ヘルスケア通信

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なんにもしない幸せ≒理想の歯科医療

 私達、予防歯科を目指す歯科医師たちの間では、「なんにもしない幸せ」、という言葉があります。

なんにもしない幸せ???。
知らない人には、意味不明の言葉でしょう。

 まずは、症例をご覧下さい。2007年、初診時です。
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 患者様は初診時82歳、女性。
 ご覧のように、歯周病です。歯石が多量にたまって、歯肉も炎症を起こしています。
入れ歯は入れておらず、そのため、奥歯は伸びてしまって根っこまで見えています。歯肉の炎症もあいまって、今にも抜けてしまいそうです。

 普通の歯科医師なら、「奥歯を抜いて、入れ歯を入れましょう。」そう診断するはずです。初めは僕もそう言いました。
患者様の答えは、「入れ歯は、入れたことがないから、イヤ!・・・・・。」・・・・(^_^;)。

 ここで、「俺の治療に従えないなら、他の歯医者に行けー!」なんてキレたりしません・・・(笑)。
それに、患者様の言うことにも、一理あります。なにしろ、82歳の今まで、これで噛んできて、不便を感じてないわけです・・・。

 まずは、通法通り、最小限必要な、クリーニング(除菌処置と歯石の除去)を行います。
そして、歯周病の治癒後、定期的なメンテナンスをして、慎重に経過を観察させてもらうよう約束しました。

そして、現在の口腔内です。
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 現在、御年88歳。
健康で、初診時から3ヶ月に1回、キチンとメンテナンスに見えられます。

 途中、左上の奥歯を1本、抜けかけて、あまりにブラブラだったため、患者様の希望により抜かせていただきました。それ以外は、クリーニング以外、なんにもしていません。 

 いつも歯はピカピカに磨いておられ、歯肉炎も治まっています。なんにもしていませんが、噛む機能も安定していて、患者様も喜んで頂いています。
 
 まあ、この症例は、本当にまれで特殊なケースです。通常、奥歯が無くなれば、咬み合せの負担は前歯に移り、上の前歯がダメになります。どのような経緯で奥歯が無くなったか、今となってはわかりませんが、咬み合せと筋力と、虫歯と歯周病のリスクのバランスが、偶然、いい方向に働いたと思われます。

 ただ、この症例が、考えさせてくれるものはあります。
私達、歯科医師が行う「治療」とは、なんなのか?
従来の歯科医療は、「削ってなんぼ」、の世界ですが、予防歯科の価値観は、「なんにもしなくてなんぼ」にあります。

 患者様にとっては、ガリガリ削られて、痛い思いすることなく、長く自分の歯で食べることができる。歯科医側にとっては、麻酔を打ったり、手術をしたり、歯を削ったり、人為的な介入のリスクを犯すことなく、患者様に喜んでもらえる・・・。実は、これが「なんにもしない幸せ」なのです。そして、これがある意味、理想の歯科医療だと思うのです。

 もちろん、すべての患者様に、この選択肢があてはまるわけではありません。
大きな虫歯があれば、削らないといけませんし、ひどい感染を起こせば抜かなければなりません。
しかし、早くからしっかりと予防すれば、現在なら多くの患者様が、奥歯までしっかりと歯を残すことができます

 価値観が多様化する現代です。治療には必ずメリットとデメリットがあります。上の症例のような選択肢もあることもふまえたうえで、患者様と一緒に、ベストの治療法を考えていきたいといつも思っています。
by healthcarenews | 2013-09-08 00:18 | 予防歯科・メンテナンス

矯正治療を終えられて・・・・

 今回は、「患者様の笑顔」のコーナーです。
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 まずは、お詫びから入らなければなりません。
ご覧のように、患者様は冬服をお召しになられています・・・。
そう、撮影は2月なのです・・・。アップまでなんと7ヶ月・・・!

本当にお待たせをして申し訳ありませんでした・・・m(._.)m。

 この患者様は、3ヶ月に1度、キチンとメンテナンスにお見えですので、実は、撮影が済んでから2回来院されています。1回目は、「アップはもうちょっと待っててねー(笑)!」で済んだのですが・・・・。さすがに2回目となると・・・・、患者様いわく、「来る前にブログ見てみたんですけど、載ってなかったんで、思わず笑っちゃいましたー!(笑)」・・・・・・

なんと優しい温かいお言葉でしょう。身が縮む思いです・・・・。 
本当にお待たせをして申し訳ありませんでした・・・m(._.)m。

 「多忙」が理由にならないのは重々承知の上ですが、実はまだまだたくさん貯めている症例やネタもあるんですねー。この場をお借りして、その関係者の方々にもお詫び申し上げておきます・・・・。

 まあ、と、言うわけで、今回の「笑顔」の概要に入りましょう。
「矯正治療を終えられて・・・」とタイトルをつけましたが、誤解の無いように言っておきますが、当院で矯正をしたわけではありません。

 初診は平成19年7月。当初、患者様は、歯列不正を治すために、セラミックによる審美治療を検討されていました。しかし、すべて健康な歯だったため、僕はどうしても削ることができず、時間と費用はかかっても、矯正治療を選択するようお薦め致しました。そして、患者様は、快く趣旨を理解して下さったので、近所の矯正専門医をご紹介いたしました。

 それから約5年。実質の矯正期間も4年近くはかかっているでしょうか・・・。
その間、ずーっとメンテナンスに見えられていたので、どれだけ大変だったかは、僕もよーく存じています。

 でも、本当に本当ーにがんばってくださいましたので、本当に美しい笑顔を手に入れる事ができました。
下口唇と歯列が一致する、理想的なスマイルラインが描けていると思います。

 セラミック修復は、審美治療としては、とても有効な治療です。しかし、歯列不正をセラミックなどの修復物で改善する方法は、短期間で手っ取り早く治りますが、時には歯に対して無理な削り方になる場合があります。 
 今回は、長い期間、大変な手間と苦労があったと思います。しかし、それでもすべて健康な美しい歯が残りました。これは、長い目でみると、とても大きな財産になると思います。

 僕たちもがんばっていきます。どうか、今後とも、その素晴らしい笑顔を大切にしていってください。

 
by healthcarenews | 2013-09-05 00:16 | 患者様の笑顔

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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