ヘルスケア通信

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審美治療って、実はとってもデリケート・・・

今夜のヘルスケア通信は、「審美治療って、実はとってもデリケート・・・」ってなテーマでお話をしましょう。
 
 まずは症例をご覧ください。
患者様は48歳女性。
審美治療を希望され来院されました。
 術前写真です。
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 約1年後、術後写真です。
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この2枚、較べて見て、ひょっとしたら「ん?どこが変わったのん?」って思われる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん「おー、さすが綺麗になったねえ!」と思われる方もいて下さるとは思いますが、僕のカンではそれぞれ3分の1。残りは、「なんとなく綺麗になったけど、どこが変わったの?」ってな感想だと思います。

 では、改めて症例の詳細をご紹介しましょう。
患者様は、もともと上顎の左右の側切歯(正面から2番目の歯)が無く、保険の白い歯でブリッジを入れていましたが、取って付けたような小さな2番目の歯に長年悩まれてこられました。
術前です。
正面からです。
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右から見たところ。
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左から見たところです。
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 確かに、側切歯の部分(正面から2番目の歯)はダミーと呼ばれる作り物の歯なのですが、形がとても小さく、いかにも取って付けたようです。逆に正面の歯は、横幅も長さもすごく大きく感じます。また、この歯は、保険のプラスティックの歯なので、ツヤが落ちてしまっているうえ、天然歯にくらべ、透明感のないただ真っ白な歯になってしまっています。

 じゃあ、この前歯のブリッジをセラミックにでやり直したら、すぐに綺麗になるか?というと、実はそんなに単純ではありません。最初のドクターがなにげにかぶせたら、こんな形になってしまった、それには理由があります。

 まずは古いブリッジを外します。
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実は、もともと2番目の歯が無いため、正面の歯も、真ん中にスキマが開いた状態(いわゆるすきっ歯)で生えていたのです。前医は、このすきっ歯をそのままかぶせたために、妙に大きい前歯と、小さい側切歯になったのでした。このままやり替えても結果は同じになるので、少し工夫をします。
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仮歯に替えたうえで、正面にゴムを掛け、プチ矯正を行います。

 少し専門的な話になりますが、この正面の歯を矯正することで、
1.正面の歯の間の歯間乳頭の回復、
2.正面の歯の歯茎の形態回復、(この二つで、正面の歯の形をより綺麗にします)
3.側切歯のスペースの拡大(2番目の歯の横幅を拡げ綺麗にします)、と3つの課題をクリアします。

 ここで、歯肉にもうひと工夫。
2番目の歯(ダミー)の部分の今度は長さを長くするために、歯が無い部分の歯肉をCO2レーザーで
少し掘り込み、そこにダミーを食い込ませるように入れていきます。オベイドポンティックと呼ばれるテクニック(専門的!スイマセン(-_-;))ですが、歯茎から生えているように見せることができます。

 ここまできてなんとか最終的な仮歯ができました。
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 余談ですが、それまでの間にトータルの審美目的で、変色歯のブリーチ(漂白)も行っています。
術前、右下2番目の歯(向かって左下)が茶色く変色していた(黄色矢印)のをブリーチしました。
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術後です(黄色矢印)。他の歯と区別が付かなくなりました。
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さて、改めて、トータルの術後です。
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材質は強度も考慮して、メタルボンドセラミック(金属フレーム付のセラミック)を選択しました。
プラスティックに比べ、ガラスのようなツヤを長期間保ち、変色も無く、清掃性もずっと良くなります。形は、正面の歯を少し細長く作り、女性らしくしました。その分、2番目の歯の幅を拡げ、歯、全体とのバランスをとっています。色合いは、他の天然歯に合わせ、白みを少し落とし、目立たなくしました。さらに、正面の歯より2番目の歯の明るさをやや落として立体感も出しています。
ブリーチをした下の歯も、他の歯の色合いとマッチしています。

右から見たところです。2番目の歯のオベイドポンティックも機能しています。
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左です。最後の仕上げに、左上の破折していた小臼歯をセラミックで新しくやり替えました(黄色矢印)。
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 さて、この患者様を長い間苦しめた悩みは、実は他のある人にとっては悩みでもなんでもない、まったく気にならない些細な事かもしれません。

 この治療のために、それぞれの歯で調整したスペースは、それぞれ1ミリあるかないかでしょう。
正直、僕自身、最初から自信を持ってこの治療ができた訳ではなく、仮歯を使いながら、試行錯誤の治療でした。わずかなスペースの調整と、セラミックの形態と色味の選択・・・。細かな事の細かな積み重ねで、薄氷を踏むような思いでしたが、結果は患者様には本当に喜んでいただきました。

 審美治療に対する、患者様の満足度は、実は数字で測れないものです。
単純に白い歯でかぶせれば、審美治療になる訳ではありません・・・。
ここで、冒頭のタイトルに戻ります。
「審美治療って、実はとってもデリケート・・・」

ご理解下さい・・・・・。
by healthcarenews | 2016-05-11 22:54 | 審美治療・セラミック

失われた歯を取り戻す・・、本当の意味の「修復」を目指して。

歯科の専門用語の中に「歯冠修復」という言葉があります。
一般的な建物の「修復」と同じように、虫歯で失われた歯を「元通り」治療することを意味する言葉なのですが、果たしてこの「修復」治療、本当の意味で「元通り」と言えるかどうかは、今までおおいに疑問でした・・・。

 白い歯を削って、「銀歯を詰める」、「銀歯でかぶせる」、これがはたして元通りに修復した、と言えるのでしょうか?

 いま、ダイレクトボンディングが、その問いに新しい答えを出そうとしています。

 術前です。
古い銀歯がボロボロになっています。隣の歯との間には、新しい虫歯ができています(黄色矢印)。
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術後です。
歯の色調に合わせ、ダイレクトボンディング用硬質プラスティックを充填しました。
色の違うプラスティックを3~4層重ねて詰めることで天然歯に近い色に合わせ、さらに噛み合わせの溝を本物そっくりに彫刻することで、リアルな質感を取り戻しました(下写真黄色矢印)。
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もう1症例、同じく術前です。
古い保険のプラスティックがかけて、一部穴が開いています。
白くはあったのですが、保険のプラスティックは強度に難がある時があります。
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術後です。
硬質プラスティックを詰めた後、歯の溝にステイン(着色剤)を落とし、色調を再現しています。
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「失われた歯を取り戻す」という表現は正直誇張しすぎかもしれません。
一度失われた歯は2度と戻ってきません、だからこそ予防が第一。
当院が、何にもまして、まず「予防歯科」を第一に標榜しているのはそういう理由からです。

 しかし、では、一度虫歯になった歯を治療するにはどうしたらいいのか?
歯としての機能とともに、ただ審美的なだけではなく、まるで「元通り」のように回復する・・・・、ダイレクトボンディングは、「修復治療」、歯の治療の概念そのものをこれから変えていく、そんな可能性を秘めた治療法だと思っています。昨年の導入以来、僕がこの治療にハマってしまったのは、そんな魅力があるからだと思います。保険外ではありますが、他の審美修復に比べ、比較的安価なのも魅力です。

 ただし、いくらダイレクトボンディングが優れた治療法だからと言って、一度大きく削られた歯は、修復が不可能な時があります。虫歯を大きく削って、銀歯を詰めたりかぶせたりする前に・・・・、一度ご相談ください。


参考ダイレクトボンディング、これからの審美治療




 
by healthcarenews | 2016-05-01 01:33 | 審美・ダイレクトボンディング

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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