ヘルスケア通信

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歯科用3DCTの効用・3 難診断症例への適用

 歯科用3DCTの効用として、今回は難診断症例に適用した症例をご紹介します。

 ひと口に難診断症例といっても、いろいろありますが、今回は通常のレントゲンには写りにくいタイプの病巣を持った症例です。

◆症例1
 患者様は、右上2番目の小臼歯の根っこの先の歯茎が腫れている、と来院なさいました。

 口の中を見ると、確かに第2小臼歯の付け根が腫れていました。症状からは小臼歯の神経が死んでいることが予想されましたが、まず通常のレントゲン写真をご覧ください。
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 一般の方にはレントゲン像をご覧になっても、難しいとおっしゃるかもしれませんが、一応呈示をしておきます。
レントゲンを見ても大きな病巣は無く、また第2小臼歯も神経が生きている健全な歯でした。
歯周病の検査もしましたが、歯周病も問題ありませんでした。そこで、3DCTを撮ってみることにしました。
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 結果、第1小臼歯の根っこの先に病巣が見つかりました。
この第1小臼歯は神経が死んでいました。ここに溜まった膿が、隣の第2小臼歯の根っこの部分の歯茎を腫らしていたわけです。
 ただ病巣がまだ小さかったため、周囲に多くの骨があり、平面的な撮影しかできない通常のレントゲンでは、確定診断ができませんでした。

確定診断後は、通法に基づき根管治療を行い、無事に治癒しました。

◆症例2
 右上の奥歯(大臼歯)が、時々腫れるし臭いもするという訴えで来院なさいました。
症状から見る限り、重症の歯周炎です。
通常のレントゲン像です。
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 上顎の大臼歯は、根っこが通常3本に分かれています。
そして、その3本が、ばらばらに歯周病に感染するときがあります。
ですから、それぞれの根っこの歯周病の進行具合は、通常のレントゲンでは判りにくい時があります。
3DCTを撮ってみました。
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 レントゲン上で、黒く見える影が病巣の部分です。上の写真と比べ、3DCTの方が病巣がはっきり判ります。
一番奥の歯は、3本の根っこのうち2本が、歯を支える歯槽骨が全く無い状態でした。
また、奥から2番目の歯は、3本のうち1本が歯槽骨が全くが無くなり、また1本の根の先には大きな病巣ができていました。

 歯槽骨が、全く無くなった歯は、治らないばかりか、感染源となって、他の歯をダメにしていく可能性もあります。
かといって、歯全部を抜くのではなく、3本のうちの一部を抜くことで、歯を助けることができる時もあります。
いま、MIと呼ばれる、最小限の侵襲で済ませる治療のためにも、CTは欠かせないものとなってきています。
by healthcarenews | 2011-03-27 23:58 | 歯科用CT・3DCT

セラミックによる審美回復症例

 今回はメタルボンドセラミックによる審美回復の症例です。

 患者様は29歳女性。前歯を綺麗にしたいと来院なさいました。
術前です。
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 正面2本の前歯は、神経が死んでしまっていて変色しています。また右上の2番目の歯は硬質レジン前装冠が変色し、スキマも開いて不適合になっています。
 はじめはホワイトニングのみによる治療も検討しましたが、すでに、正面に大きなプラスチック修復が施してあり、変色の度合いが強い事、歯の形そのものが、幅が広く、長さが短い形態で審美的ではなかった事、またそれが歯列不正を誘発している事などから、メタルボンドセラミック冠にて修復することになりました。

 まず仮歯を入れた後、初期治療を行いながら、ホワイトニングを行います。
仮歯の段階で、歯の形態や咬み合わせを、患者様の希望に合わせて調整しておきます。
そして、色の安定を待って、最終修復を行います。
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術後です。
 まず歯の出っ張りを減らし、女性らしい細長い歯の形態を与えました。
歯の色も3段階ほど明るい色を選択しました。

 術前、やや無骨な印象を与えた口元は、女性らしい美しい口元に変わりました。
患者様にも、大変喜んで頂けました。

■メタルボンドセラミック冠 1本 94500円(消費税込み)~

オールセラミック&メタルボンドセラミック&ハイブリッドセラミック 2
by healthcarenews | 2011-03-21 17:03 | 審美治療・セラミック

歯周病3つのケース・3  喫煙による歯周病

 ケース3は、喫煙(たばこ)による歯周病です。

 始めにお断りしておきますが、今回の3つの分類は、学術的、病理的な分類ではありません。あくまで原因を中心として、便宜的に分けたものです。ご理解下さい。

 たばこは、歯周病を悪化させる因子(リスクファクター)として、予後に大きな影響を与えます、って、難しい表現をしましたが、簡単に言うと、「たばこを吸う人は歯周病になりやすいし、なったら治らない!」っていうことです。術前です。
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54歳、女性。すでに大きく骨が破壊され、歯肉が退縮してしまっています。
バイオフィルムも付いていませんし、目につく炎症も起こしていません。では、歯周病ではないのでしょうか?
いや、まったく症状が出ないまま、骨の破壊が進行している、これも立派な歯周病なのです。

 たばこの主な薬理作用の一つとして、口の中の粘膜の血管を収縮させ、血の巡りを悪くする作用があります。炎症は、血液中の免疫物質が、バイ菌と戦うことで起こる、体の防御反応ですので、血の巡りが悪くなるということは、免疫が効かなくなる・・・、つまり、まったく無抵抗でバイ菌にやられ放題になるということなのです。
炎症反応が起きないので、腫れたり痛んだり、出血したりしません。そして気が付くと骨が無くなっているのです。

術後です。
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とりあえず、空いたスキマをかぶせて見栄えは整えました。除菌処置も行いました。しかし、これで安心かどうかは、疑問が残ります。

 ケース1は、バイオフィルムが原因ですのでクリーニングで治りました。ケース2は、特殊な細菌が原因ですので、抗生物質と掻把で治りました。ケース3は・・・・?
 たばこが原因ですので禁煙するしか治す方法がないのです。これは、患者様ご自身の自覚がすべて、ということになります。

 歯周病は、単に歯磨きだけではなく、感染した細菌の種類、体質や性差、骨格や噛み合わせ、生活習慣や遺伝など、様々な要因が複雑に絡み合って発症していきます。だから、それぞれのケースが一律ではなく、本当にケースバイケースで対応していかなければ、解決できないのです。
 この3つの分類もすべてが単独で起こるわけではなく、混ざり合って起こってきます。バイオフィルムが付いた若年性歯周炎でたばこを吸う人もいるのです。
Oh my God!

 ケース3も、破壊の程度から見て、実は若年性歯周炎だった可能性があります。
女性で、骨格が細く、喫煙者。そして、必ずと言っていいほど奥歯からやられています。
こうなると難治中の難治。
 除菌と咬合のコントロールをデリケートに行い、注意深く経過を追うしかありません。
それまでの骨破壊が少なければ、禁煙をしてくれることで、まだ回復の可能性はでるのですが・・・。
by healthcarenews | 2011-03-02 21:36 | 歯周病治療

歯周病3つのケース・2  若年性歯周炎

 次のケースは、若年性歯周炎と呼ばれる、重症の歯周炎です。
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 30歳、女性。一見、普通の歯肉に見えますが、歯周炎としては重症で、難治性です。
まだ若いのに、歯肉のあちこちが、つぎつぎと腫れてはつぶれ、腫れてはつぶれ・・・、を繰り返します。
がんばって歯磨きをしても、膿は止まらないし、口臭もするし、歯はぐらぐらしてくるし、どんどんひどくなっていく・・・・。
うちに来るまでの本人の不安は大変なものだったでしょう。

 これがなぜ重症なのか?なぜ、難治性なのか?
ケース1と大きく違うのは、バイオフィルム(細菌のかたまり)や、歯石の付着が全然少ないにもかかわらず、ケース1以上の炎症を起こしていることです。
 初診時を横から見てみましょう。
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ケース1と比べると、歯の表面にはバイオフィルムはあまり付いていません。目に見える歯石もありません。ただ歯肉が一部ただれたように腫れています。
 治療後を見てみましょう。
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 歯周炎は、歯を支える骨を破壊する病気であることは前に書きました。
治療により、歯肉の色はきれいになり、炎症も治まりました。しかし、歯を支える骨が大きく破壊されていたために、歯肉が引き締まった後は、歯と歯の間に大きなスキマが開いてしまいました。それだけ、ひどく骨が破壊されていたということです。

 成人性の慢性歯周炎(いわゆる歯槽膿漏)は、通常40歳代前後ぐらいからの発症で、進行がおそいため、治療をきちんとすると、ほとんど問題なくコントロールできます。
しかし、若年性歯周炎は、早い子は15歳くらいから発症し、女性に多く、ほとんど症状なく急速に骨を破壊していく恐ろしい歯周病です。

 その違いは、感染している歯周病菌の種類の違いです。慢性の歯周炎にくらべ、毒性の強い菌が感染しているのです。普通の歯石除去を繰り返すだけでは、この歯周病は治りません。時には特殊な抗生物質を使い、短期間に一気に除菌処置を行って行きます。

 治療初期には、まだ、たびたび腫れていましたが、麻酔下で投薬しながらの掻把を繰り返し行う事で、3か月目ごろより症状が落ち着きはじめ、6か月目でようやく消炎しました。

改めて、術前と術後を比較してみましょう。
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 歯肉にすきまはできましたが、腫れが引き、歯肉の色は大きく改善しました。まだまだ不安定ですが、時間と共に、歯肉の形も徐々に良くなっていきますし、歯の隙間も改善していくでしょう。
 
 初診時に、不安でおびえる彼女に、時間はかかるけど必ず治るからがんばって通っておいでと励ましたことが思い出されます。今後も注意深いメンテナンスが必要になりますが、彼女ならがんばってくれるでしょう。
 
by healthcarenews | 2011-03-02 00:54 | 歯周病治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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