、歯を抜いた後3か月くらい骨の治りを待ってからインプラントの埋め込み手術を行うのが一般的です。
骨の回復の経過は個人差がありますので、「骨がしっかり治癒したこと」を確認してから行った方が安心なのです。

 ただし、「例外」があります。前歯、特に「上顎の前歯のインプラント」は、「歯を抜いて、しっかり土台が治癒するのを待ってインプラントを入れる」のではなく、「歯を抜くと同時に、すぐにインプラントを入れる」方が有利な場合があるのです・・・。何故か?

 実は、上顎の前歯の骨は、とても薄くもろい構造になっています。
ですから、歯を抜いて治癒を待つと、骨がしっかり固まるどころか、骨が無くなってしまうのです。

 術前のCTで説明しましょう。
下の写真の黄色囲み枠の部分は、上顎の一番外側(一番目立つ部分)の骨で、薄くてもろい構造になっています。
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その部分の歯を抜くと、薄い骨が全部無くなってしまって、骨が固まるどころか、下の写真の赤線囲み枠のように、大きな部分の骨が無くなってしまいます。
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 その結果、何が起こるのか・・・、症例でご紹介しましょう。

下の写真は前歯抜歯症例(冒頭の症例とは別の患者様です)、抜歯前の写真です。

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黄色矢印の歯を抜歯しました。黄色い円の中の歯ぐきの状態をご覧ください。

下は抜歯後、傷口の治癒が完了した後の写真です。
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歯が無くなると同時に、歯ぐきの部分も大きく無くなっているのがお判りいただけますでしょうか?(黄色丸部分)

 結果、この状態でブリッジをしたとしても、その空洞に食べ物が挟まりやすかったり、空気が漏れて発音がしにくいブリッジになりやすくなります。
また、仮にインプラントを入れたにしても、隣の歯とくらべて、1本だけ間延びした長い歯が入ることになります。

 これは、現在のインプラントテクノロジーから言えば、重大な審美障害です!
この障害を回避するために、「抜歯即時インプラント」があるのです。

 このテクニックのポイントは二つです。
1.歯を抜くと同時に、その部分には人工骨を入れる。
2.インプラントは、抜歯した部分のやや後方に入れる。
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と、いう訳で、冒頭の症例の術後です。
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ちなみにもう一度術前を・・・。
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 どうだ!、と言うほどの変化はありません・・・(笑)。
と言うかこの変化が無いことが、「抜歯即時インプラント」の一番のキモなのです(^^;。
抜歯と同時に入れるので、歯が無い時がありません。表から見て、歯肉の変化もほとんどありません(歯肉がほとんど下がりません)。
術前、術後の差が無いことが、このテクニックの一番大事なところなのですが、ゆえに、術前術後写真でその価値を表現することは本当に難しいです(^^;。

 でもインプラントはちゃんと入っています・・・。その証拠に・・・。
ほら!
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 最後に裏から見たところの写真を一枚。
裏側に見える、白い丸はインプラントのネジを締めるためのネジ穴です。
これも一番最後に歯と同じ色のプラスティックで埋めて、治療終了となります。
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 では、もう1例、ご紹介しておきましょう。
 患者様は初診時26歳女性。
 不幸にも交通事故に会われました。
下は術前写真です。
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 矢印の歯が折れ、歯ぐきの中の方まで割れていました。
その左右の歯にはヒビが入り、強い知覚過敏を起こしていました。
そこで、折れた歯には「抜歯即時インプラント」を行い、両隣の歯は神経を取り、オールセラミッククラウンでかぶせることにしました。
この症例は、以前にも紹介したことがあります。詳細はコチラをごらんください。

 術中です。
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矢印の部分がインプラントです。その左右両隣の歯は土台の状態です。

 下は術後写真です。
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インプラントの歯の部分の歯ぐきとオールセラミックの部分の歯ぐきを比べて見て下さい。
ほとんど変わりが無いのがわかっていただけると思います。
もしブリッジにしていたら、真ん中の部分の歯ぐきが下がって、こんな審美的な回復は望めませんでした。

 すべての治療に言えることですが、すべての症例に必ず好結果が期待できると言う訳ではありません。中には思うような結果が出ない事もあることは承知しておいていただきたいと思います。
ただ、一度骨が無くなってしまったら、この状態に戻すのは本当に難しい道筋になるのは事実です・・・。

 前にも言いましたが「抜歯即時インプラント」は、美しく前歯にインプラントを入れるのに欠かせないテクニックです。
前歯のインプラントをお悩み中の方がいらっしゃれば、歯を抜いてしまってからでは手遅れです。一度ご検討下さい。





by healthcarenews | 2018-03-25 00:49 | インプラント

インプラント再考・9 両方の歯を削らない!1本からのインプラント・・・

 今夜のヘルスケア通信は、インプラントについて改めて考える・・・、「インプラント再考」の第9夜、題して「両方の歯を削らない!1本からのインプラント・・・」です。
 前回まで、ブリッジの功罪と寿命について見てきました。単純にブリッジとインプラントを比べるとインプラントの方が寿命が長い話もしました。
くどいようですが、ブリッジを全否定している訳でない話もしました。現に、ブリッジで20年以上機能している症例もいくつも持っています。
特に、歯が抜けたところの両方の歯が、すでに削ってかぶせてあるような歯は、ブリッジの選択はおおいに「有り」だと思います。

 逆に、両方の歯が、ほとんど治療されていない(あるいはわずかな詰め物がある程度の)綺麗な歯の場合、これはインプラントを選択したほうがメリットが大きくなります。

 症例に行きましょう。
症例1
 患者様は44歳、女性。
術前口腔内写真です。

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術後です。
 
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下は術前のレントゲン写真です。黄色丸の中の歯を1本失いました。
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術後レントゲンです。両隣の歯を一切削らずインプラントを入れてあります。
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 もう一度術後の口腔内写真です。手前側の小臼歯は、まだ生まれて一度も虫歯になっていない綺麗な歯です。これを削るのは本当にもったいない。
奥の大臼歯も咬み合わせの部分に小さなプラスティックが詰めてあるだけです。これらの歯は削らない事で、その歯本来の寿命をまだまだ保つことができます。
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 このような症例の場合、審美的にも、実はコスト的にも十分納得がいくものになります。
ご覧のように、2本の歯は削ってませんので、入ったセラミックは1本のインプラントの部分のみで十分審美的に治療できます。
 これが、保険で安価に済ませ、前後の歯を削るブリッジを入れると3本金属の歯が入ります。
それを嫌い、審美的に3本の白いセラミックブリッジにすると1本10~12万円はしますので、費用はその掛ける3本分という事になります。
インプラントは1本、40万円程度ですので、その前後の歯を削るというリスクを勘案すると、そのコスト差はほとんど無い、と言えます。

症例2
 患者様は37歳、女性。1本インプラントになると、徐々に年齢が若くなることにお気づきでしょうか?
術前口腔内写真です。
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症例1と同様に、小臼歯は1度も削ってない綺麗な歯、大臼歯も小さな銀が詰まっているだけです。
レントゲン写真です。黄色丸の中が抜けています。
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インプラント埋入して治癒待ちの状態です。
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術後です。
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 この症例のメリットも、症例1とまったく同じです。歯1本1本がそれぞれの生理的動揺を含む機能を、それぞれで維持していますので、お手入れさえ良ければ長期間寿命を保つことができます。
術後レントゲンです。
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症例3
 患者様は54歳、女性。この症例も1本インプラントですが、今回は奥の歯が削ってある症例です。
術前です。抜けてある奥の歯は、もう削ってありますが、すでに審美治療としてハイブリッドクラウンが入っています。
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そして、それよりも問題なのは、手前側の小臼歯が内側に傾いて生えている「舌側転位歯」という事です。これでは両方の歯を平行に削って作る精密なブリッジを作ることはできません。

 術後口腔内写真です。
両方の歯を触らず、1本だけインプラントを入れています。
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術後レントゲンです。
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症例4
 患者様は59歳、男性。
術前口腔内写真です。
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 同じく小臼歯は綺麗な歯です。大臼歯はやや大きな金属が入っていますが、ブリッジはもっと大きく削ることになります。
術後です。
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 術前レントゲン写真です。
結局、下の写真の黄色丸部分、上下に1本ずつインプラントを入れています。
左側、赤丸部分も上下ともブリッジが崩壊していました。
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左下にはブリッジを入れなおしています。
右下1番奥の歯と。右上小臼歯部にインプラントを入れる事で、右側の噛み合せを確保してから、左側の治療にかかった症例です。
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現在、左上は治癒待ちです。治り次第サイナスリフトを行って、インプラント埋入予定です。

 予防歯科の進歩で、特殊な体質で歯が弱い人以外(経験的に言うと、虫歯、歯周病共に、そういう体質の人は10人に1人もいないと思います。)、適切な生活習慣を送り、適切な時期に治療を受け、適切な歯磨きと適切なメンテナンスを受けてもらっている限り、昔みたいに、年を取ったらどんどん歯が悪くなって抜けていくなんて事は、もう過去の亡霊になりました。

 そういう方は、少なくとも80歳を超えて、何かの免疫のバランスが狂ったり、認知症にでもなって自己管理がまったくできなくなるまでは、大きく歯を失って入れ歯・・・、という事は、これからはあまり起こりえないと思います。
 しかし、若い時に不用意に大きなブリッジを入れてしまっていると、歯そのものの寿命よりはブリッジの寿命のほうが短いですので、ブリッジの寿命が尽きた時に、大きく歯を失う事になります。ですので、小さいブリッジはまだいいのですが、大きいブリッジを入れるときは、一応、将来的なリスクもお話しさせていただいています。

 人間ですので、一生1本の虫歯もできないように完璧に自己管理する、というのは無理な話です。いろんなことが起きますので、歯の何本かは失う事もあるかもしれません。
 上の症例4の患者様で、59歳までに失った歯は5本。これでも50歳頃まではヘビースモーカーでした。あと予定のインプラントは左上2本ですが、ひょっとすると何年後かには、次は左下のブリッジが悪くなって、左下にもう1本追加になるかもしれません。それでも5本です。この5本で両奥の奥歯の噛み合せを確保することができますので、うまくメンテナンスできればあと20年ぐらいは十分安定して物が噛めると思います。

 5本もインプラントを入れたらすごい金額じゃないか!ってお叱りを受けるかもしれません。確かにそうです。しかし、皆さんに5本が必要な訳ではありません。要は最初の1本から・・・。奥歯さえしっかり確保しておけば、80歳になっても多くの歯を残しておくことができますので、そこからどんな治療もすることができます。
「歯を失うドミノ倒しから、健康のドミノ倒しへ・・・。」この悪循環を断ち切る最初の1本がとても大切なのです。

 語弊があるかもしれませんし、お叱りを受けるかもしれませんが、インプラント治療は「お金で買える数少ない健康のひとつ」なのです。

 





by healthcarenews | 2018-01-14 21:12 | インプラント

インプラント再考・番外編 ブリッジとインプラントの寿命について・・・

 今夜のヘルスケア通信は、「インプラント再考」の番外編、ブリッジとインプラントの寿命について、です。
そんな大事なことが、なんで番外編なの?って声も聞こえそうです・・・・。が、実は治療法の寿命を「学問的」に表す、というのはとても難しいのです(-_-;)。

 5年生存率○○%とか、10年後の成功率上顎は○○%、下顎は○○%、なんて研究報告はあるにはありますが、それは言わば全部過去のデータです。
 10年以上記録をさかのぼった研究は、言い換えると10年以上前に開発されたインプラントである訳で、インプラントは今でも「日進月歩」急速に進化していますので、過去のデータはまったくあてにならない訳です。

 さらに難しい事を言うならば、それらの研究には「研究の対象となった集団」があり、「研究の方法」があり、「データを処理した統計方法」があり、と、その読み取りによってまったく変わってくるのです。成功率○○%という数字がひとり歩きしたときは、それは商業上のトリックだと思っています。

 それに、例えば「貴方の寿命は○○年です。」って言われて、「あー、そうですか。」って素直に信じる人はいないでしょう。「人それぞれでしょう。」そう答えるでしょう。まったくその通りです。その人の体質や生活習慣によって全然違います。だから「寿命」は学問では表せません。

 それに今回はもうひとつ「番外編」とした大きな理由があります。それはネタ元です。
コンビニで580円で売っていた、この本です(;^ω^)。
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 これは学問じゃないよなあ(笑)。
場合によっては「カフェテラス」のネタですが、流れ上ヘルスケア通信へ・・・・(^^;)。
でも、この本をコンビニで見つけて、つい買っちゃった理由は、出てきた「歯の治療の寿命」が、専門家としての臨床経験とかなり一致していたからです!。

 例えば、61ページ、「歯の充填剤」の寿命のページでは・・・、
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 僕、個人の成績としては、もう少し良いと思っていますが、雑な歯科医師がやるとこんなものなのかなあ(;'∀')。
 保険診療の「ちゃちゃっ」と詰められるレジンに関しては、充填した場所によっては強度、耐久性から考えてこんなものかもしれません。
だからこそダイレクトボンディングは治療に2時間近くかけるのです。

 62ページ、「義歯」の寿命のページでは、義歯、ブリッジ、インプラントについての記述があります。
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続きです。
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 入れ歯に対する評価はもちろん、保険のセメントの平均寿命が7年と言われていますので、ブリッジの寿命に対する記述もおおむね一般的な臨床感覚に合っています。
 感心した、というか共感したのは次の部分ですねー。「寿命は歯科医師や歯科技工士の腕前はもちろん、食生活や土台になる歯の状態、普段の手入れなど、あらゆる要素によって左右されるので一概には言えないのだが・・・」その通り!ポン、と思わず膝を打ちそうになりました(笑)。
 でも、個人的にはもう少し長いかな(笑)。一応目標は寿命10年ですね。もちろんもっともつものもありますし、もたないものもあります。

 なお、保険外のブリッジに関しては、申し訳ないですが、間違いなく保険診療のものより寿命が長いです。それは症例選択の違いであったり、デザインの違いであったり、材質の違いであったり、精度の違いであったり、セメントの違いであったりします。
 そして、インプラントはそれより寿命が長いと感じています。この点も、僕の評価と一致しています。当院のインプラント最長症例で現在15年経過です。でも今でもまったく問題ありませんので、20年以上はいくのかもしれません・・・。

 そして最後のコメント、「できれば自分の歯を大切にして、長くつき合いたいものだ・・・。」まさにこれ!です。予防が大事。一番です!。

 歯科医院のHPや歯科関連のサイトには様々に、入れ歯、ブリッジ、インプラント、の説明がありますが、時には誘導的であったり逆に情報が少なかったりして、なかなか客観的なものがありません。その意味で、この本は中立的で画期的だったと思っています(^^;)。
でも、まあ、この本を今まで患者様のカウンセリングに使ったことはないのですが・・・・。だから番外・・・。
 



by healthcarenews | 2018-01-11 23:17 | インプラント

インプラント再考・8 ブリッジの限界と功罪・Part3

 インプラントを改めて考える・第8夜 「ブリッジの限界と功罪」のパート3です。
そろそろ飽きてこられたと思いますが、ブリッジのリアルを正確に理解して頂きたいので、もう2症例だけご紹介したいと思います。

症例4
 患者様現在68歳、女性。インプラントのオペは2011年になりますので、オペ時は62歳前後でしょうか。
初診時写真です。
右下の小臼歯を2本削って、大臼歯分を1本だけ補う「延長ブリッジ」が入っています。
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もう、今なら絶対にしない治療ですね。
横から見たところです。
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テコの原理で、手前側の歯に強い力がかかり、小臼歯を痛めるか、セメントがゆるんですぐにはずれてきます。

 案の定、はずれてきました。
下の写真は術前のレントゲン写真です。
幸い、外れてきたタイミングが早く、小臼歯はほとんど痛んでいませんでした。
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 まず、小臼歯2本をセラミッククラウンで修復。咬合を確保しました。
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 次に右下奥にインプラントを2本入れました。
術後のレントゲン写真です。
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術後、口腔内写真です。
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 横から見たところの口腔内写真です。
術前です。
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術後です。
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奥歯のしっかりした咬み合わせの回復を、審美治療と同時に達成しました。

症例5
 現在66歳、男性。オペ時は2014年、62歳か63歳ってとこでしょうか。
オペ時年齢が上がるにつれて、重症度も(インプラント埋入本数も)やはり上がってきます。

 初診時写真です。
まことに申し訳ないのですが、非常に映りが良くない(-_-;)。
初診時写真は貴重なので注意して撮るようにはしてるのですが・・・m(__)m。
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下は術前レントゲンです。
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 右下(向かって左下)の歯が、大臼歯2本、小臼歯1本計3本の奥歯がありません。
右側の小臼歯1本で噛める訳はなく、ずーっと左側のブリッジばかりで噛んできました。
その結果、左上ブリッジの一番奥の歯が重度の歯周病になってしまいました。
下レントゲンの黄色丸の中、歯を黒い影が取り巻いています。歯周病で骨が無くなってしまったのです。
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ようよう両方の歯で噛めなくなって、来院なさいました。

 とりあえず、まだ左には歯がありますので、右下の咬合回復を優先します。
右下にインプラントを3本入れました。前歯にも問題ありですが、くどいようですが奥歯の咬み合わせが先です。
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インプラントのかぶせ(上部構造)にはセラミッククラウンを用いました。(下写真)
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 下は左上ブリッジの術前口腔内写真です。
黄色丸の中の歯が問題の歯です。ちゃんとしてるように見えますが逝ってしまっています。
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小臼歯はまだ使えましたので、一番奥の歯だけ抜いてインプラントを2本入れました。
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下の写真は、セラミックの上部構造(インプラントのかぶせ)を入れたところです。
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術後の全体のレントゲン写真です。上下左右計5本のインプラントを入れ、奥歯の噛み合せを確立しました。
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 改めて、術後の口腔内写真です。
右です。奥歯の咬み合わせが回復しましたので、前歯も修復しています。
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左です。
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正面から見たところです。
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 この一連の「ブリッジの限界と功罪」で、ブリッジのリアルはだいたい理解して頂きましたでしょうか?
前にも書きましたが、僕はブリッジを全否定している訳ではありません。
しかし、ブリッジ治療には、寿命があるのは否定できない事実です。

 ではインプラントの寿命はどうなのか?・・・、という話に今度はなる訳ですが、ブリッジに比べると、きちんと作られて、きちんとメンテナンスされたインプラントは寿命が長いと言えます。これはまた後ほど触れます。

 ここまできて出てくる選択肢は、ある1本の歯を失った時、とりあえずブリッジにしてから、その歯がダメになってから2本以上のインプラントを入れるか、
最初に両方の歯を削らずに、1本のインプラントで済ますか、という選択です。もちろん「入れ歯」という選択肢もあります。

 次回は、新章(;^ω^)!「両方の歯を削らない!1本からのインプラント」というテーマでお話します。




by healthcarenews | 2018-01-10 12:39 | インプラント

インプラント再考・7 ブリッジの限界と功罪・Part2

 今回のヘルスケア通信は、インプラント再考・第7夜、「ブリッジの限界と功罪」のパート2です。
それでは前回紹介できなかった症例をご紹介していきましょう。

症例2
 患者様は現在66歳、女性。
手術は2011年に行っていますので、初診時は60歳になるかならないか、というところです。
下は術前の口腔内写真です。

 左下のブリッジが取れてしまいました。一番奥の歯がドロドロの虫歯になっています。
この患者様は、もう昔に第1大臼歯を抜いてしまっていて(昔は第1大臼歯から痛んだものでした・・・)、小臼歯と第2大臼歯をつないでブリッジを入れていました。
b0119466_21183437.jpg
でも、もうワンパターンで恐縮なくらい、奥の歯のブリッジの土台が割れてしまいました。
 下は術前のレントゲン写真です。
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左下の黄色丸内の歯が割れています。
 でも、レントゲンをよく見ると、反対側の右下の歯も無い事がわかります。
右下の口腔内写真です。
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 実は、この患者様は、先に右下の奥歯を失っていました。
入れ歯を入れてみましたが、とても耐えられず、左下のブリッジばかりで噛んでいました。
そして、今度は左下の奥歯がその負担に耐え切れず、割れてしまったのでした。

 このまま放置すれば、今度は残った小臼歯と前歯を失っていくのは目に見えています。
この患者様は、人前で話をするのがお仕事なので、入れ歯はとても無理!ということでインプラント治療を選択されました。

 術後左右口腔内写真です。
左下は、一番奥の歯を抜歯してから、2本インプラントを入れました。
左下です。

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右下です。こちらにも2本インプラントを入れました。
b0119466_21454097.jpg

術後レントゲン写真です。
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 術前、術後の正面写真です。
術前です。
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術後です。
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 奥歯が自然にかみ合っているのがわかって頂けると思います。
咬み合わせも自然で、発声にも違和感なく、食事もおいしく食べられると喜んでいただいています。

 この患者様も、インプラント4本の他には、神経を取った歯が2本あるだけで、残りは大きな治療をした歯ではありません。
歯磨きもていねいで、いつもピカピカに磨いてメンテナンスに来院してくださっています。
まだまだ安定して長期間使っていただけるものと思っています。

症例3
 患者様は現在66歳女性、手術時は2012年ですので、初診時は症例2と同様、やはり60歳前後、ということになります。
術前写真です。
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 左下ブリッジが折れてしまいました。、一番奥の歯は歯周病が進行していて、ブリッジと一緒に抜けてしまいました(黄色丸の中)。

初診時レントゲン写真です。
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 このブリッジは、第1大臼歯と第2大臼歯を共に2本失っていたものを、小臼歯2本と親知らずをつないで、計5本のブリッジにしたものでした。
 大臼歯部は、人間が物を噛む力の大部分を支えています。ですから、大臼歯1本無くなるだけでも大変なのに(できたらすぐにでもインプラントを入れたいところなのですが)、2本無くなると、その前後の歯への負担はかなりのものになります。

 まだ削っていなかったらいいのですが、大臼歯2本無くなった場合、小臼歯2本と親知らずを削って5本ブリッジにすることを、保険診療で認めていますので、「入れ歯」を入れるよりは、と、前後3本の歯を削った、こういう5本ブリッジは結構無造作に多く入れられています。
 
 しかし、もともと小臼歯と親知らずは、大臼歯に比べ噛み合せを支える力が弱いところに、5本分の遠い歯をブリッジでつなぎますので、この治療法は、ブリッジの欠点ばかりが強調されるデザインとなってしまいます。ですので、このデザインのブリッジは、よほど慎重に、ていねいに作らない限り、遅かれ早かれこの症例と似たような結末を迎える可能性が高いと言えます。

 下は小臼歯部の拡大レントゲン写真です。
第2小臼歯の根っこの先に黒い影ができています。咬み合わせの負担に耐え切れず、歯が割れてしまったのでした。
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 結局、この歯も抜くことになり、このブリッジは計4本の歯を失ってしまいました。

 術後です。
左下に3本のインプラントを入れました。
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術後口腔内写真です。
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 術前、術後を左から見たところの写真です。
術前です。
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術後です。
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 術後の全体のレントゲン写真です。
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 左右バランス良く咬みあって、咬み合わせも安定しています。臼歯部が安定している分、前歯をほとんど触ることなく良好に経過しています。

 誤解の無いように補足しておきますが、僕はブリッジを全否定している訳ではありません。
現に、この患者様にも、右下には第1大臼歯を抜いてブリッジを入れています。

 インプラント治療は、素晴らしい治療だとは思いますが、かかるコストとリスクを考えても、歯が抜けたところをすべてインプラントで補える訳ではありません。
ブリッジはその安全性と効率という意味で、当院でも今でも歯が抜けたところの治療の第一選択です。
要は、やはりバランスだと思っています。

 ブリッジの利点と限界、特に長期的な経過に対する考察をしっかりしたうえで、ブリッジで治療するのかインプラントを行うのか、を決める事。
もちろん患者様の選択が第一なのですが、奥歯をしっかりと守ることが、長期的に見て、すべての歯を守るために必須であることが明白である以上、ブリッジとインプラント、両方のカードを正確に使いこなして患者様の治療方針を決め、進めていく事が、僕の役目であり責任であると思っています。
またそれが患者様の将来への大きな財産になると信じています。

 



by healthcarenews | 2018-01-08 21:48 | インプラント

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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