ヘルスケア通信

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咬合が原因で健康な歯が抜歯に至り、移植を行った1症例

 今回は、強い咬み合わせが原因で起きた一連のトラブルと、その治療をご紹介しましょう。
 
 
今回紹介する患者様は女性。
最初の初診は1989年5月、25歳の時で、今からちょうど24年前。ですから、さすがに初診時の写真はありません。この時は小さな虫歯を数本治療して終了しています。
 
 翌1990年秋に再初診、やはり数本の虫歯を治療して、左の上下の親知らずを抜歯しました。
そして、それから数えて20年以上、この方はずーっと定期的なメンテナンスを続けて頂きました。

 このメンテナンス期間中、お口の中の環境は非常に安定しており、小さな詰め物の補修は数本ありましたが、1本の抜歯はおろか、神経を取る治療すら行う必要はありませんでした。

 しかし、2010年12月、思わぬトラブルが私たちを襲いました。左下の奥歯が痛い!と言うのです。

 その時の写真です。
鏡で撮っていますので、左右逆に見えますが、左下一番奥が問題の歯です。
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何も異常はありません。そう虫歯も歯周病もありません。実は、これが問題なのです。


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レントゲンにも何も写ってきません。虫歯や歯周病ではないのです。メンテナンスは確実に虫歯、歯周病を予防してくれています。

 当初は、さすがに当てずっぽうでは、この歯を削ることができず、咬み合せの微調整をして経過観察としました。しかし、症状は、どんどん強くなるばかりでした(汗)。

 翌2011年2月、とうとうあきらめて神経を取りました。結果は・・・・、痛みの原因は、歯の咬み合せの力により、健康な歯にヒビが入っていたのです。
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ピシッとヒビが入っているのが写真で判ります。

 神経を取った後、ヒビは歯科用レジンで接着し、型枠をはめるように金属でかぶせました。
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 術後は痛みも不快症状も消え、噛んだ時の痛みも無くなったため、「この歯は、いつ痛くなってもおかしくありませんよ。」、と患者様に念押しした上で、一応は治療は一段落しました。

 とりあえず、その後も不快症状は出ず、治療は成功したかに見えましたが・・・・。
しかし、2年後、レントゲンを撮ってみると・・・・。
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 ダメです。
患者様は痛くもかゆくもなく、噛んでも何にも苦痛もないのですが、ヒビが入ったところから感染を起こし、歯を支える歯槽骨が破壊され始めています。(歯の周りに見える黒い影がそれです。)

 このままでは、奥歯は、顎の骨ごとダメになってしまいます。顎の骨さえ残っていれば、まだインプラントという選択肢もあります。僕は抜歯を決意しました・・・。


 ここで、プランニングのために、改めて全体のレントゲンを見てみると・・・・・。

ふむ、もう一つの選択肢を思い出しました。歯の移植です。
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右上に、おあつらえむきの親知らずが生えています(向かって左側の黄色い丸。向かって右下の黄色い丸が、ヒビがはいった問題の歯です。)
歯科用CTを撮ってみると、サイズもなかなかぴったり合いそうです。

2013年1月 左下の大臼歯を抜歯し、同日に右上親知らずを左下に移植しました。

下は、術直後のレントゲンです。
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向かって左側の歯は無くなって、向かって右側に移植されています。
口腔内の写真です。
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移植後、細いワイヤーとセメントかプラスティックで固定します。

約3ヶ月後。
術直後から痛みや腫れもなく、順調に経過したため、3ヶ月弱にて固定ワイヤーを除去しました。
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移植した歯は、グラグラ動くことなく、しっかり生着しています。
 
 レントゲンです。
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まだ術後3ヶ月弱なので、黒い影は残っていますが、移植直後よりは、あきらかに顎の骨が回復してきています。
今日現在では、まだかぶせてはいませんが、もう2~3ヶ月ほど経過をみた後、補綴をする予定です。

 この症例には、現在の歯科治療に関する多くのエッセンスが含まれている気がします。
まとめてみます。

1.メンテナンスにより、虫歯と歯周病は確実に予防でき、その方たちは将来、まちがいなく健康な多くの歯を持って、生涯暮らすことができる、ということ。(25年間、ほとんど虫歯にならなかった人が、その後の20~30年間で、何本も一気に歯が悪くなって抜くということは、通常起こりません。)

2.逆に咬合の問題は、虫歯と歯周病と同等、あるいはそれ以上に、今後、歯の健康を守る上で、重要なリスクファクターになってくる、ということ。(歯ぎしり、顎関節症、歯の破折など、咬合のトラブルが急増しています。)

3.歯の破折、またはヒビが入った歯は、多くの症例で予後不良。すなわち長持ちしません。
自覚症状がない場合は、説明に苦慮しますが、後々の顎の骨の破壊などの被害を十分に考えて、慎重な経過観察と時には大胆な処置も必要だと思います。

4.移植はドナーとレシピエントが適合して初めて成り立つ治療ですので、いつでも、誰にでも、どんな症例にでも適用できる訳ではありません。しかし、移植が行われた症例では、順調に回復し、長期間機能したことが多数報告されています。また、同じ患者様内で行われますので、免疫の問題や拒否反応が起こることもありません。条件さえ合えば、安易にインプラントを選択するまえに、十分検討に値する治療だと思います。



 平成25年8月17日 補足 
 移植より6ヶ月経過しましたので、レントゲン検査をいたしました。
左下、奥、骨の中にあった影がきれいに消えています。移植は成功と言えそうです。
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 術後の口腔内の写真です。型を取って、クラウンをかぶせました。
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  ここまでくると、もう普通の歯と同じです。
 この患者様には、もう歯を噛み割ることがないように、保護用のマウスピースを作製し、使ってもらうことにしました。あとは、しっかり毎日の歯磨きをがんばってもらい、メンテナンスをしていくだけです。

 今回は、タイミング良く、移植を行い成功させることができました。インプラントは、視野に入っていましたが、選択することなく済みました。ほとんどを保険診療で済ますことができましたので、大変喜んで頂きました。

 現在は、歯を残すための歯科技術は、長足の進歩をとげています。
安易にインプラントを選択するまえに、他に可能な治療がないか、今後とも考えさせる症例となりました。

 参考■虫歯治療の奥の手-移植という選択-
by healthcarenews | 2013-08-17 16:37 | 歯の外傷(ケガ)・移植・再植

事故で失った前歯にインプラントとオールセラミックにて審美修復を行った1症例

 今回のヘルスケア通信は、不幸にも交通事故により、前歯を折り、抜歯後、インプラントとオールセラミックを用いて審美修復を行った症例です。
まずは術前、事故直後の写真です。
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 患者様は初診時、26歳女性。
クリスマスも間近、というある日、歩いているところを車にはねられてしまいました。
彼女に過失は一切なく、本当に、とんだ災難、とも言える不幸な事故でした。

 ご覧のように、右上の前歯が、真ん中から折れ、その左右と下の歯が、一部欠けました。もちろん、お口の中だけでなく、腕の骨も折るなどの、結構な「重症」でした・・・。
 とりあえず、欠けた部分はプラスチックで修復し、最小限治療を目指すのがいつもの基本的なスタンスなのですが・・・・。彼女の不運は、腕の怪我だけでは済みませんでした・・・。

 数日後、右の前歯に強い痛みが出てきました。明らかに神経が炎症を起こしている、この世で何番目かに数えられるという、あの激痛です・・。やむなく神経を取ることに・・・。写真です。
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 歯の真ん中の部分に、大きくヒビが入っています。ヒビから神経に感染を起こしたのです。
実は、ケガで歯を折った場合、これが一番怖いんですねえ。上の部分が欠けてるだけなら、プラスチック修復だけで済む場合もあるのですが、歯の根までヒビが入ると、今度は、一気に抜歯の可能性まで出てきます・・・。

 彼女は、不運にも、利き腕を骨折していたために、口腔清掃もままなりませんでした。
来院時は、こちらでクリーニングをしていましたが、それでも限界があります・・・。そうこうするうちに、折れた歯の左右の歯も、強くしみるようになってきました。
 精査をすると、やはり左右の歯にもマイクロクラック(微小なヒビ)が入っているようです。今後、症状がどう変化していくのか、予断を許しません・・・。

 それでも、これが、自分で転んで歯を折ったのなら、ここまできても基本は最小限治療です。しかし、今回は、交通事故です。中途半端な治療で、中途半端な結末を迎えることはできません。

 非常に悩んだのですが、患者様の希望もあり、折れた歯は、抜歯してインプラント。左右の強くしみる歯は、神経を取って、オールセラミックで修復することになりました。

 インプラントは、前歯でもあるため、抜歯と同時にインプラントを入れる、抜歯即時インプラント術を行いました。
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 前歯ですから、もちろんこのままにはしておきません。その場で仮歯を入れます。
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 このまま、治癒を数ヶ月待ちます。
根気がいる治療ですが、インプラントは、この「待ち」も、とても大切な治療の一部だと思って下さい。あせって、しっかり骨が固まる前に治療を進めると、決していい結果は望めません。そのためにもしっかりした仮歯を入れるのです・・・。

 下は、修復直前の、口腔内です。
骨の安定を待って、ジルコニアセラミックの土台を入れます。オールセラミックを入れる場合、土台をチタンにしてしまうと、金属色が透けて、歯肉が黒ずんだり、綺麗な色が出なくなったりするからです。
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 術後です・・・。
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 3本とも、同時にオールセラミックで修復したため、色調、透明度ともバランスが取れて綺麗に仕上がっています。
 セラミックは、表面がガラス状に滑沢なため、プラークが付着しにくく、清掃もしやすくなります。
そのため、歯肉炎も回復し、術前よりも、歯肉の状態は良くなっています。
マイクロクラックが入った左右の歯は、気にはなりますが、今後も注意深くメンテナンスで観察を続けて行きたいと思います。
by healthcarenews | 2013-08-17 01:03 | インプラント

平成25年、夏期休暇のお知らせ

 平成25年8月14日水曜日から8月18日日曜日まで、夏期休暇を頂きます。
あしからずご了承下さい。         
                                         当院
by healthcarenews | 2013-08-15 23:10 | お知らせ

平成24年度、大阪府歯科医師会賞受賞と学校検診

 今日は、2013年8月11日・・・・・暑いですねえ!
今日は、生まれて初めて、車の外気温度計が40℃を示すのを、見ました!怖い!

 こんな暑い日は、脳みそも溶けそうになってるので、新ネタはパス!
そこで、保存しておいた賞味期限ギリギリのネタを、腐ってしまわないうちに使います・・・・・、てか、「もっと早く投稿しろよ!」って小学校の担当の先生から怒られそうですが・・・(笑)。

 僕が「学校歯科医」として受け持つ堺市立大泉小学校が、「大阪府良い歯、口を守る学校、園表彰」で、昨年(平成23年度)に引き続き、今年(平成24年度)も、大阪府歯科医師会賞を受賞しました!
もう2年連続は快挙でしょ(嬉)! 

 幸い、ちょうど時間が合ったので、表彰式にも出席しました・・・。と言っても、今年の1月の話ですが・・・(笑)。
 調子に乗って、記念撮影。冬ですので、スーツを着てます。今見ると暑苦しいです・・・。
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 小学校、担当の先生とも記念撮影・・・・。
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 まあ、ここで改めて、くれぐれもお断りしておきますが、本当にがんばっているのは、担当の先生と生徒さんです・・・・。この点は、お間違いなく・・・・・。我が物顔ででかく写っていますが、お許し下さい・・・。

 さて、ここまで投稿が遅れたのは、実は、学校検診の画像を待っていたのです・・・(言い訳がましく聞こえますなあ・・・)(ーー;)。
 毎年、5月から6月は学校検診のシーズンです。2学年ずつ3回に分けてやるので、結構アポイントに食い込みます・・・(^_^;)。
ただでさえ取りにくいアポが、さらに取りにくくなって、スタッフには恐怖のシーズンなのです(^_^;)。

 今日は、学校検診風景をパチリ!。大泉小学校の保健室で、検診を行っています。
普段は、僕がカメラマンなので、なかなか写ることがないのですが、たまにはいいでしょう。
 ちなみに、通院されている患者様はご存知ですが、白衣の色は、このオレンジの他に、赤や緑や青や、いろいろな色をお構いなく着ています。そんなとこにこだわりなんてありません・・・(笑)。しいていえば、子供が多い日は、赤系が多いかな・・・。
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あえてこだわり、と言うなら、照明の位置でしょう。ご覧のように胸の中に抱えるようにして検診をしています。この方が、照明の死角ができず、お口の中のすみずみまで確実に検診できるからです・・・・。ただ、5月6月になると、もう暑いんだ!・・・・(^_^;)。
生徒さんも、非常に暑がりますし、僕も汗だくになります・・・。今年は特に暑かったから大変でした・・・(汗)。
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暑いやろ?わかってるでえ、ごめんなあ。でも、ちゃんと検診してあげるからね。

 探しているのは、虫歯ではありません。リスクです。
単なる虫歯の穴なら、詰めたら終わりです。心配はいりません。初期の虫歯なら、削る必要もありません。

 検診で探しているのは、虫歯リスク(虫歯のかかりやすさ)と歯周病リスク(歯周病のかかりやすさ)。
つまり生活習慣の中で、どれだけ(予防歯科的に)安全な生活が送れているか?、お口の中の環境が、どれだけ安定しているか?ということです・・・。
子供の虫歯は、ひとえにこれにかかっています・・・。

 これからもがんばっていきます。
by healthcarenews | 2013-08-12 00:49 | 予防歯科・メンテナンス

変色歯のホワイトニング・2 ~ウォーキングブリーチ~

 今回は、変色歯のホワイトニングをご紹介いたします。
 まずは、症例をご覧下さい。
26歳男性。右上正面の歯が変色、スキマも開いています。今度、結婚をされるということで、結婚式までになんとかして・・・、と来院されました。なんとかしましょう。
術前です。
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術後です。変色歯は薬剤で漂白。スキマはプラスティックで形態を修正しました。
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 いま、当院ではホワイトニングが「静かなブーム」になっている気がします。
「静かなブーム」と、表現するのは、僕が、「芸能人みたいな白い歯」を勧めていないせいかもしれません(笑)。

 芸能人にも、本当に真っ白で健康で素敵な歯の方もいらっしゃいますが、中には歯だけ真っ白で、歯ぐきは真っ黒って方も結構いらっしゃいます(汗)。ハイビジョン放送は、そんなとこまで精細に映してしまいます。

 歯は、やっぱり健康が第一。そのための予防歯科ですから・・・・(^_^;)。
歯に無理をかける審美治療は嫌いですから、大光量のライトで、一気にオフィスホワイトニングっていうのはやっていませんし、ましてや健康な歯を削って、手っ取り早くセラミックをかぶせる、なんて原則やりません。

 「それぐらいなら、先に歯を磨けよ!」「まずは、クリーニングから!」「タバコは吸うなよ!」ってうるさいもんだから、まあ、それがめんどくさい娘は自然と寄り付かない訳です・・・(笑)。

 それでも、ひと昔前に較べると、一般の方でも、ほとんどの患者様が、明らかに1ランク白い歯を希望されます。僕たちも、もうそれに慣れてしまい、10年ほど前に入れたセラミック(当時の常識では、ぴったりと日本人の歯に合っていた・・・)の色が、黄色く感じられてしまいます。セラミックですから、そのものが経年変色した訳ではないのですが・・・。それぐらい、白い歯(ホワイトニング)は、静かに普及してきているのです。

 まあ、そんな訳ですから、1本だけ変色した変色歯(失活歯)は、特に目立つし、その1本だけのホワイトニングというのは、MI(最小限治療)の観点からも、非常に価値があるので、患者様にも、大いに喜んでもらっています。

 他の症例もご覧下さい。
51歳男性。左上正面の歯が変色しています。
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術中です。漂白の時間には個人差があります。この方はなかなか変化せず、ヒヤヒヤしました。
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術後です。後戻りも考え、ややオーバー気味にホワイトニングしてあります。この方も、下顎の前歯のスキマを、プラスティックで審美修復しています。
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もう1例、今度は44歳女性です。術前です。
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ホワイトニング後、プラスティックで欠けている部分を審美補修しました。この方は、逆に1回で漂白が完了しました。
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 以前は、1本だけの変色歯は、レーザーホワイトニングを行っていましたが、今は薬剤で、ウォーキングブリーチと呼ばれる方法でホワイトニングすることも増えてきました。この術式の方が、イスに座っている時間が短く、患者様も楽なようです。効果も上々で、場合によっては、こちらのほうが早い場合もあります。

 神経の無い歯は、時々、上記の症例のように、いつのまにか変色をしてしまう事があります。
変色歯でお悩みの方は、セラミックなどで不用意に歯を削ってしまう前に(それぞれ利点欠点はありますが・・・)、一度、ご相談をいただけたらと思います。
by healthcarenews | 2013-08-10 23:38 | ホワイトニング

「歯周病を治療する」という事を改めて考える

 まずは、口腔内写真をご覧下さい。
患者様は、20歳男性。平成25年1月、歯肉からの出血を訴えて来院なさいました。

 術前です。たくさん歯石が付着して、歯肉のスキマから黒く見えています。
歯肉も炎症を起こして、赤黒く充血し、腫れています。出血して当たり前です。
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 術後です。3ヶ月後、平成25年4月の写真です。
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 歯石をきれいに除去し、炎症も改善し、出血も止まりました。歯肉も綺麗に引き締まりました。
治って良かったねー!、終了ー!、チャンチャン!

って、こん話がしたいのでは、もちろんありません!!!。

 改めて「歯周病治療」って何だろう?という話を考えたいのです。

 歯科医院のサイトに良くある話ですが、歯周病治療の治療前、治療後写真として、「PMTC(プロフェッショナル・クリーニング)をして、こーんなに綺麗になりました!」って、モデルの写真が載っていたりします。
 
 たしかに、クリーニングは大事です。歯周病治療に、病因歯石の除去と、原因菌の除菌は絶対に必要です。当院でも、必ずやりますし、ほとんどの歯周病は、「一時的にせよ」それで良くなります。

 しかし、では、その逆、クリーニングしたり、歯石を取る事が歯周病治療か?と問われると、むむむ、これはイコールではありません・・・。そこを勘違いして欲しくないし、歯科医療関係者の方にも、そこを誤解して欲しくないのです。

 今回の症例で、もっとも大切なのは、若干20歳で、何故この歯周病?ってところなのです。
多くの20歳は、このような経過をたどりません。

 もし、クリーニングだけを行い、綺麗なって良かったねー、チャンチャン!で、治療を終了していれば、3年後、5年後にこの青年の歯肉がどうなっていくかは、まったく予測がつきません。

 私は、神様でも霊能者でもありませんので、今回、初めて診たこの患者様が、今までどんな生活をしてきて、どんな体質なのか、黙って座ればピタリと当たる!なんて特技は持っていません。

 ですから、この青年の当院での歯周病治療は、今、始まったばかりなのです。
これから、メンテナンスを続けて、この歯肉がどういう性質を持ち、どう変化していくか?
患者様と一緒に、注意深く見守っていくのです。

 多くの患者様が本当に知りたいのは、自分自身ののデータです。
一般論でもなければ、「他人の」綺麗になったお口の中の写真でもありません。

 この患者様には、術前術後の写真をお見せし、今後の経過を注意深く、一緒に観察していくよう、お話を致しました。
幸い3ヶ月後、7月のメンテナンスには、予約通りお見えになりました。
 今後も、当院として最大限の努力をして、この患者様が、モチベーションをとぎらせることなく、メンテナンスを続けていただけるよう、注意を払っていきたいと思っています。

 最後にひとつ、この患者様は、一見重症に見えますが、長年の経験から言いますと、キチンとメンテナンスさえ続けていただけたら、おそらくは大きな問題になることなく、経過できると思っています。


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by healthcarenews | 2013-08-05 00:08 | 歯周病治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


by healthcarenews
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