ヘルスケア通信

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マグネット+メタルプレート使用の10年経過症例

 今回も前回に引き続き、マグネットアタッチメントとメタルプレートを併用した症例をご紹介しましょう。

 まずは、初診時の写真をご覧下さい。
患者様は、初診当時52歳。女性。2002年1月。前歯がグラグラする、と訴えて来院されました。
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一見、歯は有るように見えますが・・・・。左上の前歯が2本抜けていて、5本つながった大きなブリッジが入っています。よく見ると、右上の歯ぐきが腫れて出血もしています。

実は、これは原因と結果がはっきりしている、よくある話なのです。

横から見てみましょう。
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左右ともに、奥歯が虫歯になって欠けていて噛み合っていません。どれぐらいの期間かわかりませんが、患者様は奥歯で噛めないもんだから、ずーっと前歯ばかりで噛んでいたのです。


 しかし、前歯もすでに2本抜けていて、けっして健康という訳ではありません。前歯の使いすぎで、なけなしの右上2本の歯が折れてしまったのでした。
しつこいようですが、これは本当によくある話です。奥歯が抜けたまま放っておくと必ず前歯がダメになります。そして、噛み合わせや骨の構造上、ほとんどの場合、上の前歯がダメになると思っていて下さい。

 とりあえず、前歯のブリッジを外し、根っこから折れてしまった歯は抜歯した状態が下の写真です。もちろん、そのままでは見た目も噛むにも困るので、すぐに上下で仮義歯を入れてあります。
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 ここからが、治療の本格的なプランニングになります。前歯は全部で3本抜けていることになります。無理すればブリッジで修復することはできますが、残っている歯も丈夫ではないですし、噛み合わせの条件も悪いままですので、新しいブリッジもすぐにダメになる事が考えられます。

 義歯も、前歯に針金が見えるのはイヤ!と、いうことでしたので、マグネット応用のメタルプレート義歯を選択しました。

 初期治療後、残っている前歯にマグネットアタッチメントを取り付けます。根の付け根で切って取り付けますので、歯に無理な力がかかりにくい、という事と、針金を使わないので審美的、というメリットがあります。

 義歯を外し、正面から見たところです。アタッチメントは2個使っています。
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 下の写真は、義歯を入れたところです。
下顎は、保険の義歯ですので、小臼歯に一部針金が見えやすい部分がありますが、上の前歯は審美回復ができています。
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 内側の写真です。
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 義歯のフレームは、丈夫なメタルフレームを採用しています。剛性が高く、変形が少ないため、アタッチメントなどの精密な装置に使っても、ズレが少なく、効率良く作用し長持ちします。
 また、義歯の真ん中の部分に大きな穴が開けてあります。これは、食事の味や温度を判りやすくして、おいしく食べることができますし、舌触りが良くなりや発音もしやすくする効果があります。これも高強度のメタルプレートならではのメリットです。
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 さて、下はそれから10年後、2012年10月の写真です。
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 残念ながら、この患者様は定期的なメンテナンスには、お見えになれず、症状が出れば治す、場当たり的な治療になってしまいました。そのため、なけなしの前歯、右上犬歯も、虫歯になって折れてしまいました。

 案の定と言うか、下の入れ歯も入れてもらえず、前と変わらず、前歯だけで噛んでいる状態です。前歯に無理してブリッジを入れていたら、あっという間にダメになったでしょう。考えただけでもゾッとします。

 幸いメタルフレームは10年経ってもビクともしていません。ここが、メタルフレームの素晴らしいところです。
奥歯の針金がかかっている歯は、ていねいに予防処置をして、折れた犬歯には、できたらもう一つマグネットを追加します。簡単な修理で、審美的に機能回復できます。
まだまだ、この義歯は使っていただけると思います。

でも、できたら下の義歯も入れてくださいね(汗)。
by healthcarenews | 2012-10-17 22:35 | 入れ歯、義歯治療

術後、12年以上経過したセラミック・マグネット・金属床症例。

 まずは、この写真をご覧下さい。もちろん、これは初診時の写真ではありません。
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 初診は1999年。患者様は、当時56歳、女性。
重症の歯周病でかなりの咬合崩壊を起こしていたものを、厳密な歯周病治療を行った後、セラミック、マグネット、アタッチメント、金属床を用いて、審美回復、機能回復を行った症例です。写真は2000年、術後数ヶ月のものです。残念ながら初診時の写真はありません。現在のデジタルカメラシステムに移行して、すぐに記録を残したものが上の写真です。

 義歯をはずしたところをご覧下さい。
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思ったより多くの歯が無いな、と思われた方が多かったのではないかと思います。義歯でも審美回復をきちんと行うと、見た目に義歯と判らないように治療することが可能です。

 全体像も見ていただきましょう。
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上の歯は3本を残し(これもセラミック修復していますが・・・)大部分が義歯です。
下の歯は、前歯は全部セラミック修復を行い、両奥が義歯になっています。また、義歯の針金が見えるのを嫌い上顎はマグネット3個、下顎はアタッチメントを用いて針金を見えなくしてあります。

 下の写真は取り外した義歯の写真です。
義歯は、フレームを丈夫な金属で作ってあります。
人間の噛む力は、想像以上に強く、また毎日、毎日、一日数回以上、人によっては熱い物から固いものまで、ほとんどの人が無意識に無造作に食事をします。ですから、義歯にかかる力や環境は、患者様の想像を絶する厳しいものなのです。普通のプラスチックの義歯でしたら、2~3年で変形したり、折れたりすることもあります。
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マグネットが効いていますので、義歯のノドに近い部分を短めに削っています。ここが長いと吐き気がしたり、飲み込み、発音が辛かったりと不快症状が出ます。しかし総入れ歯でここを削ると義歯が落ちてきます。
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下はセクラロックと呼ばれる二重冠方式のアタッチメントを使っています。やはり、丈夫な金属フレームを用いていますので、舌の裏側に当たる部分を薄く小さくすることができています。
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入れ歯を入れた状態で、もう一度、全体像をご覧下さい。
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 さて、この患者様は、遠方からご来院でしたが、ありがたいことにメンテナンスも定期的にきちんとお見えになられ、毎日のお手入れも上手になさっていただきました。
下は、今から6年前の2006年、ちょうど中間地点の写真です。
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 そして、2012年、術後12年以上経過。現在68歳です。
3年前、術後9年目にして、右下奥歯が単独で噛んでいたため、歯が折れて抜歯に至っていますが、メタルフレームですので、抜けた部分だけ修理して、そのまま問題なく使えています。

 歯周病の再発は起きていませんが、年齢と共に歯肉の退縮は起こっています。
しかし、もともとの歯周病リスクから考えると、やむを得ない範囲かと考えています。
歯肉の退縮とともに、見えてきた根っこの部分の虫歯も2箇所ほど詰めただけで、それ以外、大きなやり直しは行っていません。
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義歯を入れたところです。金属床、メタルフレームはとても頑丈で、長い間使うことができます。
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プラスチックの部分は、さすがに年輪とともにもろくなっていきますので、良く噛むところは割れたりすることがあります。しかし、逆にプラスチックは修理も簡単ですので、フレームさえしっかりしていれば、修理修理を重ねながらでも長期間使うことができるのです。

 この患者様は、現在もメンテナンス継続中で、その他の部分にも、特に大きな問題は起きていません。
この12年の間に、義歯はすりへって薄くなった部分もあるのですが、全体で良く噛めているので、あえて、その部分の補強とかも行わずに様子を見ています。咬み合せは全体のバランスなので、一部を治すことで、他の部分に過剰に負担がかかることを避けたいからです。
 
 術後12年を超え、まだまだ十分使えそうな感じです。メンテナンスの力を改めて感じるとともに、患者様の努力にも頭が下がります。
 まだまだ、おいしいものをたくさん食べて頂かなければいけません。これからもがんばっていきましょう。
by healthcarenews | 2012-10-15 00:21 | 入れ歯、義歯治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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