ヘルスケア通信

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カテゴリ:予防歯科・メンテナンス( 16 )

祝、8020達成!

 あけましておめでとうございます。
新年最初のヘルスケア通信のカテゴリーは予防歯科。年末から年をまたいで予防歯科ネタ5連発になってしまいましたが、大切な事なのでここまではいっておきましょう。

 まずは初診時の写真をご覧ください。
 写真の記録にあるように、初診は1999年12月。いまから17年前の事です。
患者様は女性、当時63歳。
 余談ですが写真のサイズが小さいのは当時のデジカメの画素数が小さいから。
左上の「FD」の文字はフロッピーディスクに保存していた事を示しています。若い人は知らないかもしれません。FDは容量1.44MB(1GBの1000分の1(笑))。今とは隔世の感があります。
画質が悪いのは、さらに画像を転送するのにビデオキャプチャー(これがまた高かった・・・!)を介して一旦アナログ画像に直しているから・・・。当時はデジタル画像を扱うのは、そう簡単ではなかったのです・・・。
ああ・・・!つい遠い目をしてしまうジジイの余談はこれくらいにしておきましょう。
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 下の写真は、2016年12月27日撮影、まる17年経過後です。
患者様は、昨年の4月、めでたく8020(80歳で20本以上の歯が残る事)を達成しました。
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 初診時、真っ赤に腫れていた歯周病は、多少歯ぐきは下がりましたがキレイにコントロールされています。
2000年の1月に入れた前歯のブリッジも、17年近く経過してまだまだ使えそうです。
 まあ、ここまでの経過はこちらをご覧ください。

 大切なのは、この患者様が「特別な方ではない」という事です。
昨年「最優秀賞」を取られた患者様は特別恵まれた体質の方です。でもこの患者様は違います。
ごく普通に虫歯もでき、当院にかかる前にもう何本も治療しています。奥歯はほとんどかぶせてあり、歯周病で、すでに何本も歯を失っていました。もともと腎臓が悪く、10年ほど前から腎透析を受けておられます。歯を失う可能性(リスク)はそこそこ高いタイプでした。

 虫歯と歯周病は、細菌の感染が原因で起こる感染症です。ですから、逆に細菌の感染をきちんとコントロールすることでかなり予防できます。
大事なのは適切な時に適切なコントロールをきちんと受ける、という事なのです。
あと、今、現在重要な問題になっているのは噛む力(噛み癖)のコントロールです。これは今では歯を失う第3の原因と呼ばれています。まあ、これはまたいずれ・・・。

 実は、歯を失う最大の原因は「放置」です。
虫歯と歯周病を「放置」して、歯が何本か無くなってくると、残った歯に無理な「力」が加わって、加速度的に歯が無くなっていく・・・・。
これが「歯無し」になっていく最短ルートです。覚えておいて下さい。





 




by healthcarenews | 2017-01-08 21:43 | 予防歯科・メンテナンス

予防歯科セミナーに想ふ・・・。予防歯科最高!

  カテゴリー予防歯科、最後の4連発目です(^^;。
 あー少し疲れた。年末、サーバーの調子が悪く、長い記事(予防歯科再考・2)が途中でぶっ飛んだときはクラクラと眩暈がしましたが、今年ももうあと少しです。気を取り直して・・・・(-_-;)。

 実は去年(平成27年)の話になるのですが、いつもの勉強仲間5人が各医院の衛生士を全員連れて、一同に予防歯科セミナーを受講する機会がありました。

 これはその時の写真です。

 いつもの5人の仲間。
大学1年からの友人ですから、今年で、もう36年の付き合いになります。
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 ミックスアップという言葉がありますが、お互い競い合い切磋琢磨し高め合った仲間です。
この仲間ができたことを誇りに思います。

 次は衛生士たちとの集合写真。
なかなかここまでの機会はないので、記念に全体写真を撮ることに・・・。

 これだけの仲間が、日々、皆さんの歯を守るために頑張っています。
皆さんの歯と笑顔を守るために、共鳴し、学びあった仲間です。
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予防歯科セミナーに想ふ・・・。
「ようようここまで来たもんだ・・・。」
あるいは
「Long way!・・・」
もしくは
「Long wait!・・・]
(下ふたつはナイジェル-マンセルが、F1でワールドチャンピオンを取った時の奥さんの言葉からお借りしました・・・(^^;)。)

予防歯科最高!

来年もよろしくー!



by healthcarenews | 2016-12-30 17:49 | 予防歯科・メンテナンス

22年間変わらない!年を取ったら歯が悪くなる訳ではない、という事。予防歯科再考・2

 さて、今夜のヘルスケア通信もカテゴリーは予防歯科。怒涛の予防歯科3連発!年内4連発まで予定しています。
なにしろ、我が医院の基本と出自は予防歯科!これはあらゆる治療の基本となります。

 どんなに高度な歯科治療も、きちんとしたブラッシングや管理ができていなければ絶対に成功しません。
当院のHPで、まず冒頭に「予防歯科」が出てくるのは、医院としての基本姿勢の表れであります。(調べてみると意外と予防歯科が筆頭に来る歯科医院HPは少ないのであります(笑)。)

 ですから、いつでも「予防歯科」を一切ないがしろにした事はありませんが、ここ最近、根管治療とダイレクトボンディングに記事が偏重していたのは事実(^^;。
その反省を込めて、年末から年初にかけて、改めて「予防歯科」の大切さをプッシュしたいと思います!

 さて症例です。2枚の写真をご覧ください。
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 上の写真は2003年11月の撮影、下の写真は2016年9月の撮影です。
患者様は女性。上の写真の時は58歳。下の写真は71歳になられる寸前の写真です。
約13年間、ほとんど変化がない事わかって頂けるでしょうか?(カメラの方が途中で壊れたので写真の色味が少しかわっていますが(;'∀')・・・。)

 ちょっと気になったので、古いカルテを読み返してみました。さすがに最初の頃はデジタルカメラが無かったため写真は残っていません・・・。
記録をたどると、初診は平成6年5月、患者様が49歳の時です。(ちなみに、その頃僕は33歳・・・、若造によくぞついてきてくれましたー!。)

 初診時には歯周病があり、すでに4本の歯が無くなっていました(右の上下の第一大臼歯と左下の小臼歯2本)。
ですので、歯周病の初期治療と、若干の虫歯の治療を行った後、平成6年8月に左下に歯周外科手術、同じ年10月に左上大臼歯部にも歯周外科手術を行いました。
(その後、平成7年11月に左下にメタルボンドセラミックブリッジを入れました。これはその後21年間まったく問題なく機能し、今でも使ってもらっています。)

 定期的なメンテナンス、クリーニングを行いながら、平成8年9月には、右上にも歯周外科手術、平成9年1月には左上小臼歯部にも歯周外科手術を行いました。
各部の歯周治療が終わるまで2年半を要しているわけですが、これはMI(最小限治療)の概念に基づいて慎重に治療を進めているからです。
ちなみに、初診からここまで1本も歯は抜いていません。

 ここからは長い長い安定した期間になります。
日本の予防歯科の草分けとなる、日本ヘルスケア歯科研究会(現日本ヘルスケア歯科学会)が発足したのが、1997年(平成9年)だったので、ちょうどこの頃です。

 初診から15年と6か月後、64歳の時に、歯の破折を起こした左下の親知らずを抜歯させてもらいました。この1本が、僕が治療を始めてから最初で最後の抜歯になります。(僕は「親知らず」という理由だけで歯は抜きません。これはまたいずれ・・・。)

 そしてそのまま71歳に・・・。

 49歳から71歳・・・、いわゆる中年から初老にかけて、本来なら大きく体質が変化していく時期です。
事実この患者様も、途中ご病気もされ、平成24年ごろからは降圧剤も服用されています。しかし、お口の中はほとんど変化がありません。
 この患者様は、大変努力家で、意識もコンプライアンスも高く、いつも本当にていねいに磨いてくれる方です。だからこそのこの結果、というのはあります・・・。
しかし、それでは49歳までに抜かれた4本はいったい何だったの?と思うわけですが、まあ当院では良くあることです(笑)。

 改めて横からの写真も見てみましょう。
まず右からです。
上が2003年11月。
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下が2016年9月です。
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左側、上が2003年11月。
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下が2016年11月です。
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 今年は、この症例や前々回の記事「遺伝だけでは歯は悪くはならない、という事・・・。予防歯科再考。」の中の患者様など、大切なことを皆様にお伝えするための良い症例に恵まれました。ですからこれだけは覚えておいていただきたいと思います。歯を失う原因のほとんどは生活習慣や医療環境などの「環境因子」です。

体質や年のせいだけで歯が無くなることは決してありません!

 経験的、感覚的な数値でしかありませんが、成人で本当に重症でコントロールが難しい歯周病の割合は、実際には10%程度、10人に1人。虫歯のコントロール不良例はもっと少なく5%あるかないかでしょうか・・・。もっと少ないかな・・・?リスク次第ではありますが、ていねいに手当を行えば、昔みたいにいきなり入れ歯!という心配は、まずいりません!

 当院には、時に虫歯や歯周病で歯を失う不安におびえて来院される方(特に女性の方)がいらっしゃいます。
このブログがその方たちの助けとなれば幸いです。





by healthcarenews | 2016-12-30 13:45 | 予防歯科・メンテナンス

平成28年度高齢者いい歯自慢コンテスト、最優秀賞・優秀賞受賞!

 今夜のヘルスケア通信は、前回に引き続き予防歯科のカテゴリーです。

 当院の予防ケアシステムは、基本的には、毎回のメンテナンスの内容のテクニック的なことはきちんと決めていますが、逆に、どうメンテナンスをする、とか、何か月に1回レントゲンを撮るとか写真を撮るといった細かいシステムは決めていません。あとは、その担当衛生士の自主性や判断力に任せています。

 これは、患者様はそれぞれキャラクターが違い、また虫歯や歯周病のかかりやすさなど持っているリスクも違うので、その患者様に一番合った方法でおつきあいできるよう、患者様と担当衛生士との「人としてのお付き合い」を大切にしているからです。なにしろ時には20年以上の長い長いお付き合いになるのですから・・・。

 もちろん、ある程度のスキルが上がるまではきちんと指導をしますが、あとは、そこはそれ女性の事、ほうっておいてもそれぞれのキャラクターの中で、良好な人間関係を作り、メンテナンスを行っていきます。しかし、やはりそれでは衛生士個人の診断力が負う責任が大きいのも事実。スタッフに大きな負荷をかけている事実は否めません。しかし、そのプレッシャーを乗り越えてスタッフは成長していきます。

 今年は、その予防スタッフたちの日頃の苦労を、心底ねぎらうようなエピソードがありました。
そのひとつは、今年6月、堺市で行われた「平成28年度高齢者いい歯自慢コンテスト」で、当院のメンテナンス患者様を3名推薦させてもらった所、そのうち2名が最優秀賞、および優秀賞を受賞しました。堺市には歯科医院が400件以上あり、推薦を受けた100名近くが参加したコンテストで、上位10名弱しか入賞しなかったことを考えれば、これはなかなかの快挙だと思っています。うちの衛生士たちを褒めてあげたい!(笑)。もちろん本当は頑張った患者様を一番褒めたいのですが・・・・。

 今回は顔出しOKでしょう・・・(笑)。

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 下の写真は、その時の表彰状です。
わざわざ見せに来て下さったので写真も撮らせてもらいました。
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豪華な盾ももらわれたそうです。
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 その時のコメントにいわく、「80年生きてきて、このような賞状をもらったのは今回が生まれて初めて・・・!!」、ははは、喜んでもらえて本当に何よりです!何より頑張られたのは患者様本人ですから・・・。

 さて、もうおひとかた、優秀賞の方も・・・・、残念ながら、お姿のお写真を撮るタイミングがなかったのですが、盾と賞状は撮らせてもらいました・・・。
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さて、先程の方は、この12月に今度は大阪府から「大阪府知事賞」を受賞。

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新聞も取材に来るなど、なんとも華やかな1年になったようです。おめでとうございます!本当に良かったですね。
これからも頑張っていきましょう。
 
 さて、賞と言えば、当院が学校歯科医をしている大泉小学校も、これまた優秀な小学校です。
毎年、大阪府歯科医師会が主催して行っている「大阪府良い歯、口を守る学校、園表彰」で、平成23年度、平成24年度と連続して「大阪府歯科医師会賞」を受賞
平成25年度は「大阪府教育委員会賞」を受賞。今年、平成28年度も「大阪府歯科医師会賞」を受賞しました。

 普段スタッフに言わないんで、この機会にこそっと言っておきます。
うちのスタッフは優秀です・・・(笑)。




by healthcarenews | 2016-12-29 01:08 | 予防歯科・メンテナンス

遺伝だけでは歯は悪くはならない、という事・・・。予防歯科再考。

 さて、今夜のヘルスケア通信のカテゴリーは予防歯科です。
当院の予防歯科スタッフは、自分で言うのもなんですが、実はかなり優秀・・・、と、改めて気付かされる(←スタッフに怒られます(;'∀'))トピックが今年は2,3ありました。
まずはその中のひとつから・・・。

 まずは症例をご覧ください。
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 まったく雰囲気が違う2枚の写真ですが、この2枚には実はすごい共通点があります。
もちろん、上が術後で、下が術前!?ってことはありませんよ(笑)。さすがにそれはありません・・・。

 さて、この2枚の写真。
実はどちらも73歳の女性。しかも生年月日も同じ、1943年の2月**日。
そう、お二人は一卵性の双子なのです。
生まれる順番では、上の写真が妹様、下の写真がお姉様。
残念ながら、お姉様の方には歯が全部で6本しか残っていません。

 一卵性双生児なので、理論上、遺伝体質はまったく同じはずです。いわゆる歯性(はしょう)はまったく同じ・・・。
なのに、これだけ大きな違いが出た理由は何なのか・・・?。

 いろいろ理由はあるでしょうが、その大きな理由のひとつとして、妹さんは当院で、もう20年以上、きちんと定期的メンテナンスを受けて来られた、ということです。
お姉様の方は、高知の方に住んでおられたり、とか、親の介護があったり、とか、様々な理由で、きちんとした手当を受けることができずに今日まで来たのです。

 たまたま今年、妹様の家に遊びに来ておられて、当院を受診される機会がありました。
お顔を拝見すると、パッと見では区別がつかないほど、そっくり。お声も雰囲気もこれまたそっくりのお二人でした・・・・。なのに・・・。

 左右もご覧ください。
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 よく見ると右の正面の前歯の形がまったく同じなのがわかります。しかし、虫歯の進行度も、歯周病の進行度もまったく違います。

 この貴重な症例から得られる答えはひとつです。
 歯の健康を左右するのは、遺伝因子より環境因子!
つまり、歯が悪くなるのは、親の遺伝や体質ばかりではなく、その後の毎日のお手入れや生活環境、食生活、適切な医療を受けられる環境などに大きく左右される、ということです。(ただし、歯周病の中には、遺伝因子の影響が大きいものもありますが・・・)

 この症例は、このことを証明する貴重な資料となりますので、お姉さまにご協力をお願いしたところ、快く了解して頂き、写真等を撮らせて頂きました。
場合によっては日本ヘルスケア歯科学会の方にも資料提供させていただくよう承諾も頂きました。

 お姉様の方には、残っている歯にも虫歯ができていましたが、幸い小さな虫歯だったため、最小限の治療で済ますことができました。
しかし、前歯のダメージはかなり大きいため、もう数年以内に2~3本は歯を失うことになるでしょう・・・。

 当院では10年20年とメンテナンスを続けて頂いている患者様がたくさんいらっしゃいます。その方たちを見ていると、もう長年悪くならないため、予防歯科はもう必要ないのか、と思った時もあります。しかし、今回のような症例に出会うと、改めて、きちんとした予防メンテナンスの積み重ね、そして生活習慣の指導、改善など、患者様としっかり向き合うことが大切なのだな、と思い知らされます。

 予防メンテナンスはスタッフの仕事です。そして当院の予防スタッフは優秀です。おまかせ下さい。
僕の仕事は、歯が長持ちするように、きちんとした治療を突き詰めることです。
そのためには、まずはMI(最小限治療)そして、そのためのダイレクトボンディングであり、根管治療であり、インプラントです。おまかせ下さい。

 来年も山本歯科医院スタッフ一同がんばっていきます。



 






by healthcarenews | 2016-12-24 01:48 | 予防歯科・メンテナンス

予防は一日してならずじゃ!

 さて、今夜のヘルスケア通信は、久々に予防歯科の話題です。
当院、いろいろやってはいますが、その出自、というか基本は予防歯科。
1本でも多くの歯を将来に残すのが当院の治療の目的ですし、その主義に反する治療は基本いたしておりません。

 で、今回の症例です。
患者様は20代男性。通常、症例紹介に年齢性別以外のデータは明かさない約束なのですが、今回、出演依頼をするとすごく喜んでもらえたので、ここはF君、とだけ明かしておきましょう。
本人にもわかりやすいようにね(笑)。

 初診は2012年5月、下はその時の術前写真です。
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次が術後です。2016年4月。つい最近の写真です。
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うむ、キレイ!。ピカピカ輝いています。
途中で口腔内撮影用のカメラが変わったので、色味や明るさが全然違い、ちょっとインチキ?と思われるかもしれませんが、その差を差し引いても、初診とはケタ違いにキレイです。
本人はすごくがんばっています。これは褒めてあげたいと思います。
でも気になるところがないわけではない。ここが今日のテーマでもあります。

 改めて症例詳細です。
患者様20代男性、F君。
2012年5月初診、まずは術前正面です。
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正直、不潔な状態です。とりあえず本人は磨いているつもりなのですが、実はまともに歯磨きができていない状態です。矢印の所には、磨き残しではなく「食べかす」が残っています(^^;。

右側です。
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歯肉は炎症を起こして、ブクブク腫れています(矢印)。
左側です。
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普通なら虫歯ができない歯の表面にも虫歯ができています(矢印)。
これは食生活のコントロールがまったくできていない事を示し、いわゆる虫歯リスクが非常に高い状態です。
矢印のところ以外にも「脱灰」と言って、初期齲蝕で歯が溶けかかっている所が多数見られます。

初めてF君にこの写真を見せたときのF君の第一声は・・・「汚ったねー!」(笑)。

 そう、予防歯科の本当に大切な「第一歩」は、理論やきれいごとを聞くのではなく、まず「自分の状態を正確に知る」ということなんです。ここからF君のがんばりが始まります。

2012年8月(初診から3か月後)
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この時は、もう現在使用中のカメラになっています。
初期治療として、一通りクリーニング(除菌)を済ませた状態です。
まだ歯肉の腫れは残っていますが、磨き残しはずいぶん少なくなりました。
まだまだ進行中の初期齲蝕は見られますが、それでも、本人のがんばりひとつで、クリーニングだけでこれだけ症状が改善するという良い見本になりました・・・。

F君は、これから、きちんと3~6か月に1回、メンテナンスに来てくれました。

2014年11月(初診から2年6か月)
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歯肉の状態もかなり安定してきました。一部、虫歯を削って詰めたところはありますが、
初期齲蝕は削らず環境の改善を待ったところ、再石灰化(虫歯の自然治癒)が起きてきています。

2016年4月 現在です。
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いい感じで歯肉が引き締まってきています。一度開いていた歯と歯のすき間も歯肉の改善と共に詰まってきています。初期齲蝕の再石灰化も進み、歯の色も良くなってきています。
初診時と比べると本当にがんばってくれていると思いますし、結果にも表れています・・・。

しかーし!
あんまり褒めてばかりいると、これを見た本人が油断してもいけないので、ちょっとチェックはしておきましょう(笑)。

両奥です。
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 前歯は目立つのでかなり気合が入って磨いてくれているのですが、奥歯になるとさすがに難しいのか、時折磨き残しが見受けられます。前歯のツヤに比べると、奥歯にはつや消しの部分があります。
ここが細菌のバイオフィルムが残っているところなのです。そこではまだ再石灰化が進んでいない感じです。
 ぶっちゃけ話をすると、細菌レベルで見ると、一度定着した虫歯菌は、少々除菌しても「ゼロ」にはできません。もともと虫歯リスクの高い人は、やはり体質的にも今後とも要注意なのです。
ここからは、食生活のコントロールとフッ素の利用が大事になります。

 予防は理論ではないと言っておきながら矛盾しているようですが、予防のレベルを上げるのは、やはり高度な予防理論になります・・。

 要は、まあ油断せず頑張りましょうという話です。
がんばってくれているからこぞ、さらにもう一段高度な予防をしたいのです。
「這えば立て、立てば歩けの親心・・・」です(^^;。

予防は一日にしてならずじゃ!・・・・。












 
by healthcarenews | 2016-06-01 21:08 | 予防歯科・メンテナンス

なんにもしない幸せ≒理想の歯科医療

 私達、予防歯科を目指す歯科医師たちの間では、「なんにもしない幸せ」、という言葉があります。

なんにもしない幸せ???。
知らない人には、意味不明の言葉でしょう。

 まずは、症例をご覧下さい。2007年、初診時です。
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 患者様は初診時82歳、女性。
 ご覧のように、歯周病です。歯石が多量にたまって、歯肉も炎症を起こしています。
入れ歯は入れておらず、そのため、奥歯は伸びてしまって根っこまで見えています。歯肉の炎症もあいまって、今にも抜けてしまいそうです。

 普通の歯科医師なら、「奥歯を抜いて、入れ歯を入れましょう。」そう診断するはずです。初めは僕もそう言いました。
患者様の答えは、「入れ歯は、入れたことがないから、イヤ!・・・・・。」・・・・(^_^;)。

 ここで、「俺の治療に従えないなら、他の歯医者に行けー!」なんてキレたりしません・・・(笑)。
それに、患者様の言うことにも、一理あります。なにしろ、82歳の今まで、これで噛んできて、不便を感じてないわけです・・・。

 まずは、通法通り、最小限必要な、クリーニング(除菌処置と歯石の除去)を行います。
そして、歯周病の治癒後、定期的なメンテナンスをして、慎重に経過を観察させてもらうよう約束しました。

そして、現在の口腔内です。
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 現在、御年88歳。
健康で、初診時から3ヶ月に1回、キチンとメンテナンスに見えられます。

 途中、左上の奥歯を1本、抜けかけて、あまりにブラブラだったため、患者様の希望により抜かせていただきました。それ以外は、クリーニング以外、なんにもしていません。 

 いつも歯はピカピカに磨いておられ、歯肉炎も治まっています。なんにもしていませんが、噛む機能も安定していて、患者様も喜んで頂いています。
 
 まあ、この症例は、本当にまれで特殊なケースです。通常、奥歯が無くなれば、咬み合せの負担は前歯に移り、上の前歯がダメになります。どのような経緯で奥歯が無くなったか、今となってはわかりませんが、咬み合せと筋力と、虫歯と歯周病のリスクのバランスが、偶然、いい方向に働いたと思われます。

 ただ、この症例が、考えさせてくれるものはあります。
私達、歯科医師が行う「治療」とは、なんなのか?
従来の歯科医療は、「削ってなんぼ」、の世界ですが、予防歯科の価値観は、「なんにもしなくてなんぼ」にあります。

 患者様にとっては、ガリガリ削られて、痛い思いすることなく、長く自分の歯で食べることができる。歯科医側にとっては、麻酔を打ったり、手術をしたり、歯を削ったり、人為的な介入のリスクを犯すことなく、患者様に喜んでもらえる・・・。実は、これが「なんにもしない幸せ」なのです。そして、これがある意味、理想の歯科医療だと思うのです。

 もちろん、すべての患者様に、この選択肢があてはまるわけではありません。
大きな虫歯があれば、削らないといけませんし、ひどい感染を起こせば抜かなければなりません。
しかし、早くからしっかりと予防すれば、現在なら多くの患者様が、奥歯までしっかりと歯を残すことができます

 価値観が多様化する現代です。治療には必ずメリットとデメリットがあります。上の症例のような選択肢もあることもふまえたうえで、患者様と一緒に、ベストの治療法を考えていきたいといつも思っています。
by healthcarenews | 2013-09-08 00:18 | 予防歯科・メンテナンス

平成24年度、大阪府歯科医師会賞受賞と学校検診

 今日は、2013年8月11日・・・・・暑いですねえ!
今日は、生まれて初めて、車の外気温度計が40℃を示すのを、見ました!怖い!

 こんな暑い日は、脳みそも溶けそうになってるので、新ネタはパス!
そこで、保存しておいた賞味期限ギリギリのネタを、腐ってしまわないうちに使います・・・・・、てか、「もっと早く投稿しろよ!」って小学校の担当の先生から怒られそうですが・・・(笑)。

 僕が「学校歯科医」として受け持つ堺市立大泉小学校が、「大阪府良い歯、口を守る学校、園表彰」で、昨年(平成23年度)に引き続き、今年(平成24年度)も、大阪府歯科医師会賞を受賞しました!
もう2年連続は快挙でしょ(嬉)! 

 幸い、ちょうど時間が合ったので、表彰式にも出席しました・・・。と言っても、今年の1月の話ですが・・・(笑)。
 調子に乗って、記念撮影。冬ですので、スーツを着てます。今見ると暑苦しいです・・・。
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 小学校、担当の先生とも記念撮影・・・・。
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 まあ、ここで改めて、くれぐれもお断りしておきますが、本当にがんばっているのは、担当の先生と生徒さんです・・・・。この点は、お間違いなく・・・・・。我が物顔ででかく写っていますが、お許し下さい・・・。

 さて、ここまで投稿が遅れたのは、実は、学校検診の画像を待っていたのです・・・(言い訳がましく聞こえますなあ・・・)(ーー;)。
 毎年、5月から6月は学校検診のシーズンです。2学年ずつ3回に分けてやるので、結構アポイントに食い込みます・・・(^_^;)。
ただでさえ取りにくいアポが、さらに取りにくくなって、スタッフには恐怖のシーズンなのです(^_^;)。

 今日は、学校検診風景をパチリ!。大泉小学校の保健室で、検診を行っています。
普段は、僕がカメラマンなので、なかなか写ることがないのですが、たまにはいいでしょう。
 ちなみに、通院されている患者様はご存知ですが、白衣の色は、このオレンジの他に、赤や緑や青や、いろいろな色をお構いなく着ています。そんなとこにこだわりなんてありません・・・(笑)。しいていえば、子供が多い日は、赤系が多いかな・・・。
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あえてこだわり、と言うなら、照明の位置でしょう。ご覧のように胸の中に抱えるようにして検診をしています。この方が、照明の死角ができず、お口の中のすみずみまで確実に検診できるからです・・・・。ただ、5月6月になると、もう暑いんだ!・・・・(^_^;)。
生徒さんも、非常に暑がりますし、僕も汗だくになります・・・。今年は特に暑かったから大変でした・・・(汗)。
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暑いやろ?わかってるでえ、ごめんなあ。でも、ちゃんと検診してあげるからね。

 探しているのは、虫歯ではありません。リスクです。
単なる虫歯の穴なら、詰めたら終わりです。心配はいりません。初期の虫歯なら、削る必要もありません。

 検診で探しているのは、虫歯リスク(虫歯のかかりやすさ)と歯周病リスク(歯周病のかかりやすさ)。
つまり生活習慣の中で、どれだけ(予防歯科的に)安全な生活が送れているか?、お口の中の環境が、どれだけ安定しているか?ということです・・・。
子供の虫歯は、ひとえにこれにかかっています・・・。

 これからもがんばっていきます。
by healthcarenews | 2013-08-12 00:49 | 予防歯科・メンテナンス

予防歯科講習会

 先日、1月23日の日曜日、所属している関西ヘルスケア歯科談話会の講習会がありました。
関西ヘルスケア歯科談話会は、日本ヘルスケア歯科研究会の関西支部みたいな存在で、私たち予防歯科を勉強する歯科医師、歯科衛生士にとっては重要な研究会です。
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 講師は、日本ヘルスケア研究会の設立時の中心的メンバーである藤木省三先生、岡賢二先生、そして外傷歯治療(怪我をして折れた歯を残す治療)で有名な月星光博先生の3人です。

 藤木先生のテーマは「患者とともに過ごす歯科医療」。サブタイトルは「治癒のイメージを持つ。」「10年後、20年後のイメージを考える。」とあります。
なにげない一言ですが、これがヘルスケア型予防歯科の真髄をあらわす言葉でもあります。

 虫歯を削ってかぶせて、ハイ終わり!で、虫歯や歯周病の原因を放置したままでは、またいつか、別の虫歯や歯周病を作ってしまいます。歯磨きをしっかりするのはもちろんですが、生活習慣や体質、環境に
よってもリスクは大きく変わります。それに対し、性急な治療を行わず、無理に抜かず、無理に削らず、最小限の治療で、患者様の生活や体質と気長におつきあいして、歯を守っていこうというのが、ヘルスケア型歯科医療の理想なのです。

 月星先生のテーマにもあるように、予防歯科、歯周病治療の主役は歯科衛生士です。彼女たちががんばってくれて、初めて僕たちも理想が実現できるのです。そのためには彼女らにも勉強してもらわねば・・・。
スタッフも連れて、朝から夕方まで、みっちりと勉強してきました。普段勉強会を共にしている仲間も一緒です。
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 岡先生の講義は、口の中の写真を撮ること、正確で精密な記録を取ることの重要性を改めて再認識させてくれました。うちでも写真は残していますが、まだまだ10年間程度・・・。20年間以上の写真の記録。メンテナンスをした場合としなかった場合の結果の比較など、その残された資料のパワーに、本当に圧倒されて帰ってきました。
 
 さて1日を終えての感想は・・・・?。
改めて、自分たちが目指しているものを再確認できました。(初めてヘルスケア歯科研究会の講習会を受けた時の衝撃と感動を思い出しました。(汗))
 道はまちがっていない!ただ険しいだけです。これからもがんばります。
by healthcarenews | 2011-01-27 00:42 | 予防歯科・メンテナンス

長期メンテナンス症例より.3  老化で歯は無くならいという事

 患者様は83歳男性。この3月末で84歳になられます。
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 上の写真は2000年8月 74歳のときの写真です。初診は、もちろんもっと前になりますが、やはり残念ながら写真がありません。

 この方も特に歯性が良かった訳ではありません。事実、18年ほど前、メンテナンスに入る前は、上下両側の奥歯に虫歯ができていて、左上3本、右下2本、左下1本を抜歯した後、計19本の冠やブリッジを入れています。
 もともと、歯の着色や、ひびわれが多い方でしたので、セラミックを使い、着色、ひびわれを精巧に再現して修復しました。そのため、ぱっと見は、どこを修復してあるのか判らないかもしれません。いずれ、これはまた、セラミック修復のカテゴリーででもご紹介しましょう。

 下の写真は最近撮影したものです。
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奥歯のセラミックには何の問題もありません。
メンテナンスにより虫歯と歯周病は長い間、良好にコントロールされてきています。
8020も軽々と突破しました。

 しかし、年齢と共に歯は少しずつもろくはなりますので、前歯の先のほうが、少しずつちびてきています。これはまた元気に噛んでいる証拠でもあります。

 ただ、最近、少し甘食が増えてきました。
甘いものがおいしくてしょうがないそうです(苦笑)。
 年を取ると唾液の緩衝能(虫歯菌が出す酸を中和する、唾液の歯を守る力のひとつ。)が落ちてくるため、虫歯になりやすくなります。だんだん歯を磨くのもめんどくさくなってきたみたいで、前歯に少しずつ虫歯になりかけの部分ができてきています。
 でも、ここまでがんばったんだから、もう思う存分好きなものを食べて下さい、と話しています。メンテナンスに通って下さる限り、私たちが歯を守り通します。
by healthcarenews | 2010-03-06 00:13 | 予防歯科・メンテナンス

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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