ヘルスケア通信

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未病の終わりは病気のはじまり

東洋医学に「未病」という言葉があります。
この言葉は2000年前の後漢の時代に、中国最古の医学書とされる「黄帝内経」にはじめて見られます。このなかで「未病」とは「病気に向かう状態」を指し、この「未病」の時期を捉えて治せる人が医療人としては最高人であると書かれています。

歯科でいうならば、まさに予防歯科そのものの考え方と言えます。健康ならばもちろん言うことはないのですが、ストレスの多い現代、実は「未病」の状態の方がたくさんいらっしゃると思います。

そして、ほとんど健康に近い方から、もう病気になる寸前の方まで、この「未病」の範囲はとても広いのです。
自覚症状がない所が「未病」なのですが、風邪や腹痛などの一時的な感染とは違い、虫歯や歯周病は自覚症状が出たときには、もう歯や歯を支える顎の骨など、何かが失われると思ってください。

「未病」の状態でのコントロール。まあ、古典をひもとくまでもなく、病気が発症する前に、コントロールして予防するのが最良なのはまちがいありません
# by healthcarenews | 2007-07-22 13:49 | 予防歯科・メンテナンス

神経を取ったら、歯が弱くなる??

神経を取ったら、歯は弱くなりますか?という質問を受けることがあります。
私たち歯科医師が一番答えにくい質問のひとつです。

結論だけ簡単に言うと、歯は確かに弱くなります。
ただやむなく神経を取らないといけないような事態になってしまっているのです。
だから今後をどう対処するかということが大切になります。

こういうとき私は皆様に次のように説明するようにしています。
まず「神経が生きている歯」は、生きている木と同じと考えてください。
「神経を取った歯」はちょうど木造建築のために製材した木材と同じと言えます。
生きている木で家を建てるのは無理がありますので、製材をするわけですが、歯も治療をするためにやむなく製材をしているわけです。

ではどちらが寿命が長いのか?単純に比べれば、生きているほうが、寿命が長いといえます。

しかし木造建築でも、設計と手入れさえ良ければ、長い年月、風雪に耐え建っている例はいくらでもあります。逆にいくら生きている木でも環境が悪ければ、たやすく枯れていきますし、時には地盤ごと根こそぎ崩れていく場合もあります。これは虫歯や歯槽膿漏に例えることができるかもしれません。

もちろん、神経は生きているに越したことはありません。しかし、日常生活に差し障るほどの痛みが出るような事態になれば、いつまでも無理に神経を残すのも得策ではありません。口の中の痛みは精神にこたえますので、結局神経を取る羽目になり、苦痛が長引いただけという結果に終わることも少なくありません。

大事なのは、なによりも、神経を取らないといけないような事態にならないこと。これには予防でお口の環境を安定させるしかありません。
やむなく神経を取る場合は途中で治療を中断しないこと。神経の管を通じて顎の骨の中に直接、細菌の感染ルートができてしまいます。
そして治療後はきちんとメンテナンスを行なうこと。歯そのものの知覚は無くなるため、虫歯ができてもわからなくなりますし、年数が経つともろくなり、折れたりしやすくなるからです。

また個々の症例や、虫歯や歯周病のリスクによっても判断が変わってきます。詳しくは担当医と良くご相談下さい。

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# by healthcarenews | 2007-07-22 13:45 | 虫歯治療

8020は1日にして成らず。

8020についてもお話をしておきたいと思います。
8020運動については聞いたことがある方もいらっしゃるとおもいますが、80歳で20本の歯を残そうという運動です。
20本自分の歯があれば、食事をおいしく食べることができて有意義な老後を送れるからがんばって歯を残しましょう、というのが基本的な考え方ですが、単に20本残ってればえらいのか、とそういう意味ではありません。
ここでは少し別の側面からお話しておきたいと思います。

本来、歯は親知らずを除いて標準28本、上下それぞれ14本ずつが、まったく無駄なく、支えあって機能しています。もし歯が1本抜けるとどうなるか?両脇の歯の負担は1.5倍に増えます。
想像してみてください。3人でちょうどいい仕事場で、1人が休んで2人なったら負担がどれだけ増えるか。
1週間や2週間なら、まだ耐えられるかもしれませんが、何ヶ月にもなると、残りのスタッフも過労でへろへろになってしまいます。
歯もまったく同じことが言えます。
残りの歯が20本以下になるとそれぞれの負担が増えて歯は加速度的に破壊されて行きます。
その破壊は単にバイオフィルムの除去だけでは、コントロールは困難になります。
例えば60歳で残り20本の歯の方が、がんばって予防するから8020達成できるでしょうか?と問われればそれはおおいに疑問と言わざるを得ません。
まずは最初の1本を大事に。
これが基本です。

ただし、念のため付け加えれば、現在歯が20本無い方もいきなり悲観することはありません。
ていねいな治療と予防。噛み合せのコントロールで、かなり歯の寿命は延ばすことはできます。そこは予防歯科医の腕の見せ所です。

当院にもメンテナンスを重ねられ、80歳で20本の歯が残っておられる方が何人もいらっしゃいます。
また70代で20数本の歯を残されてあとは80歳を待つばかりと言う方もいらっしゃいます。
56歳でメンテナンスを始められ15年経過、現在71歳でその間1本だけ歯を抜いて残り27本のご婦人もいらっしゃいます。
喪失率から考えて8020達成は間違いないと思います。8020は一日にして成らず。
まずは予防をはじめましょう。
# by healthcarenews | 2007-07-22 13:43 | 予防歯科・メンテナンス

予防歯科って、何だろう?

 これまでの歯科治療は、その原因よりも症状の解決が中心になってきました。
たとえば、腫れや痛みを取るだけの治療はもちろん、削って詰める治療でも、実はその病気の原因を解決してはいませんでした。
これは、建築に例えれば、しろありが巣食った家を修理して、しろありそのものはそのまま放置してあるようなものでした。また悪くなるのは当たり前の話です。
 痛みが出たときだけ通う、場当たり的治療はさらに最悪です。
その場しのぎで、病状はさらに深く進行していきます。

 予防歯科ではまず、患者様それぞれの病気の原因を分析し、その原因除去をできる限り行なっていきます。
虫歯や歯周病の原因はお口の中の細菌ですので、まずはその定期的なクリーニングをしていくことが基本となります。
その上で、フッ素を塗って歯を強化したり、咬合やその他のリスクのコントロールをていねいに行なっていきます。
 
 当然予防にもコストはかかります。
しかし、長期間かかっても予防のために歯科医院に通院し、メンテナンスに費用をかけた結果、貴方のお口の中にはきれいなご自分の歯がしっかり残っているでしょう。
 
 逆に従来型の歯科治療を受けていき、虫歯になれば詰め、痛めば神経を取り、差し歯を入れ、
だめになったら抜いて、ブリッジや入れ歯をして、まただめになったら、また抜いて、
 「あー、ここもだめですねー。」と修復の繰り返し。
きちんと歯科医院に通い続けて、治療費を払い続け、あげくのはて、これで将来何本の歯が残っているのでしょうか?80歳で平均5本しか歯が残っていない現実は、実はこんなところに原因が隠れていたりするのです。

同じ時間とコストをかけて、歯がある方と、歯が無い方、どちらの結果を選ぶほうが賢明か?

貴方ならどちらを選びますか?
# by healthcarenews | 2007-07-22 13:38 | 予防歯科・メンテナンス

貴方の健康の舵取りを。堺市北区中長尾町、山本歯科医院の歯科に関する情報のページです。


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