ヘルスケア通信

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マイクロスコープでできること・3 MTAセメント治療

 比較的静かな台風と連休のおかげで(できた暇で)、マイクロスコープ関連のネタをたてつづけに更新です。

 さて根管治療3連発の最後のネタはMTAセメントです・・・。

 MTAセメント・・・・、これ説明できません(;´・ω・)。組成の化学物質の長たらしい名前の頭文字を取った略名ですが、正式名を書いても意味ないですしね(笑)。興味のある方は「MTAセメント」で検索して下さい。
リンクも張らなかったのは、検索してもわかりやすく説明してあるサイトが無かったからです・・・(^^;)。

 じゃあ、どうなのか?
根管治療で有名な某大学教授が語った言葉を引用すれば、「MTAセメントは歯科材料としては、今世紀最大の発明である・・・。」だそうです。

 実際、僕も画期的だと思います。
従来では出来なかった治療ができるようになったのは間違いありません。

 このセメントが従来のセメントと大きく違うところは、水分があるところでもしっかり固まる、ということです。
もともと口の中は「水分」や「血液」がたくさんある所ですから、今までのセメントは、そこをどう乾燥させてしっかり固めるか、ということに苦心をしてきたわけですが、このセメントは、その部分を画期的にクリアしたわけです。
 ですから従来では抜歯になっていた、歯の横のほうに穴が開いたような症例でも治癒の可能性が出てきました・・・。
 この治療にマイクロスコープは絶対必要ではありませんが、使った方が精密で確実なのは言うまでもありません。

 それでは症例です。またもやレントゲンです。根管治療は顎の骨の中の治療のため、パッと目に見える写真が撮れないのですm(__)m。 

 術前、「時々腫れて痛みが出る。」と訴えて来られた患者さまのレントゲン写真です。根っこの横に黒い影ができています。難しく考えずに「黒い影が悪い!」って考えてください(笑)。
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その影ができた原因が、 この一枚のレントゲンではいまいちはっきりしません。手探りでもなんとなく通常の手ごたえがありません・・・。こういう時は、もう迷わずCTを撮ります。結論が劇的に早く出ます。
CT像の一枚です。
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 根っこの中に、黒い影に向かって真っすぐにバイパスみたいな太く黒い線が入っています。歯の根の横に穴が開いているのです。従来なら間違いなく抜歯です。バイパスの原因は?不明です・・・。

 根管治療の後、病巣に向けて、マイクロスコープ下でMTAセメント充填を行いました。
術後です。
b0119466_2243719.jpg
 
 病巣の黒い部分が、やや薄くなっているのがわかります。
今のところ経過は順調で、術後、痛みや腫れは出ていません・・。

 もちろんMTAが万能というわけではありません。この症例も、これから、という所でしょう。
今後慎重に経過観察を行っていくつもりです。

 ところで、今年最大級と言われた台風は先ほど岸和田に上陸したみたいです。今も雨は強く降っていますが風はそれほどではありません。今年は広島の土砂災害や、御嶽山の噴火など、悲惨で甚大な自然災害が続いたので、今回も最大級の警戒をしながら台風を迎えました。・・・が、幸い今のところ多数の死者を出すような災害には至っていないようです。不幸中の幸いと言えると思いますが、それでも被害を受けられた方はいらっしゃいます。心からお見舞い申し上げます。
 
by healthcarenews | 2014-10-13 22:35 | マイクロスコープ・根管治療

マイクロスコープでできること・2 折れたドリルの除去

 私たち歯科医師の仕事のうちのひとつとして(これはかなり大事な部分を占めるのですが・・・)、
虫歯などで痛みが出た歯の神経を取る治療があります。
また神経が死んでしまったり、過去に神経が取ってある歯に、再び細菌が感染して痛みが出た場合も、同様の治療になります。これを根管治療と言います。根管治療について詳しくははコチラを・・・・

 この根管治療、神経の細い管に細いドリルを入れて神経を除去していくので、ごく稀ですが、このドリルが折れることがあります。

 多くの場合、歯の根っこの中でドリルが折れても治療には大きく影響しませんので、放置の場合も多いのですが、取れるものなら取りたくなるのが、人情ではあります。

 この折れたドリル、肉眼では取ることはできません。折れたドリルの除去はマイクロスコープがないと絶対にできない治療のひとつになります。

 例によってレントゲン写真ですが、ご覧下さい。
術前です。写真の中の黄色い丸の中にある白い棒状の影が折れたドリルです。
患者さまは、もういつごろ治療したのか覚えてない、というくらい古い治療です。
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 長い間、痛みもなく問題なく機能していたみたいですが、今回、「咬むと痛い」、ということで来院されました。
とりあえず、かぶせを外し、根っこの中を洗浄、消毒し、抗生物質を飲んでもらったら痛みは止まりました・・・。
まずは一安心。

 ここで試しに根っこの中をマイクロスコープで精査すると・・・・、見えます。折れたドリルが・・・・。
くどいようですが、取らなくてもとりあえず治るけど、取れるなら取りたくなるのが人情です(笑)。

 で、今回は、わりと簡単に取れました(;^ω^)。除去後です。黄色い丸の中の白い影がなくなっています。
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 最後はセメントで根っこの先までしっかり詰めて根管治療終了です。
b0119466_194585.jpg


 さて、折れたドリルの除去。治療にはいくつかの条件がつきます。
1.まず、マイクロスコープで折れたドリルが見えること。ケースによっては深すぎて見えないことがありますが、この場合はドリルの除去は不可能です。
2.また、見えたら必ず取れる、というものでもありません。ドリルの食い込み具合によっては、どうしても取れない場合があります。
3.マイクロスコープを使った治療全般に言えることですが、治療には時間と費用がかかる場合があります。
特に、時間は長時間口を開けておかなければなりませんのでご注意ください。
4.無理には取らない、ということ。前述のように多くの場合は治療には大きく影響しないため、必ず取らないといけないものではありません。ですから、無理はしません。

 以上の条件がそろった場合のみ、ドリルの除去はチャレンジします。ご了承ください。
by healthcarenews | 2014-10-13 19:37 | マイクロスコープ・根管治療

顕微鏡下で歯根端切除を行った一症例

 さて、今回のネタもマイクロスコープ関連です。
もちろん、顕微鏡歯科ばかりしているわけではなく、並行してインプラントや審美修復も行っているわけですが、ま、最新の技術としては、また今までできなかったことができるようになった、という点でも、どうしても顕微鏡関連のレポートが増えてしまいますねー。ご容赦ください。

 で、今回は歯根端切除術を行いました。歯根端切除術に関してはコチラをご覧ください
b0119466_2323436.jpg

もっと詳しく知りたい方は、例えばコチラもどうぞ
よそのサイトで恐縮ですが、さすがに説明が大変なもんで・・・・・(;^ω^)。

 まずは術前のレントゲン写真。
b0119466_20112321.jpg

一般の方はレントゲン写真で説明されても、「なんじゃこら?」か「ふーん」で終わりでしょうから、もうあっさりいきましょう(笑)。黄色い丸で囲ってある根っこの先の黒い影が悪い病巣です。
 
 この病巣、中には慢性炎症を起こした不良肉芽と細菌と毒素が詰まっています。
最近では、この毒素が原因で、腎不全や心臓病を起こすことが解っており、小さいものはともかく、大きいものはできるだけ摘出するか抜歯をすることが望まれます。

 術後です。
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病巣の原因となっている歯の根っこの先端の部分も3ミリほど切り取り、病巣摘出後、人工骨を詰めています。レントゲンで見ても、病巣が薄くなっています・・・・。

「ふーん」でしょうねえ、やっぱり(;^ω^)。

 実は、この歯根端切除、技術としては昔から行われている歴史がある手術です。しかし、昔は口腔外科医の領域で、その成功率も低く、60パーセントぐらいと言われており、そのため多くは抜歯になっていました。

 しかし、現在ではマイクロスコープの発達による精密治療と技術・材料のの進歩で、根管治療の専門医では、成功率90パーセント以上と、歯を残せる確率が格段に上がってきています。

 自分の歯の健康を守るために、まずは予防。そして、どうしても悪くしてしまった歯には、精密な治療でとことんまで、歯を残す可能性を追求する・・・。今は、それができる時代になってきました。





 
by healthcarenews | 2014-10-12 20:39 | マイクロスコープ・根管治療

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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