ヘルスケア通信

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インプラント再考・8 ブリッジの限界と功罪・Part3

 インプラントを改めて考える・第8夜 「ブリッジの限界と功罪」のパート3です。
そろそろ飽きてこられたと思いますが、ブリッジのリアルを正確に理解して頂きたいので、もう2症例だけご紹介したいと思います。

症例4
 患者様現在68歳、女性。インプラントのオペは2011年になりますので、オペ時は62歳前後でしょうか。
初診時写真です。
右下の小臼歯を2本削って、大臼歯分を1本だけ補う「延長ブリッジ」が入っています。
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もう、今なら絶対にしない治療ですね。
横から見たところです。
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テコの原理で、手前側の歯に強い力がかかり、小臼歯を痛めるか、セメントがゆるんですぐにはずれてきます。

 案の定、はずれてきました。
下の写真は術前のレントゲン写真です。
幸い、外れてきたタイミングが早く、小臼歯はほとんど痛んでいませんでした。
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 まず、小臼歯2本をセラミッククラウンで修復。咬合を確保しました。
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 次に右下奥にインプラントを2本入れました。
術後のレントゲン写真です。
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術後、口腔内写真です。
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 横から見たところの口腔内写真です。
術前です。
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術後です。
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奥歯のしっかりした咬み合わせの回復を、審美治療と同時に達成しました。

症例5
 現在66歳、男性。オペ時は2014年、62歳か63歳ってとこでしょうか。
オペ時年齢が上がるにつれて、重症度も(インプラント埋入本数も)やはり上がってきます。

 初診時写真です。
まことに申し訳ないのですが、非常に映りが良くない(-_-;)。
初診時写真は貴重なので注意して撮るようにはしてるのですが・・・m(__)m。
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下は術前レントゲンです。
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 右下(向かって左下)の歯が、大臼歯2本、小臼歯1本計3本の奥歯がありません。
右側の小臼歯1本で噛める訳はなく、ずーっと左側のブリッジばかりで噛んできました。
その結果、左上ブリッジの一番奥の歯が重度の歯周病になってしまいました。
下レントゲンの黄色丸の中、歯を黒い影が取り巻いています。歯周病で骨が無くなってしまったのです。
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ようよう両方の歯で噛めなくなって、来院なさいました。

 とりあえず、まだ左には歯がありますので、右下の咬合回復を優先します。
右下にインプラントを3本入れました。前歯にも問題ありですが、くどいようですが奥歯の咬み合わせが先です。
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インプラントのかぶせ(上部構造)にはセラミッククラウンを用いました。(下写真)
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 下は左上ブリッジの術前口腔内写真です。
黄色丸の中の歯が問題の歯です。ちゃんとしてるように見えますが逝ってしまっています。
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小臼歯はまだ使えましたので、一番奥の歯だけ抜いてインプラントを2本入れました。
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下の写真は、セラミックの上部構造(インプラントのかぶせ)を入れたところです。
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術後の全体のレントゲン写真です。上下左右計5本のインプラントを入れ、奥歯の噛み合せを確立しました。
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 改めて、術後の口腔内写真です。
右です。奥歯の咬み合わせが回復しましたので、前歯も修復しています。
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左です。
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正面から見たところです。
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 この一連の「ブリッジの限界と功罪」で、ブリッジのリアルはだいたい理解して頂きましたでしょうか?
前にも書きましたが、僕はブリッジを全否定している訳ではありません。
しかし、ブリッジ治療には、寿命があるのは否定できない事実です。

 ではインプラントの寿命はどうなのか?・・・、という話に今度はなる訳ですが、ブリッジに比べると、きちんと作られて、きちんとメンテナンスされたインプラントは寿命が長いと言えます。これはまた後ほど触れます。

 ここまできて出てくる選択肢は、ある1本の歯を失った時、とりあえずブリッジにしてから、その歯がダメになってから2本以上のインプラントを入れるか、
最初に両方の歯を削らずに、1本のインプラントで済ますか、という選択です。もちろん「入れ歯」という選択肢もあります。

 次回は、新章(;^ω^)!「両方の歯を削らない!1本からのインプラント」というテーマでお話します。




# by healthcarenews | 2018-01-10 12:39 | インプラント

インプラント再考・7 ブリッジの限界と功罪・Part2

 今回のヘルスケア通信は、インプラント再考・第7夜、「ブリッジの限界と功罪」のパート2です。
それでは前回紹介できなかった症例をご紹介していきましょう。

症例2
 患者様は現在66歳、女性。
手術は2011年に行っていますので、初診時は60歳になるかならないか、というところです。
下は術前の口腔内写真です。

 左下のブリッジが取れてしまいました。一番奥の歯がドロドロの虫歯になっています。
この患者様は、もう昔に第1大臼歯を抜いてしまっていて(昔は第1大臼歯から痛んだものでした・・・)、小臼歯と第2大臼歯をつないでブリッジを入れていました。
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でも、もうワンパターンで恐縮なくらい、奥の歯のブリッジの土台が割れてしまいました。
 下は術前のレントゲン写真です。
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左下の黄色丸内の歯が割れています。
 でも、レントゲンをよく見ると、反対側の右下の歯も無い事がわかります。
右下の口腔内写真です。
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 実は、この患者様は、先に右下の奥歯を失っていました。
入れ歯を入れてみましたが、とても耐えられず、左下のブリッジばかりで噛んでいました。
そして、今度は左下の奥歯がその負担に耐え切れず、割れてしまったのでした。

 このまま放置すれば、今度は残った小臼歯と前歯を失っていくのは目に見えています。
この患者様は、人前で話をするのがお仕事なので、入れ歯はとても無理!ということでインプラント治療を選択されました。

 術後左右口腔内写真です。
左下は、一番奥の歯を抜歯してから、2本インプラントを入れました。
左下です。

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右下です。こちらにも2本インプラントを入れました。
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術後レントゲン写真です。
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 術前、術後の正面写真です。
術前です。
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術後です。
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 奥歯が自然にかみ合っているのがわかって頂けると思います。
咬み合わせも自然で、発声にも違和感なく、食事もおいしく食べられると喜んでいただいています。

 この患者様も、インプラント4本の他には、神経を取った歯が2本あるだけで、残りは大きな治療をした歯ではありません。
歯磨きもていねいで、いつもピカピカに磨いてメンテナンスに来院してくださっています。
まだまだ安定して長期間使っていただけるものと思っています。

症例3
 患者様は現在66歳女性、手術時は2012年ですので、初診時は症例2と同様、やはり60歳前後、ということになります。
術前写真です。
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 左下ブリッジが折れてしまいました。、一番奥の歯は歯周病が進行していて、ブリッジと一緒に抜けてしまいました(黄色丸の中)。

初診時レントゲン写真です。
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 このブリッジは、第1大臼歯と第2大臼歯を共に2本失っていたものを、小臼歯2本と親知らずをつないで、計5本のブリッジにしたものでした。
 大臼歯部は、人間が物を噛む力の大部分を支えています。ですから、大臼歯1本無くなるだけでも大変なのに(できたらすぐにでもインプラントを入れたいところなのですが)、2本無くなると、その前後の歯への負担はかなりのものになります。

 まだ削っていなかったらいいのですが、大臼歯2本無くなった場合、小臼歯2本と親知らずを削って5本ブリッジにすることを、保険診療で認めていますので、「入れ歯」を入れるよりは、と、前後3本の歯を削った、こういう5本ブリッジは結構無造作に多く入れられています。
 
 しかし、もともと小臼歯と親知らずは、大臼歯に比べ噛み合せを支える力が弱いところに、5本分の遠い歯をブリッジでつなぎますので、この治療法は、ブリッジの欠点ばかりが強調されるデザインとなってしまいます。ですので、このデザインのブリッジは、よほど慎重に、ていねいに作らない限り、遅かれ早かれこの症例と似たような結末を迎える可能性が高いと言えます。

 下は小臼歯部の拡大レントゲン写真です。
第2小臼歯の根っこの先に黒い影ができています。咬み合わせの負担に耐え切れず、歯が割れてしまったのでした。
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 結局、この歯も抜くことになり、このブリッジは計4本の歯を失ってしまいました。

 術後です。
左下に3本のインプラントを入れました。
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術後口腔内写真です。
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 術前、術後を左から見たところの写真です。
術前です。
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術後です。
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 術後の全体のレントゲン写真です。
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 左右バランス良く咬みあって、咬み合わせも安定しています。臼歯部が安定している分、前歯をほとんど触ることなく良好に経過しています。

 誤解の無いように補足しておきますが、僕はブリッジを全否定している訳ではありません。
現に、この患者様にも、右下には第1大臼歯を抜いてブリッジを入れています。

 インプラント治療は、素晴らしい治療だとは思いますが、かかるコストとリスクを考えても、歯が抜けたところをすべてインプラントで補える訳ではありません。
ブリッジはその安全性と効率という意味で、当院でも今でも歯が抜けたところの治療の第一選択です。
要は、やはりバランスだと思っています。

 ブリッジの利点と限界、特に長期的な経過に対する考察をしっかりしたうえで、ブリッジで治療するのかインプラントを行うのか、を決める事。
もちろん患者様の選択が第一なのですが、奥歯をしっかりと守ることが、長期的に見て、すべての歯を守るために必須であることが明白である以上、ブリッジとインプラント、両方のカードを正確に使いこなして患者様の治療方針を決め、進めていく事が、僕の役目であり責任であると思っています。
またそれが患者様の将来への大きな財産になると信じています。

 



# by healthcarenews | 2018-01-08 21:48 | インプラント

インプラント再考・6 ブリッジの限界と功罪・・、インプラント以外の治療について

 今回は、「インプラントについて改めて考える」の第6夜・・・、歯が抜けた時のインプラント治療以外の選択肢についてです。
歯が抜けた時の治療の選択肢には、「入れ歯(義歯)」「ブリッジ」「インプラント」があります。
それぞれ、利点欠点がありますが、そこは今日のテーマではありませんのでまた改めて・・・。

 言葉だけではピン!と来ない方もいらっしゃると思いますので、とりあえず簡単にご紹介しますと、
「入れ歯(義歯)」は下の写真のようなものです。
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 歯が無いところに人工の歯を作り、無い部分の両側の歯に針金をかけて口の中に入れます。
実は僕も小さな1本義歯を1回だけ入れたことがあるのですが、正直、違和感が半端ないです(;´・ω・)。
針金のところが気になって、いつも舌でぺろぺろ触ってしまい、舌に傷がついてしまいますし、もやしなんかも針金にいつも挟まります。
ですので、食事のたびに取り外して洗浄・・・、まあ当たり前なのですが、する必要があります。
 この写真の入れ歯でいうと、3本ないところを2本で支えてますので、隣の歯にはそれぞれ2.5本分の力がかかっている訳です。
これでは力学的に長期に使えるはずはなく、両隣の歯は早晩痛んでしまいます。

 ブリッジは、歯が無い部分の両隣の歯を削って、人工の歯をセメントで留める治療です。
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 上の写真のように、歯が無いところの両方の歯を削って、下の写真のように、人工の歯をセメントで取り付けます。
両隣の歯に「橋渡し」するように人工の歯が入りますので「ブリッジ」と呼ばれています。
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 ブリッジは、入れ歯と違ってセメントで取り付けますので、取り外して洗浄・・、なんて面倒はなく、針金も無いですから舌触りも噛み合せも、違和感はありません。
自分の歯にセメントで留めますので、自分の歯のセンサー(これがとても敏感なのです)が働いて、きちんと調整すれば、違和感無く自分の歯のように噛めます。
インプラント登場以前は、これが歯が抜けた時の治療の第一選択とも言える当たり前の治療でしたし、今でも、多くの患者様にこの治療を行っています。
 ただ、このブリッジ治療には大きな欠点が二つあります。ひとつは、両隣の歯を削ってつなぐ、と言うこと。もうひとつは、やはり歯が無い部分の負担が両隣の歯にかかる、と言うことです。

 それでは、本日のメインテーマ、「ブリッジの限界と功罪」について見ていきましょう。
症例1
患者様は、現在43歳女性。
左下の小臼歯と第1大臼歯をつないで入れていたブリッジが取れてしまいました。
中を見てみると、第1大臼歯が、虫歯でボロボロになっています。(鏡像ですので、左右逆に見えます)

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 昔のブリッジは当たり前のように神経を取って削って、銀歯をかぶせていました。
そうすると銀歯の中で虫歯になっても感覚が無く、気が付かないという事態が起きてきます。
銀歯はレントゲンも通しませんので、中の虫歯は見つけるのが難しい時があり、なんか噛み合せが変だなあ・・・、と、思っているうちに、ボロッとかぶせものが取れてくると、中はこんな具合になっているのです。
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 上の写真は、その部分のレントゲン写真です。土台は完全に溶け落ちて、歯根の先までバイ菌が回っています。
この歯は抜歯しか治療法はありません。

 幸い、手前側の小臼歯は、神経が生きていたため被害が最小限で済み、この歯は単独で生かしかぶせて、第1大臼歯は抜歯して2本分のスペースにインプラントを入れることにしました。
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 歯が無いところにインプラントを2本埋入し、治癒後土台を作ります。
その後セラミッククラウンをかぶせています。
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下は、その部分のレントゲンです。
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 それぞれの歯を単独で機能させることで、それぞれの歯の負担を軽減させます。
また、両隣の歯を必要以上に削っておらず、掃除もしやすい形態にしているため、虫歯にもなりにくい状態にしています。
 
 今回、ブリッジが取れてしまったら、中の歯が虫歯になっていた、という症例をご紹介しましたが、ひょっとしたら年配の方なら、同じような経験をされた方が多いのではないでしょうか?
 実は、多くのブリッジは、遅かれ早かれ、このような結末を迎えます。
それは、ブリッジが、「離れた歯をつないで、そこで噛む」という根本的な機能と構造を持っている宿命でもあります。少し難しく感じられるかもしれませんが、大切なことなので、ここで書いておきます。

 皆さんは、人間の歯は、例えば重度の歯周病(歯槽膿漏)でグラグラしていない限り、顎の中で固く固定されているものと感じてはいませんでしょうか?
いや、事実、毎日治療している僕たちでさえ、健康な歯は、顎の中で固く留まっているものと感じています。指で動かすぐらいではびくともしませんし、そうでなければ固いものはうまく噛めません。
 
 しかし、人間の噛む力は、自分の体重と同じくらいと言われています。アスリートなどは、自分の体重の倍の力で噛んでいたケースもあります。
そんな時、ミクロの目で見ると、歯や顎の骨も生体の一部ですので、生理的動揺と言って、強い力をいなす自由な動き(逃げ)を持っているのです。
 それは上顎と下顎で違い、だいたい上顎で150ミクロン、下顎で50ミクロンくらい動きます
たかが50~150ミクロンほどの動きですが、遠く離れた歯を2本つなごうとすると、このわずかな動きが大きく運命を左右します。

 ブリッジそのものは、だいたい丈夫な金属等のフレームでできていますので、体重程度の力がかかっても変形することはありません。
しかし、土台のほうが動くのですから、どこかに「その動きのひずみ」が現れます。
これは、多くは歯とブリッジを止めているセメント部分にかかってきます。だからブリッジを留めても数年~10数年ののちセメントが溶けてしまうのです。

 そこで、セメントが溶けたらパッとブリッジが取れてきてくれたらまだいいのですが、多くは溶けた歯のもう片方の歯のセメントはしっかり残っているため、いつまでも口の中にあり、セメントが溶けたところから虫歯になっても気づかないまま、ボロッと取れてきた時には、その歯はもう手遅れ・・・・。これがブリッジの最も恐ろしい結末です。

 しかし、遅かれ早かれ来る、このブリッジの恐ろしい結末は、今まであまり問題にはされませんでした。
その理由のひとつは、おそらく30年ほど前、まだ虫歯が洪水のごとくあった時代。次から次へと削ってブリッジを入れなければ、どんどん虫歯がひどくなって、重大な健康被害を起こしたから・・・。もう一つは数年でブリッジがダメになったら、また抜いてまた削ってブリッジを入れて・・・。そんな繰り返しで、年を取ったら、いつか入れ歯になることが、みんな当たり前と思っていたから・・・(年を取ったら入れ歯、は全然当たり前ではありません。)。
しかし、予防が発達した現代、そんな当たり前はもう通用しません。死ぬまで「入れ歯無し」で自分の歯で噛む。ここが目標になります。

 残念ながら、現在でも、歯が抜けた時の治療の第一選択は、やはりブリッジです。
これは、歯が抜けた時の治療の選択肢の中で、保険でできる安価で最も効率的な治療法だからです。
だから、雑に作られたブリッジをできるだけ入れてほしくないと思います。いつか必ず両方の歯の寿命を縮めます。

 しかし、どうしてもブリッジでしか治療できない場合も多々あります。その場合、ブリッジの持つ根本的な欠点は解消できませんが、少なくともその欠点を理解して、細心の注意を払って作っていく事はできます。それは歯の欠損の位置、削り方、咬み合わせの与え方、上顎と下顎の違い、患者様の咬合や虫歯、歯周病リスクの勘案、あとは、取らずに済むものならできるだけ神経を取らないこと、などなどです。そして、万が一そのブリッジがダメになった先の治療の選択肢がどうなるのか?そこまで計算に入れる必要があります。20年後の事を考えて治療する、というのはそういう事なのです。

 改めて「症例1」のまとめをしたいと思います。
術前の全体のレントゲン写真です。
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実は右上にも病巣がありました。
前にも述べた「一番奥の歯」です。多くはこの部分から悪くなっていきます。
下のレントゲン写真黄色い丸の中の黒い影が感染病巣です。

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ていねいに根管治療を行いました。
術後、病巣は治癒しています。
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改めて、術後全体像のレントゲン写真です。
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 実は、この患者様は、右上と左下以外、治療の必要な部分はありませんでした。
もともと虫歯のリスクは高くなく、歯周病のリスクも高いほうではありません。
なぜ、左下の歯を失ったのか、今では理解に苦しむ部分もありますが、まあ時代の不運だったと言えるでしょう。

 左下にインプラントをしないで、前後の歯を大きく削り大きなブリッジを入れていれば、やがてまたそのブリッジは外れ、今度はさらに大きく左側の歯を失う事になります。左で噛めなくなれば右の負担が増え、右上の歯の寿命も縮めるでしょう。いずれその影響は前歯にも出てきます。昔の人はそうやって歯を失っていったのです。

 幸いインプラントを選択できたことで、インプラントの前後の歯4本と右上の奥歯の寿命を延ばせたと思っています。
最初に述べたようにこの患者様はまだ43歳です。
女性の平均寿命が90歳に近づく現在、まだまだ50年近く、この歯は使わないといけない訳です。

 もちろん、このままであと50年はいける!なんて大口はたたきませんが、目に見えて明らかな歯を失う「X-Day」を少し遠い未来に先送りにできたとは思ってます。
このインプラントは、この女性の将来にとって大きな福音になると信じています。

 ちょっと、今回は長文になって、症例1だけで終わってしまいました(;^ω^)。
次回も引き続き、まだまだある「ブリッジ→インプラント症例」の紹介をしたいと思います。
お疲れさまでしたm(__)m。
 



# by healthcarenews | 2018-01-07 12:17 | インプラント

インプラント再考・5 歯を失った時の最初の1本・多くは奥の歯を最初に失う・・・

 インプラントネタ5連発です。
正月休みとは言え、5連発は目がチカチカしてきた・・・・(;^_^A。もう少しだ!がんばろう!

 今回のネタは、題して「歯を失った時の最初の1本・多くは一番奥の歯を最初に失うという事・・・」って感じですかね。

 前回までに、「奥歯の咬み合わせが前歯も守るので奥歯が大事」そして「多くは一番奥歯から歯を失う」って話はしました。
では、その一番奥の歯が無くなったらどう治療するのか?という話が今回のテーマです。
申し訳ないですが、結論だけ言っておきます。インプラントしかないです。あとは抜けたまま放置しておくか・・・・。

 ここでもう一度、なぜ一番奥の歯が早く無くなるのかを復習しておきましょう。
親知らず(智歯)がある人(と約12歳以下の子供)を除いて一番奥にある歯は第2大臼歯(もしくは12歳臼歯)と呼ばれる歯です。
この歯が早く悪くなりやすい原因は、

1. まず一番奥にあるため、歯ブラシが非常に届きにくい。そのため食べかすが残りやすく虫歯になりやすい。(ビスケット食べた時に奥歯の横にこびりつくでしょ?あれです。)
2. 唾液の流れが、この歯より手前に流れるため、食べかすが残りやすく、体の予防作用も働きにくい。(同じく食べたビスケットがいつまでも残っているのも、そういう理由です。)
3. 一番奥で、治療も難しい位置にあるため、治療がうまくいかない時もある。(大きな声では言えませんが・・。だからマイクロやルーペが要るのです。)

 ここからは、少し難しい話になります。
4. 第2大臼歯は、顎の関節に最も近い位置にあるため、テコの原理で、その歯に強い咬む力が働く。
5. また、咬筋と呼ばれる咬むための筋肉が、第2大臼歯のすぐ横を通っているため、筋肉の最も強い力が働く。
6. 咀嚼(物を嚙みこなしていく)運動の時、まずこの歯が一番最初に咬み合うため、一日何千回もの衝撃が、この歯に加わる。
7. これら、強い咬み合わせの力が、常にかかることにより、歯が割れやすくなったり、歯周病が、そこだけ重度に進むことがあります。
8. 時には、その奥に親知らずがあり、その親知らずが原因で、虫歯になったり、歯周病になることがある。(親知らずが斜めに生えていると、この第2大臼歯との間に物がはさまり、虫歯になりやすくなります。また、では親知らずを抜くと、今度は第2大臼歯の後方の骨がゆるんで、さらに歯周病が進行しやすくなります。)

 以上のように、長期にわたって一番奥の歯の健康を保つのは、なかなか大変なのです・・・(;´・ω・)。
では、放置したらどうなるのか?その反対側の歯(上が抜けたのなら下の歯、下が抜けたのなら上の歯)は咬み合いませんので、徐々に抜けてきます。咬合の力は1本手前の歯に移るので、今度はその歯にヒビが入ったり、歯周病が進んだりとトラブルが起きてきます。単純に見ても計3本の歯に悪影響がでるのです。

 まあ、文章にも飽きてきたので症例にいきましょう。

症例1
 患者様は2018年1月現在55歳、女性。
2008年の手術ですので、手術時年齢はこれから9年ほど引いて下さい。
今回の「最初の1本」に登場される患者様は、大体皆さん50代前後。アラフィフ、という事になります。
前回の複数本のインプラントが必要な患者様に比べると、やや平均年齢が若くなります。
逆に言うと、それくらいの年齢が、歯が悪くなる最初の1本の分かれ道・・・、という事になります。

 術前写真です。
右下一番奥に古いかぶせが入っていました・・・。最近は一番奥の歯から悪くなるので、この歯からかぶせられます・・・。
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・・・ですが割れます。この部分の歯はよく割れます。

 割れた歯を抜歯しました。下の写真は抜歯後です。
少し映りが悪くて、暗くて見にくいですが、奥歯のかぶせがありません。
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1本だけ、奥歯にインプラントを入れ、奥歯の支えを回復しました。
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下は、約9年後の写真です。1度かぶせを外してチェックしてみましたが、何も問題はありませんでした。
もちろん手前の第1大臼歯にも異常は出ていません。
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症例2
 この患者様は現在58歳、女性。
左下一番奥の歯がかぶせてあります。
奥から先に悪くなるので、ここだけかぶせてあるのです。
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で、強い力がかかるので割れます。割れたら抜歯です。
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 1本だけインプラント治療を行いました。
第1大臼歯を守るためには、この方法しかありません。
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セラミッククラウンで奥歯の噛み合わせを回復しました。

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症例3
現在59歳、男性。
術前です。
ワンパターンですが、本当にワンパターンに感じるくらい、この奥歯の治療は多いです。
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割れているので抜きます。
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 奥を抜歯すると、しばらくして、手前の歯の一部が欠けました。
咬み合わせの強い人は、常にそれだけ歯に強いストレスがかかっている、という事です。

一番奥にインプラントを1本入れ、奥歯の噛み合わせを確保し、手前の歯を守ります。
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症例4
 まだまだたくさんあるのですが、本当にワンパターンに感じると思うので、このタイプのインプラントは次の症例で最後にしたいと思います。
患者様は51歳、女性。
下顎右側の一番奥の歯を失って、その手前、第1大臼歯と第2小臼歯を削ってつなげる、いわゆる「延長ブリッジ」と呼ばれる治療を受けていた患者様です。
延長ブリッジがなぜダメなのか?なぜ一番奥の歯の治療が、インプラントか放置かの究極の2択しかないのか?その答えをお教えします。

 でも、実はまずは左下一番奥から・・・(;^_^A。ワンパターン治療です。
左下一番奥の歯のかぶせの歯根が割れています。ワンパターンです・・m(__)m。
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抜いてインプラントを入れます。
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インプラントを入れ咬合を回復しました。と、ここまではワンパターン。
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 ここで、この左下のインプラントが具合がいいので、右下のブリッジもやり替えて下さい!という事になりました。
下の写真です。右下には、こんな銀歯が入ってしまっているのです。
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 ブリッジをはずしてみます。
歯は大きく削られてしまっています。
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 これを入れた先生は、まだ非常に慎重に先の事を考えて治療をしてくれていたために、削られた被害は最小で済みましたが、延長ブリッジは力学的に無理な力がかかるため、雑な先生が入れると、手前側の歯があっと言う間に虫歯になってダメになってしまいます。

 術後です。
一番奥はインプラントで単独に咬合を回復。
削られた手前側の2本は、オールセラミックを用いて、それぞれ単独で接着治療をしました。
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 歯には、それぞれ生理的動揺、と言って、強い力がかかった時に、それをいなす力があります。
それを無理してつないでしまうことで、かえって歯の寿命を縮める時があります。
また、従来型のセメントによる合着と違い、最新の接着剤を用いて接着することで、セメントが溶けたところから虫歯になるリスクも減らすことができます。

 改めて術前、横から見たところです。
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術後です。
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 ブリッジは、やはり隣の歯を削る分、隣の歯を痛めるリスクが出てきます。
またダミーと呼ばれるニセの歯の部分に、よく物がはさまる、という不具合を訴える方もいらっしゃいます。

 この患者様は、その不具合もリスクも解決し、審美的にも十分満足されて、喜んで頂きました。
はじめに延長ブリッジが入っていた分、オールセラミック2本分、余計なコストがかかりましたが、まだ手遅れではありませんでした。

 40代半ばから50代にかけて、長い間ストレスにさらされていた一番奥の歯にトラブルが起こることは、本当に良く起こります。
その時、どう治療するのか?
この部分に1本だけの入れ歯、という治療は普通あり得ませんので、放置かインプラントか?究極の2択になります。大変悩ましい選択です。

 次回は「いわゆる普通のブリッジの功罪」。その次は「できるだけ歯を削らないために・・・」。そんなタイトルでお話をしたいと思います。

 





# by healthcarenews | 2018-01-03 19:38 | インプラント

インプラント再考・4 奥歯の咬み合わせが前歯を守る!

 今回のヘルスケア通信は、「インプラント再考」のパート4、怒涛のインプラント4連発です。
つらつらと以前の記事を読んでいたら、一昨年の年末から去年の年初にかけて、予防歯科の5連発をやっています(笑)。やっぱり、しっかりまとまった記事を書くためには、集中した一定の休みが要るんですよねー。

 と、言う訳で、今年はインプラントネタ。できたらまだまだ行きます。

 今回のテーマは「奥歯の咬み合わせが前歯を守る!」です。いよいよインプラント症例の出番です!
経験から言うと、多くの患者様は、まず奥の歯から失って行きます。何故か?

 少し専門的になりますが、親知らずを除く、一番奥の歯が、「第2大臼歯」で12歳ごろに生えるので別名12歳臼歯、とも言います。
その手前の歯が「第1大臼歯」、これも別名6歳臼歯と呼ばれ、6歳ごろに一番最初に生えてくる永久歯です。

 大臼歯と言うぐらいだから、お口の中で一番大きな歯です。だからしっかりと物が咬めます。
それだけではなく、「歯をくいしばってがんばる」みたいな言葉があるように、強い力を出したり、姿勢を制御したり、肉体的にも精神的にもとても大切な歯です。

 でも、それだけ大きな働きをしている分、それだけ大きなストレスもかかっています。
第1大臼歯は、一番早く子供の時に生えてくるため、その分虫歯になりやすく、早く歯を悪くしてしまいます
第2大臼歯は一番奥にあるため、お掃除がやりにくく、虫歯になりやすい傾向にあります。虫歯になると、今度は奥なので治療がとても難しくうまくいかない時もあります。また噛み合わせの力が強いので歯が割れたり歯周病も進みやすくなります

 昔は第1大臼歯が無い人が多かったのですが、予防が発達した現代では第2大臼歯から先に無くなる傾向にあります。
いずれにせよ、奥歯が無くなると、ストレスは手前に移ってきて、大臼歯が無くなった力を小臼歯が支え切れるはずもなく、ドミノ倒しで前側の歯を失っていきます。

 「2018、インプラント再考、パート1」で紹介した症例も、大臼歯が無くなった後、小臼歯がストレスに耐えきれずダメになった典型です。
パート2、パート3の症例も同様で、奥歯が無くなったために、今度は前歯がダメになった症例です。残念ながらインプラントの選択ができなかったために、前歯を失う結果になってしまいました。「奥歯の咬み合わせが前歯を守る!」まず奥歯をきちんと予防すること。そして悪くなったらきちんと治療すること。将来、歯全体を守るための秘訣がここにひとつあります。

 悪くなった奥歯をどう治療するか?という方法は、今ではいろいろあるのですが、治療の甲斐なくどうしても抜かなければいけなかった場合、しかも、一番奥の歯が無く、入れ歯以外の選択肢が取れない場合(入れ歯では、咬合のストレスを支える事はできず、他の歯を痛めるため)、ここはインプラントの出番!という事になります。

 それでは症例です。
 まずは症例1、これは2007年のオペ、患者様は当時59歳、男性。
左下第1大臼歯は昔に抜いてしまっていて、今度は奥の第2大臼歯が割れました。
今後もたびたび出てきますが、ブリッジは・・・・割れます。前後の歯どちらかが、必ずいつか割れます・・・。
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割れた第2大臼歯を抜いて2本インプラントを入れました。前方の歯はセラミッククラウンで修復。

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術後です。
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上の写真は2014年ですが、現在69歳、治療後10年間、現在も問題なく経過しています。

下の写真は、術前です。奥歯が無く小臼歯だけで噛み合わせを支えます。
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術後です。奥までしっかり噛めるため、前歯の治療をほとんどすることなく経過しています。
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 症例2
これは2008年の症例。手術時66歳。9年経過の症例です。
やはり、奥歯2本がありません。そこそこがんばって予防をしていても、奥歯にかかるストレスはものすごく大きく、必ず奥歯から無くなっていきます。
でも、ここで放置すると前歯がダメになります。
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奥歯にやはり2本インプラントを行いました。
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下の写真は現在です。これも良く噛めているためハイブリッド部はすり減ってしまいましたが、機能的には問題ありません。

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術前の、横から見たところです。

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術後です。前歯は健康な状態を保っています。
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今は75歳。ちょうど右下を治療中なのですが、左で問題なく噛めるため、やはりインプラントにしといて良かった、と喜んでもらっています。

症例3
次も2008年の症例です。
右下にブリッジが入っていましたが・・・、ブリッジの土台の根っこが割れています。ブリッジの土台は遅かれ早かれ、いつか必ず割れます。

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割れた歯は抜歯するしかありません。従来型の歯科治療は多くは歯周病か、噛む力により歯が割れて抜歯に至ったと思われます。
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術後です。インプラント3本埋入しました。
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 下は術後です。
この頃からは、ハイブリッドクラウンをやめてセラミッククラウン中心にかぶせています。
また一番奥の歯は、咬合の力に耐えるため金属にしています。
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 現在の写真です。
ハイブリッドクラウンをやめて、金属とセラミックだけにしているため、すり減りなど変化がほとんど起こっていません。
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 下は術前の右からの写真です。
これを見ただけでも、奥歯が無いと、前歯にどれだけ負担がかかるかは、想像頂けると思います。

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右奥まできちんと噛んでいます。そのため前歯も安定した状態を保っています。
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 この症例も9年経過して、まったく問題なく機能しています。

 今回は、「奥歯が抜けていろいろやったけど、結局悪くなってインプラントに至った!」症例をご覧頂きました。
こんな症例、実はまだまだ、たくさんあるのですが、長くなるので一服しましょう。
次回は、もう少し若い世代の患者様、「歯を失った時の最初の1本のインプラント」たちをご紹介します。



# by healthcarenews | 2018-01-02 22:39 | インプラント

インプラント再考・3 予防歯科の限界に見えるもの・・・

 「2018年、インプラント再考」のパート3です。
でも、やはり、インプラント症例は出てきません。

 今回出ていただく患者様の初診は平成3年(1991年)の10月です。今から26年ほど前、ということになります。
この患者様は現在85歳になられてますので、当時60歳前後、女性。
もちろん、この頃は口腔内写真も撮っていませんでしたし、デジタルレントゲンもありませんでしたので、初診時をイメージして頂く資料はありません(;´・ω・)。
 
 その頃は僕もまだ30歳になるかならないかの駆け出し歯科医師でしたので、できたことは大学で習った通りにきちんと、虫歯の部分は取り、痛む歯の神経は取って、残せない歯は抜く!これだけでした。
 予防歯科の基幹となったヘルスケア歯科学会(当時はヘルスケア歯科研究会)の発足は1997年と、それからまだ6年ほど後のことになります。
ただ、治療した歯を長く残すにはどうしたらいいか?という事は、その当時から自分なりにいろいろ模索をしていて、この患者様も、その当時から出来ないなりの長い長い予防管理におつきあい頂いた一人ですm(__)m。
 
 手元にあるもっとも古い資料から見て頂きたいと思います。
写真は2002年7月、70歳前後の口腔内です。
初診時の60歳前後の時に、下の前歯を除くほとんどの歯を治療して、かぶせてあります。
当時の歯科医療環境と歯科医学常識としてはそういうものでした。
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 初診時から約10年。時々途切れながらも予防管理を続けてきました。
写真を見ても、わりとキレイに歯を磨いて頂いていますし、ひどい歯周病も起こっていません。

 デジタルレントゲンとしては、2011年からの記録になります。
この頃で80歳前後、さすがに体の保護機能が落ちてきて、ポツポツと新しい虫歯ができるようになってきました。
この時にはもうすべての歯の神経を取って、かぶせてあります。
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 次の写真が2014年。
この頃まではあまり大きな問題は起こりませんでした。
この頃で83歳前後というところでしょうか。
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その頃のレントゲン写真です。

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2011年と比較しても大きな変化はありません。

ところが!
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2015年6月、まず下のブリッジがバキッと折れて、立て続けに上のブリッジがボロりと取れてきます・・・(;´・ω・)。

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下顎の前歯が、上顎に食い込んで、前歯のスペースが無くなっているのがわかって頂けるでしょうか?
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2015年のレントゲンです。
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 やむを得ない話ですが、80歳を超えたあたりから、正直、急にブラッシングが下手になってきました(;´・ω・)。
また唾液の量が減るせいか、バイオフィルムもべたべたで取れにくくなってきました。
逆に間食は増え、甘いものを食べる事も増えてきました。だんだんセルフコントロールが落ちてきていたのはわかっていたのですが・・・。

 この患者様を通して、いくつか見えるものがあります。
ひとつは、80歳を超えたあたりから、個人差もありますが、やはり人間の抵抗力は不安定になる、という事。
そしてもう一つは、これも個人差とケースバイケースではありますが、一度神経を取った歯の寿命は「20年前後」である事。
この「20年」という数字はたくさんの先生が講習会等で述べておられますが、奇しくも僕も実感することになりました。
さらに、年を取ると骨がもろくなるのと同じように、歯ももろくなる、という事。

 ですから、1本の歯だけ神経を取ってかぶせるのは、痛んだ歯ならやむを得ないとしても、
大きな負担がかかるブリッジや、上の前歯の治療には、長期的な経過を計算に入れた上での、細心の注意が必要という事になります。

 この患者様の現在の状態です。

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 20年以上、予防歯科を続けてきて、最近、高齢による予防歯科の限界を感じさせられることが多々あります。
この患者様も今回、残念ながら入れ歯になってしまいました。しかし、予防が無駄だったのか?と言うとそうではなく、80歳後半に向けて、まだまだ自分の歯が残っていますので、入れ歯も安定していますし、おいしいものが食べれるという点においては、まだまだ喜んでいてもらっています。

 大事なことは、これらの経験が、現在50代60代の患者様の将来にフィードバックできるという事です。
現在、僕は50歳60歳の患者様(最近はふた昔前とは違い、皆さん歯がきれいに残っていますが・・・)に昔のような治療をいきなりすることはほとんどありません。
いずれ少しずつ老化ともに歯が悪くなる日はやはり来ますが、その「X-day(エックスデイ)」を少しでも先に延ばすのが、今の僕の仕事です。

 予防する!削らない!抜かない!・・・この3原則が貴方の歯の将来を守ります。




# by healthcarenews | 2018-01-02 18:10 | インプラント

インプラント再考・2 従来型歯科治療の結果起こるもの・・・。

 今回のヘルスケア通信は「2018年、インプラント再考」のパート2です。
しかし、今回のネタにインプラント症例は出てきません。そこが今回の大きなテーマです。

 とりあえずは症例をご覧ください。
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 患者様は56歳、女性。
上の前歯の歯ぐきの腫れを訴えて来院なさいました。
確かに右上の前歯の歯ぐきがかなり腫れています。痛みももちろんありますし、排膿や出血もあります。

 下の両側の奥歯は無く、入れ歯を入れておられます。
ここまで悪くなった経緯はもはや定かではありませんが、少なくとも大きな穴が開いたままの歯や、途中で治療を投げ出した形跡は無く、今まで真面目に歯医者さんにかかって治療を受けて来られたと思います。

 問題なのは、真面目に歯医者さんにかかった結果がこれだ、という事です。
とりあえず、腫れている歯ぐきに対して、きちんと歯周治療を行います。

  3か月後、ブラッシング指導と共に、きちんとした除菌処置を行った結果、予想以上という表現をすると、この患者様に失礼ですが、最初の想像以上に好結果があらわれ、歯ぐきの腫れや出血はもちろん、歯ぐきの色まできれいになり引き締まってきました。
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 ただし、残念ながら、かぶせの下には写真で見ても黒く見えるように、もう深い虫歯に侵されています。

そこで、前歯のかぶせをはずしてみました。
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もう正面左右の2本の歯は、根っこが割れてしまっていて、土台ごとはずれてきてしまいました。

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 この前歯が割れた理由は簡単です。
下顎両側の奥歯が無いため(入れ歯は入っていましたが、入れ歯では本当の意味での強い噛み合わせの力を支える力はありません。)、前歯に無理な力がかかっていたからです。また前歯も若いうちに不用意に神経を取り、かぶせてしまっていたため、歯がもろくなり、また虫歯にかかったとしても気が付かないうちに中で破壊が進んでしまっていた結果です。

 この方の治療方針としては、まず割れた2本の歯を抜歯し、残っている歯に歯冠長延長術(クラウンレングスニングス)を行います。
そのうえで、できるだけ、歯の健康な部分を残しブリッジを改めて入れていきます。
 術後はまた改めて報告するつもりですが、残っている歯も、もうすでにかなり大きなダメージを受けている事と、下顎の奥歯が無い、という不利は改善できないため、その前歯もどこまで保存できるかは、定かではありません。
 この患者様は、まだ50代半ばという年齢で、しかも女性の平均寿命は90歳に届こうとしている現在、上の歯は人生の後半の大部分を大きな入れ歯を使っていただく可能性が高いと言わざるを得ません。
 僕にできることは、入れ歯は下顎の総入れ歯の方がつらいですので、残っている下の前歯を、できたら一生!残るように治療し管理していくことです。

 治療後の、長期的な経過を考えず、予防的管理も考慮されず行われた従来型の歯科治療は、多くはこのような残念な結果をたどります。
年配の方なら、ご自分で経験された方が、たくさんいらっしゃると思います。

 インプラント治療と言っても100%ではありません。高額の費用がかかりますし、リスクも伴います。誰にでも簡単にお勧めできる訳ではありません。
ですので、インプラント治療はともかくとして、まず申し上げたいのは不用意な歯科治療をお受けにならないで頂きたいという事です。

 長期的に歯を残すために覚えておいていただきたいのは、次の3つです。
1.予防管理をきちんとすること。
2.あまり歯を削らないこと。
3.特に奥歯の咬み合わせが重要になってくるので、奥歯を抜かずに済めば抜かないようにすること。

です。
 そのための予防歯科であり、MI(最小限治療)に基づいた接着治療であり、マイクロスコープを用いた根管治療です。
そして、どうしても抜歯をせざるを得ない時、やはりインプラントは、長期的に見てもとても有効な治療の選択肢になります。




# by healthcarenews | 2018-01-02 16:43 | インプラント

2018年、インプラント再考・1 インプラントの価値を改めて考える

 2018年、最初のヘルスケア通信は、いわゆる「インプラント治療」の価値を「改めて考えてみる」をテーマにしてみたいと思います。

 僕がインプラント治療を初めて導入したのが、2006年(平成18年)のことです。
この12年間、まあ、そこそこの症例をこなし、幸い1本のトラブルも起きていません。

 ヘルスケア通信では、まだ、インプラントの多くの症例を紹介していませんが、それは、インプラント治療が、初診から終了まで、かなりの時間を要し、そのうえ、入れてしまったら終わり!ではなく、そこから少なくとも10年くらいは問題なく患者様の口の中で機能し、患者様の健康に役立つものでなければ意味がないと考え、慎重に経過観察を行っていたからです。

 実は僕は1996年には「日本口腔インプラント学会の認定医養成100時間コース」という、インプラント認定医養成講座を、ほぼ1年かけて受講終了しています。そこから最初のオペまで、約10年かかったわけです。
 もともと新しい治療技術にむやみに飛びつくタイプではなく、ましてインプラントのようにリスクの高い治療には、より慎重な姿勢をとっていました。
 1996年当時は、まだ、CT等をはじめとする安全にインプラントを行うための周辺環境が整っていないと考え、導入を見合わせていました。
 1997年には、日本ヘルスケア歯科学会の予防歯科講習会が、大阪で初めて開かれたこともあって、まずは予防システムの確立を優先しました。

 さて、12年間経過観察を行ったインプラント治療についての評価ですが、結論だけ言うと、この治療は「慎重に行えば、リスクはけして高くなく、かつ長期に機能して、他の歯を守り、患者様の口腔内の健康と体の健康に役に立つ、これからは無くてはならない治療」と言えるでしょう。

 この12年間、予防歯科をはじめ、マイクロスコープや接着技術など様々な技術が発達した結果見えてきたものは、従来型の安易な歯科治療が、その場の苦痛の解決には役に立っても、20年、30年と長期的に見た場合、結果的に歯を失う原因を何も解決していない!という事実です。

 さて、この年初は、ちょっとがんばって(できるだけ暇を見つけては(;^_^A)、症例を交えつつ、そのあたりの詳しい解説をしていきたいと思います。

 これからご紹介する症例は当院で2例目に行った症例です。手術からほぼ12年経過しています。
まずは初診時の写真です。初診は2005年9月24日、古いデジカメなので、もう今から見ると発色が悪いですね(;´・ω・)。鏡に映っているので左右逆に見えます。
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 患者様は当時64歳女性。左下大臼歯を2本失っており、そこにはその頃当たり前に行われていた「延長ブリッジ」と呼ばれる、歯を削ってつないでかぶせる治療が行われていました。
 一見、きれいに白い歯で入っています。小臼歯を2本削って、ニセの奥歯を1本足してあります。
おそらくこの歯が入った当初はこれで患者様も満足だったでしょう。
しかし、小臼歯2本で失った大臼歯2本分を支える力は単純に考えても当然ありません。

 下の写真をご覧ください。
治療数年後には、支える歯にヒビが入ってしまっています(写真はブリッジを外して歯肉を切って開いた時のものです)。そのヒビを通って感染し、歯は真っ黒に変色し、骨の中まで侵されています。
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 従来型の歯科治療なら、ここで感染した歯を抜き、手前の歯を削ってブリッジにして、奥歯に入れ歯を入れるのですが、そうするとまた数年後にはそのブリッジが悪くなり、左下の奥歯がまったく無くなります。そうなると、下顎の前歯につきあげられて、次は上の前歯が100%!悪くなります。これは間違いなく100%です。

 そこで予後が不安定な小臼歯は抜歯してしまい、健全な犬歯は削らず保存するインプラント治療を選択することにしました。鏡に映っているので左右逆に見えます。
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 上の写真は抜歯して粘膜の治癒が済んだ術前です。
下の写真は4本のインプラント埋入後、治癒を待っている状態です。
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 術後、上のかぶせ(インプラント上部構造体)が入った状態です。
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 さて、下は術後11年後の写真です。
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 小臼歯の2本はセラミッククラウンでかぶせているため、何の問題も起きていません。
大臼歯2本の部分は、当時コストを少しでも安くするため、ハイブリッドクラウンを入れていましたが、
あまりにもしっかり噛めるので、ハイブリッドの部分がすり減ってしまいました。
しかし、金属フレームの部分は異常がないので、機能的には問題ありません。
またこの経験から現在では、ハイブリッドクラウンをインプラントのかぶせには用いていません。

 レントゲン写真もアップしておきます。
術前はまだ当時フィルムレントゲンだったため、デジタル画像の最も古いものをアップしておきます。
2011年11月のレントゲン写真です。
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 下が最も新しい昨年2017年10月のレントゲン写真です。患者様はこの時点で76歳になられています。
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 2011年のレントゲン写真から、約6年経過していますが、インプラント部には何の変化もありません。
逆に右上ブリッジ部の一番奥の歯が、強い咬合力がかかるためか、歯周病がかなり進んでいます。

 もしこの患者様の左下にインプラントが入っていなかったら、食事はほとんど右ばかりで行うので、右上はもっと早期にダメになっていたと思います。右上、左下が無くなると、今度は前歯ばかりで咬むようになるので、次は上の前歯が歯周病でグラグラになるか、歯が折れてしまいます。早晩右下もダメになるでしょう。
そこまでくると、下は両方の奥歯に顎付きの入れ歯。上は前歯から右半分にかけて大きな入れ歯が入ることになります。
80歳手前のよくあるおばあちゃんの口の中です。
例えば、こんな感じです。(別の患者様です。右下、上の前歯が折れてしまいました。)
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 今回ご紹介した患者様は、いまでも76歳とは思えない、とても若々しい患者様です。
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正面
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左側
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右側

 それは、入れ歯を使わずに、なんでも食べる事ができる歯が、精神的にも肉体的にもある程度支えているのは間違いないと思います。

 歯を失うドミノ倒しから、健康のドミノ倒しへ・・・。
歯を失う事は、ひとつ間違うと、全身の健康を大きく損ねる結果につながります。

 予防医学が発達した現在、病気にかかるのを未然に防ぐ事を歯科医師はお手伝いできます。
これからの歯科医師の責任は、実はとても重大だと思うのです。





# by healthcarenews | 2018-01-01 17:27 | インプラント

平成30年、あけましておめでとうございます。

平成30年、あけましておめでとうございます!
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本年もよろしくお願い申し上げます。
新年の診療は5日からです。

 ってここまでだと、昨年の新年のあいさつとほとんどデジャブー。
好みがあるとは言え、我ながら昨年と似たようなしめ飾りを選んだものです。
しかし、よく見ると微妙に違うのがわかって頂けると思います。けして昨年の使いまわしではありませんので念のため・・・(笑)。

 そんな訳で、今年はもう少しプラスアルファ。
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 新春を迎え、中庭には綺麗な山茶花が咲いています。
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 たくさんのつぼみも付いていて、これからまだまだたくさんの花を咲かせてくれると思います。

 昨年はとても忙しかったのですが、終わってみるとやりがいがあった本当にいい一年になりました。
今年も、この山茶花のようにたくさんの花を咲かせて行きたいと思っています。
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年末には例によって、診療室もピカピカに磨き上げました。

 ここ数年、歯科治療は、考え方も技術も器材も、まさに激変と言っていいくらい大きく変化しました。
新年を迎え、心を引き締めて、昨年まで学んだ技術をさらに磨き、皆様をお迎えしたいと思います。
また本年もよろしくお願い申し上げます。

山本歯科医院 山本憲二



# by healthcarenews | 2018-01-01 12:21 | お知らせ

オールセラミックセミナー IN TOKYO 2017

 こんばんは。またまた久しぶりのヘルスケア通信です(;^ω^)。
申し訳ありません、本当に長らく休筆させて頂きましたm(__)m。
なにげに、今年の記事を振り返ってみると・・・、11か月で、たった4回!しかも、そのうち1回は、「新年あけましておめでとうございます」(笑)。

 何ゆえの休筆かと申しますと・・・・、まあ疲れたんですなあ(;^_^A。

 もともと文章を書くのは好きな方なので、今まで続けて来られたのですが、その分記事を書くときは、集中して長時間の仕事になります。
 その上、最近はマイクロスコープによる根管治療やインプラントの増加、審美治療の増加、移植や接着治療など、抱えている症例は、多岐プラス複雑プラス長期に渡る症例が多くなっています。これらの症例を、写真を含めわかりやすく簡潔にまとめるには、これまた結構時間のかかる骨の折れる仕事でありまして・・・・、一日終わってへとへとになっていると、「まあ、更新は明日でいいかあ(*^-^*)!」と、ついつい先送りしてきた結果が、今回の顛末でございます・・・・m(__)m。

 文筆業をなりわいとされている方は、すごいですね。環境も価値観も自分の年齢もどんどん変わっていくなかで、安定して文章を書いていく・・・、やはりプロ、尊敬します。

 さて、そうは言っても、時折患者様から、「最近更新してないねー。」と言われる事もございます。
症例もどんどん溜まる一方なので、ここらで頑張って更新しないといけないですねー。
今年はかなり充実していて、仕事を「やり切った」感がありますので、ここらでちょっと一服して、年末年始更新をがんばってみたいと思います。

 と言う訳で、まずはリハビリ兼ねて比較的簡単な近況報告から・・・・。

 2017年11月26日、東京にオールセラミック治療のハンズオンセミナーに行ってきました。
ハンズオンセミナーとは、模型や天然歯に、実際に材料を使って新しい技術を学ぶ、実践的な講習会の事です。
一度に100名~200名が受講できる、話を聞くだけのセミナーとは違い、今回のセミナーの受講者は12名程度。その分少数精鋭で、より実戦的な技術が学べます。
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「KAVO(カボ)」と「Kerr(カー)」は、ドイツの老舗の医療機器、製品メーカー。今回はここの主催のセミナーです。
当院で使っているマイクロスコープやルーペのメーカーである、ライカやカールツアイスももともとはドイツ製です。
やはり、ドイツ、自動車と同じく、医療機器も一味違います・・・。ゲルマン民族恐るべし(笑)。

 今回のセミナーのタイトルは「オールセラミック修復のための新しい形成コンセプトと接着テクニック」
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 最近、ずーっと力を入れてきた「ダイレクトボンディング治療」の成績は画期的で、最新の「接着治療」はこれまでの歯科医療の常識を変える事ができる、と確信しました。今回は、その総まとめを目指して受講してきました。

 まずは朝一番の景色、品川は御殿山のとあるビルの17階です。
遠くに富士山が見える(赤矢印)、チョーいい天気!でも僕は講習会場の中です(;^_^A。

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 別の窓から・・・。こちらからは東京タワーが望めます。
 
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講習中。
中身もこれまた画期的な話でしたが、これはまたおいおいと・・・。
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ふ、と気が付いたら、景色はもう夕方に・・・・。
関西に比べて東京は日が暮れる時間が早いので、もうあっと言う間に一日が終わった気分です・・・。
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 講習が終わった頃には、外はもう真っ暗になっていました。
新幹線を待つ間にも、外はどんどん気温が下がっていったのですが、僕の心の中は熱いままでした・・・。

 今回の講習の一番の大事な点は、従来の金属の詰め物をやめて、セラミックを「接着」しましょう!という話でした・・・。
当たり前に行っていた、従来の金属の詰め物の治療は、もう「欠点」がいっぱいです。
 第一、これだけ医療や材料が進化した現在で、いわゆる銀の詰め物はもう100年以上前から行われていて、しかも何も進化していないのです。
歯の寿命を延ばす、と言う意味の性能はあきらかに劣っていて、先進国の中で、これだけ「銀歯」が使われている国も日本だけ・・・。
 
 僕が大学を卒業した30年前、携帯電話はもちろん無く、パソコンもろくなものは無く、使っていたのはNECの文豪というワープロでした・・・。
それから30年、現在のiPhoneで出来る事と言ったら・・・・・。30年前には、想像さえできなかった技術です。
 これだけ科学が進歩したにも関わらず、歯を削って型を取って金属で詰める、と言う歯科医療は、いまだに1895年に、G.V.ブラック先生(この先生はこの先生で、本当に偉大な先生なのですが・・・)が提案した技術に従っているのです。

 歯を守るための「予防歯科」が歯科医療の入口ならば、その後、失った歯を補うための「インプラント」が治療の出口にあたります。
それぞれが、最近高度に発展し、とても大切で効果的な治療ですが、その中間にある銀歯が、欠点もそのままに100年前の技術のままで行われているのはどう考えたら良いのか、それを見過ごしてて良いのかどうか・・・・。
 
 もちろん、そこには保険診療と言う大きな壁が横たわっています・・・。
来年は、これをどう伝えるか・・・・。来年の大きな目標がおかげで出来ました・・・。

 ちなみに、現在午前1時半・・・。だから更新が途絶えるのですよねー(;^_^A。








# by healthcarenews | 2017-12-08 22:03 | 審美治療・セラミック

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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